前回紹介の円成寺の道路を挟んで対面側の少し奈良寄りのところに採れたて野菜の直売所があって、そのてまえの山道が旧柳生街道、奈良春日の原生林を越えて奈良市内へと続くハイキングコースにもなっている。
この山道に入って直ぐのところに古びた石仏が木の根っこに凭れかけている、いわゆる忍辱山墓地のお迎え地蔵さん。
天文6年(1537)の銘が入っています。
もうた立っていることにすっかり疲れ果てたのか?木の幹にしっかり全身を預けて居るようです。
左手の道脇には6体地蔵さんが、その手前を上のほうに登っていくと古びた墓地が広がっています。
墓地の中ほど、墓石に隠れるようにして一石に九尊の阿弥陀を浮彫にした九尊阿弥陀石仏があって永禄元年(1558)の建立、
直ぐそばには、一石七尊如来石仏、元亀二年(1572)建立もあって、石仏としては余り見かけることの無い珍しい物です。
また、少し奥に進むと大きい五輪塔がでんと座っている、総高2.6m、鎌倉期の元亨元年(1321)の建立、堂々たる五輪塔で、 大和系の複弁式反花座と二重の基壇を設けていて、国の重要文化財に指定されている。
他にも室町期の小石仏がそこかしこにあって、この墓地の古い歴史を物語っている。
撮影2006.11.8