前回の黒滝山から峰筋道を約40分、 白滝山龍泉寺裏の山頂にそそり立つ巨大な花崗岩、八畳岩に刻まれた磨崖石仏です。
生憎僕は峰筋道をハイキングせず車で龍泉寺駐車場まで移動、参道を約15分程で山門まで辿り着きましたが・・・。
本堂脇から10分程も登ると巨大な花崗岩の岩塊があり、その岩壁の何箇所かに前回の黒滝山の磨崖とは全く異質な磨崖石仏が刻まれている。
最初に出逢うのがこの釈迦三尊像・・・・、大きな八畳岩の上部表面に雲上に載る釈迦三尊を中肉彫りで刻み出す。
脇侍に迦葉・阿難の両菩薩立像従え、凡そ等身大の中肉彫り。
彫りは良くできているがどうにも尊顔に深みが感じられず、悪いが子供の塗り絵を思い出す。
一方こちらは脇の大岩に刻まれた十六善神磨崖仏、 インドの石造彫刻を思わせるような肉感的な彫りを見せている。
こう言う技法も有ったんだと感心もするが、しかしその像容はどことなく漫画チックであることは否めない。
十六善神石像など他では聞いたこともないが、非常に珍しく中央、旅姿の玄奘三蔵とその右脇には異様な姿の深沙大将。
しかし等身大の石仏?を、こうもぎゅうぎゅう詰めで羅列されると圧巻、圧倒されそうです。
隣り面にはこんな3体・・・
続く面には下部に三体、ちょっと醜いが上部に二体・・・・なぜか中央の石仏は思い切り笑顔です。
因に釈迦三尊と十六善神像の像容が違うのは時代の違い、釈迦三尊は江戸初期、十六善神像は室町期の造立だとされる。
磨崖を見つかれて白滝山頂上、八畳岩から見下ろす「竜泉寺」山門とその向こう、黒滝山越しに多島「瀬戸内」の海が光る。
撮影2012.12.1
禅宗寺院では祈願、祈祷の際、釈迦三尊十六善神図を掲げるそうです。
三原市では技法から鎌倉時代のものと言っていますが、刻まれている寄進者を調べてみると、文化、文政、天保時代に活躍された人が刻まれています、鎌倉時代のものとは思えません。