Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

発展的な室内楽の場

2024-05-24 | 文化一般
クロンベルクの演奏会の席を押さえた。昨年からそこで一番待ち受けていた演奏会だ。新たにそこに登場するヴァイオリニストのジャニー・ジャンセンがお目当てだ。どのように出てくるのか楽しみにしていたらギドン・クレメルと組むということで悪くはないと思った。

彼女のヴァイオリンはチューリッヒの素晴らしい会場でモーツァルトの協奏曲を弾いたのを聴いたのが初めてだ。中々舞台上での場が華やかで、その演奏よりも華があった。残念ながら指揮者のペトレンコは2021年暮れの初共演からは急遽下りた。その背景はよく分からないが、その半年後には所属タレントは二度とDCHに出さないとユニヴァーサルとの契約延長の物別れとなったと発表があった。恐らくそれに関連した事件があったのだろう。今年も一月前ほどにヴィーンで同様なキャンセルが起きた。

ヴァイオリンの実力とは直接関係がない話しであるが、まだまだこれという演奏は聴いていない。その彼女がクロンベルクで活動するようになったのを知ってとても楽しみにしていたのだ。

なによりもその前提になるのはその新しく出来たカザルスフォールムと名付けられているホールで室内楽ホールとしては画期的である。一流の欧州室内管弦楽団もそこを本拠とするようになったので、現在のシフなどが指揮しなくなって、真面な指揮者がそこで演奏会を行うようになれば大変期待できる。

今回は幸いなことにクレメルとバルティックの彼の楽団との共演でバロックを弾きそうなのでそこそこその実力が明らかにされるだろうと期待している。レートナイトと二つの演奏会込みで二割引きで購入できた。

二週間前の演奏会も良かったのだが、それはアカデミー生との共演の教育的なものだったので、今回は本格的な催し物となる。しかし価格は全く変わらずで。お礼のような演奏会でもある。フランクフルト近郊で優れた室内楽ホールも限られていて、ワイン街道からは寄り道さえしなければ、室内楽に通える距離である。

それも昔の名で出ているのではない超一流演奏家の音楽が聴けるとなると言うことなしだ。先月のハイデルベルクの音楽祭は室内管弦楽となると新しい大学講堂になってそれ程の魅力はないのだが、このクロンベルクのような環境はドイツでもそれ程ないと思っている。

バーデンバーデンでもこれに匹敵するようなものを作るなら応援したいと思う由縁だが、勿論そこで何をやるかが重要で、上の場合は既に30年かけてアカデミーからの土台作りがあったので発展は比較的容易になっている。

現時点の講師陣とレジデンスにしている欧州室内楽団そして、セミナーの方向性などで可能性も様々な方面に広がっている。それほど近所ではないのでアカデミー演奏会に行くことが叶わないので会員にはならないのだが、発展の様子を観察してみようと思っている。
Gala from Berlin 2021 (Trailer)

Gidon Kremer and Kremerata Baltica - Oblivion (Astor Piazzolla) - Tallinn, 14.4.2022




参照:
「愛の宣誓」の口籠り 2024-05-18 | 音
ピアノ付きの演奏会アリア 2022-10-07 | 女

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