愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

旧加茂町 ツジンドの焼け仏

2006年12月09日 | 石仏:京都

京都方面から、24号線を南下して、加茂町の当尾を訪ねるには木津町の市坂より左折、加茂町へと向かうが、加茂町にはいって直ぐの浄瑠璃寺口の信号を右折して当尾方面へと入っていく。

当尾への幹線道路であるこの通りに最初にみえる集落が西小、幹線道路より集落に入っていく旧道の細い坂道を少し登ると,この石仏に出逢う。

両脇の椿の樹に囲まれるようにして、焼け爛れて大きく割れ目の入った姿が痛々しい。

ツジンドは西小、大門、高田、尻枝への道の十字路にある辻堂からきたもので、ツジンドの焼け仏と呼ばれていますが、昭和二年(1927年)九月に消失し、見るも痛ましい焼け仏になったようです。

石仏は阿弥陀三尊だったらしく,中尊には残っている指の型から阿弥陀如来立像、左脇侍は長谷寺形十一面観音、右脇侍は地蔵の両菩薩像であると推定されて居るようです。

像高1.67m、正面は赤く変色、焼け爛れていて、実際には目視で殆ど見分けることは不可能な程痛んでいます。 

銘文も残っており、元亨三年(1323年)六月八日造立とあり、鎌倉末期の像立。

しかしこのように焼け出され痛んだ石仏にも季節の花は欠かさず手向けられ、痛々しい割れ目には賽銭の10円玉などが挟まれて、この石仏への愛着が伺われる。

僕が生まれるずっとまえに焼けたので、顔を拝むことは不可能だったが、ひと目だけでも見て見たかった。

撮影、2005.4.9   2006.12.01

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