昨日の選挙TVプログラムは、解散と与党低落の要因となった労働問題が話題であったので観た。結局は、名前の悪いHARZ IVとか言う労働法案を巡る諸問題が浮き彫りになっただけである。
基本的には、手厚い失業制度の行き過ぎを順当に改正しようとしただけなのだろうが、細かな法律ばかりを作る社会民主主義政権の欠点が浮き彫りになる。法律は出来るだけ少ない方が良い!憲法裁判所を含めて仕事過剰であったろう。
失業とは、雇用が無いことではない。無いのは、意志、智恵、希望、未来、教育、機構である。
番組では、誰が見ても理不尽な労働市場の数例を、その取材VIDEOを廻して各派に意見を求めた。注目の大連立大蔵大臣候補の顔見世の感もあったが、そしてそこでなされたCDUザールランド州ミューラー知事や左翼連合同地ラフォンテーヌ元知事、更にはベルリン生まれのFDPプェルツァーの重鎮ビリューダレ氏などの発言が正しいかどうか、翌日の独第一放送局のHPでチェックされている。
全体の印象としては、労働についてはCDUとSPDの政策は殆んど変わらない。その他の野党の政策は、あまりに思想的で現実的ではない。この二つの政党を比べると、前者が理想主義で後者が構造主義と言えるかもしれない。余りに具体的で仔細に渡る規定があるからこそ、失業保険の支給についても、後者では政策上の綻びが目立つ。
一部の失業者には失業保険を納めているからそれを取り返すのは当然との意識も強く、そればかりか失業を仕事としている者さえいる。
この事象は、共産主義意識を持った東ドイツ市民が、特に労働法案に反対したことに見られるだけでなく、何処の何時の社会にでも当てはまるであろう。要するに、取れるだけ貪り取ろうとするのである。
失業保険の充実は上手く働くと労働市場の活性化を生む事にもなるが、最低賃金や行き過ぎた被雇用者保護は労働市場を麻痺させてしまう。高齢化社会の労働市場についても、年金制度と並行して、尚一層議論されるべきであろう。
最終的に常識的な結論に落ち着くようで、選挙戦で保守連合が余り有効な対処策を持ち得ないどころか、如何にも幻想的なハイデルブルクの税制学説を持ち出したり、今度はそれを「遠い目標」と棚上げしたところに「敗因」があったのではないか。どうも女性党首の妙なアカデミックコンプレックスが災いした。偶々観たTVスポットのトロツキスト団体のような空想主義の敵などは、最早存在しない。だから保守勢力は戦い難いどころか、より現実的な政策さえ示せない。
それにしても政見放送で、「第四インターナショナル、万国の労働者、団結しよう」などと呼びかけるスローガンを聞くと、冗談以外の何ものでもない。西ドイツでは、共産主義活動はネオナチ等の民族主義同様に禁止されていたが、現在もこれらはイスラム過激派などのテロ組織と同様に武装傾向の有無が、SPD オットー・シリー(赤軍派の弁護士として頭角を顕し緑の党を経てSPDに転向)内務大臣の内務省社会安全局BMI-IS4の監視下にある。
一方では、同類のネオコンサヴァティーヴ勢力がホワイトハウスを牛耳っている事を思うと、宗教、政治、経済、学問等、如何なる分野においても原理主義の滑稽さが今更ながら際立つ。
参照:
終焉後の政治地図 [文学・思想] / 2005-09-12
終わり無き近代主義 [文学・思想] / 2005-09-03
基本的には、手厚い失業制度の行き過ぎを順当に改正しようとしただけなのだろうが、細かな法律ばかりを作る社会民主主義政権の欠点が浮き彫りになる。法律は出来るだけ少ない方が良い!憲法裁判所を含めて仕事過剰であったろう。
失業とは、雇用が無いことではない。無いのは、意志、智恵、希望、未来、教育、機構である。
番組では、誰が見ても理不尽な労働市場の数例を、その取材VIDEOを廻して各派に意見を求めた。注目の大連立大蔵大臣候補の顔見世の感もあったが、そしてそこでなされたCDUザールランド州ミューラー知事や左翼連合同地ラフォンテーヌ元知事、更にはベルリン生まれのFDPプェルツァーの重鎮ビリューダレ氏などの発言が正しいかどうか、翌日の独第一放送局のHPでチェックされている。
全体の印象としては、労働についてはCDUとSPDの政策は殆んど変わらない。その他の野党の政策は、あまりに思想的で現実的ではない。この二つの政党を比べると、前者が理想主義で後者が構造主義と言えるかもしれない。余りに具体的で仔細に渡る規定があるからこそ、失業保険の支給についても、後者では政策上の綻びが目立つ。
一部の失業者には失業保険を納めているからそれを取り返すのは当然との意識も強く、そればかりか失業を仕事としている者さえいる。
この事象は、共産主義意識を持った東ドイツ市民が、特に労働法案に反対したことに見られるだけでなく、何処の何時の社会にでも当てはまるであろう。要するに、取れるだけ貪り取ろうとするのである。
失業保険の充実は上手く働くと労働市場の活性化を生む事にもなるが、最低賃金や行き過ぎた被雇用者保護は労働市場を麻痺させてしまう。高齢化社会の労働市場についても、年金制度と並行して、尚一層議論されるべきであろう。
最終的に常識的な結論に落ち着くようで、選挙戦で保守連合が余り有効な対処策を持ち得ないどころか、如何にも幻想的なハイデルブルクの税制学説を持ち出したり、今度はそれを「遠い目標」と棚上げしたところに「敗因」があったのではないか。どうも女性党首の妙なアカデミックコンプレックスが災いした。偶々観たTVスポットのトロツキスト団体のような空想主義の敵などは、最早存在しない。だから保守勢力は戦い難いどころか、より現実的な政策さえ示せない。
それにしても政見放送で、「第四インターナショナル、万国の労働者、団結しよう」などと呼びかけるスローガンを聞くと、冗談以外の何ものでもない。西ドイツでは、共産主義活動はネオナチ等の民族主義同様に禁止されていたが、現在もこれらはイスラム過激派などのテロ組織と同様に武装傾向の有無が、SPD オットー・シリー(赤軍派の弁護士として頭角を顕し緑の党を経てSPDに転向)内務大臣の内務省社会安全局BMI-IS4の監視下にある。
一方では、同類のネオコンサヴァティーヴ勢力がホワイトハウスを牛耳っている事を思うと、宗教、政治、経済、学問等、如何なる分野においても原理主義の滑稽さが今更ながら際立つ。
参照:
終焉後の政治地図 [文学・思想] / 2005-09-12
終わり無き近代主義 [文学・思想] / 2005-09-03
最も伝統ある政党日本共産党も、見ると比例代表区では8%近く得票していて、ドイツの緑の党とそれ程変わらないのですね。緑の党も政権参加からコソボ参戦で分裂しましたが、それでも今回もそれ程支落ち込みはないようです。
イデオロギー云々よりも妥協出来ない体質は、保守的で独善的な気もするのですが違うでしょうか。だから、それこそ筋金入りのドイツ共産党の流れを汲むPDSの今後も重要でしょう。これが収まるところに収まらないと本当の東西統一にはならない。その意味からも西のラフォンテーヌ氏が組んだのは、非常に良かったと考えます。PDSは、連立に乗り気です。
はっちー&ハリーさん、失業保険についてはそれ程詳しくはないのですが、五割り増しは言い過ぎです。何れにせよ連邦政府は金を工面しなければいけません。ここ数日で問題となっているのが補助金打ち切りリストです。政府のリストの存在を問うのが、最後の口撃となりました。戦後に調査委員会を申し立てるようです。売上税はまだ諸外国と較べて上げ幅があります。現政府は高額所得者への課税を訴えていますが、これも致し方ないでしょう。
ドイツの指導者は元々全てヴォランティアです。何故ならば労働者ほど職があれば遊んで気楽に暮らせる層は無いからです。この世界に類を見ない行き過ぎた労働条件は徐々に普通にしていかねばいけないでしょう。公務員も同じですが、これを改める反面、失業などの弱者を支援する事は重要でしょう。
高額所得者のシュテフィ・グラフの親父さんが監獄に打ち込まれたり、シューマッハーなどが外国へ逃れてしまうのは、マネーロンダリングを含めて、また別の問題でしょうか。
日本で評論家はこう言う・・・
「ドイツくらいの期間がないと仕事は見つからない!」確かに日本は短い・・・
だから必死に探します・・。
長年手厚い保障を受けていた国民は耐えられるのでしょうか?
維持の代わりに消費税と失業保険料の5割増で手打ちには・・・・
ならないですねぇ~
それはともかく、どこも「荒野」へむかっているようなかんじでありますね。