更新世(洪積世)後期、今から約35000年前の話である。旧石器後期、ウルム氷河期のシュヴェービィシェアルプ洞窟遺跡から発掘された笛のことである。余談ながら、ウルム氷河期は、近くのウルム市からではなくシュタルベルガーゼーのヴュルム川から名づけられたのでヴュルム氷河期が正しい。
さて此処から見つかった出土品を資金が集まるのを待って、時間をかけてパズルしていった結果、最も古い笛が見つかった。ピレネーの発掘の鳥の骨製ものに比べると、当時も貴重であった象牙を削って、穴を開け、つなぎ合わせていることから低音域でその使用価値がさらに明白らしい。形態としては、現在もエジプトの牧童が使っている笛に似ているようだ。穴の開け方が広い間隔を持っている事からそこで奏でられる音楽は全音階的音階よりも五音音階の可能性が高いという。中国の9000年前の笛が全音階的音階を持って、その後この地域は五音音階になるのと正反対である。
この象牙の笛から知れるのは、当時の穴倉暮らしの狩人が、知られている造形美術分野だけでなく、非常に緻密な手作業とともに繊細な音楽を持っていた事である。生存のための食料採集と繁栄のための生殖活動以上に、音楽に貴重な素材が使われて文化活動が営まれていた事に驚かされる。彼らが氷河期の厳しい生息状況の中で如何なる世界観を持って生活していたかを想像するだけで興味尽きない。我々よりも全ての感覚が発達していたような気がする。
さて此処から見つかった出土品を資金が集まるのを待って、時間をかけてパズルしていった結果、最も古い笛が見つかった。ピレネーの発掘の鳥の骨製ものに比べると、当時も貴重であった象牙を削って、穴を開け、つなぎ合わせていることから低音域でその使用価値がさらに明白らしい。形態としては、現在もエジプトの牧童が使っている笛に似ているようだ。穴の開け方が広い間隔を持っている事からそこで奏でられる音楽は全音階的音階よりも五音音階の可能性が高いという。中国の9000年前の笛が全音階的音階を持って、その後この地域は五音音階になるのと正反対である。
この象牙の笛から知れるのは、当時の穴倉暮らしの狩人が、知られている造形美術分野だけでなく、非常に緻密な手作業とともに繊細な音楽を持っていた事である。生存のための食料採集と繁栄のための生殖活動以上に、音楽に貴重な素材が使われて文化活動が営まれていた事に驚かされる。彼らが氷河期の厳しい生息状況の中で如何なる世界観を持って生活していたかを想像するだけで興味尽きない。我々よりも全ての感覚が発達していたような気がする。
話は違うのでが、カナリア諸島の山谷に住む人たちは何百メートル遠く離れても、普通の音量で会話が出来ると聞いた事があります。アフリカのサバンナに住む人の視力が良い?ことと同様に都会人の耳目はすこし疲れているのかもしれませんね。
非常に興味深い記事ですね。
氷河時代の人類がなにを感じていたのかというロマンとともに私たちが失ったものも大きいなと思わざるを得ません。
http://www.landesmuseum-stuttgart.de/