Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

古の象牙の笛

2004-12-23 | 
更新世(洪積世)後期、今から約35000年前の話である。旧石器後期、ウルム氷河期のシュヴェービィシェアルプ洞窟遺跡から発掘された笛のことである。余談ながら、ウルム氷河期は、近くのウルム市からではなくシュタルベルガーゼーのヴュルム川から名づけられたのでヴュルム氷河期が正しい。

さて此処から見つかった出土品を資金が集まるのを待って、時間をかけてパズルしていった結果、最も古いが見つかった。ピレネーの発掘の鳥の骨製ものに比べると、当時も貴重であった象牙を削って、穴を開け、つなぎ合わせていることから低音域でその使用価値がさらに明白らしい。形態としては、現在もエジプトの牧童が使っている笛に似ているようだ。穴の開け方が広い間隔を持っている事からそこで奏でられる音楽は全音階的音階よりも五音音階の可能性が高いという。中国の9000年前の笛が全音階的音階を持って、その後この地域は五音音階になるのと正反対である。

この象牙の笛から知れるのは、当時の穴倉暮らしの狩人が、知られている造形美術分野だけでなく、非常に緻密な手作業とともに繊細な音楽を持っていた事である。生存のための食料採集と繁栄のための生殖活動以上に、音楽に貴重な素材が使われて文化活動が営まれていた事に驚かされる。彼らが氷河期の厳しい生息状況の中で如何なる世界観を持って生活していたかを想像するだけで興味尽きない。我々よりも全ての感覚が発達していたような気がする。
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10 コメント

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果して?ユラシックパーク? (frostcircus)
2004-12-23 19:55:48
「ジュラ紀」もユラ山脈に由来するので「ユラ紀」と呼ばれるべきでしょうか?



話は違うのでが、カナリア諸島の山谷に住む人たちは何百メートル遠く離れても、普通の音量で会話が出来ると聞いた事があります。アフリカのサバンナに住む人の視力が良い?ことと同様に都会人の耳目はすこし疲れているのかもしれませんね。
バイエルンらしい方がオツ? (pfaelzerwein)
2004-12-23 21:00:11
frostcircusさん、厳しいところを突いてきましたね。ジュラは一般的でいいのですが、川はバイエルンらしい方がオツです。確かにドイツ優位の研究部門などで良くあり得る言語問題ですね。世界史で有名な公会議のヴォルムス(ウォルムス)や皇帝のズパイヤー(スぺイヤー)ドームなどは何回目かの訪問で初めて一致しました。



Unknown (tonbori)
2004-12-24 01:31:55
TBありがとうございます。

非常に興味深い記事ですね。

氷河時代の人類がなにを感じていたのかというロマンとともに私たちが失ったものも大きいなと思わざるを得ません。
どんな音なんでしょう (manimani)
2004-12-24 03:04:07
35000年前はすごいですね。尺が長そうなので、結構遠く響きそうな笛ですね。どんな音だったんでしょう。音楽は音自体が残らないとことが残念で、JSバッハの時代ですら今となってはどのような音が響いていたのか、研究者諸氏の成果を踏まえてもいまだ判然としないところもあるくらいですからね。35000年ではもう想像するしかないでしょうね。でも残らないというところが音楽の本質的な生命力を司ってるんじゃないかと思うこともあります。そう考えるとなぜかわくわくします。
進化?退化? (pfaelzerwein)
2004-12-24 03:34:41
tonboriさん。コメント有難うございます。そうですね。人類は進化しているのか?退化しているのか?

白鳥の骨の笛の写真 (pfaelzerwein)
2004-12-24 03:45:34
manimaniさん、こんにちは。興味ある方あるようですから、白鳥の骨の笛の写真がある博物館のURLを付けておきます。



http://www.landesmuseum-stuttgart.de/
古代人 (cigako)
2004-12-24 10:04:12
小説にあったので事実かどうかわかりませんがネアンデルタール人?も音楽をたしなんだかもしれないとありました。私は勉強したわけではないですが歴史はロマンだなと感じます。
短かったんですね (manimani)
2004-12-24 10:05:37
たびたび内容のないコメントで恐縮です。さっそく写真拝見しました。勝手に長尺の笛を想像していましたが結構短かったんですね。吹いている写真もあり、音が聞こえてくるかのようです。これぞロマン?
笛の長さについて補足 (pfaelzerwein)
2004-12-24 17:43:35
笛の長さについてだけ先ず補足します。上の写真のような鳥の骨のものは29000年前のピレネーの完全な形の発掘もあるようです。そのような自然のRを使ったものに比べると掘って繋ぎ合わしてある分だけ、大振りで広径の可能性(本記事訂正しておきます)があるということのようです。そして孔の奇麗な細工から、象牙のものは高周波数域での雑音が少ないので確りした美しい音が出せるということらしいです。パズル途中のピッコロ風小型の写真も見つけましたのでリンクを付けました。
ネアンデルタールの笛 (pfaelzerwein)
2004-12-24 20:35:55
cigakoさん、コメント有難うございます。ネアンデルタールの笛を調べるとネットに4つの孔の骨が出ていたり、五万年前の笛の発掘が記されていたりします。これが考古学的に何を意味するのかは分かりません。しかしネアンデルタールの二十三万年から二万八千年前の生息を云えば、ホモサピエンスは道具だけでなく手先も格段と発達しているわけで大変不思議です。

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