Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

肯定的な世代交代の意味

2024-05-13 | 文化一般
15年ぶりにキリル・ペトレンコが金曜日に記者会見をしたらしい。独通信社からその内容が伝えられている。因みにこの間も日本旅行などに際して会見をしていたことは知られているがそれ以外では行っていない。

ベルリンの楽団などに関して、その世代交代が質問されたようで、世界の代表的な楽団でのそれを個人的にはただただ肯定的にしか見ていないと答えている。これは現場の実態を知っている者ならば話すまでもないことであるのだが、評論家や音楽ジャーナリストなどは現場を知らないということに過ぎないだろう。

具体的に、楽団に長きに亘って齎した経験と若い人のやる気を合わせることは豊かにするからだとしている。そこにおいて、歳を重ねた楽員は直ぐにはもしやすると同意してくれないような彼自身のアイデアをも若い人は受け入れてくれるとしている。

ペトレンコは、楽団の民主的な組織運営に関して言及して、楽員を自ら選び自らを律しのあり方はとても素晴らしいと絶賛。意見を求められばそれをするが、決断は楽団自らに委ねられるようにしている。今迄はそれで上手く行っている、楽団は、ベストのみならず則ったものを受け入れて、それが芸術的だけでなく人間的にもその様であることで、彼らを信用している。

昨今の中東紛争が激しくなってきて以来も、インターナショナルな楽団内ではお互いに批判的な論争もなされている。そこで、お互いの視線から客観的で公平な見方が為されるべきだとウクライナ系ロシア人でイスラエルに親族もいるペトレンコは語る。双方からのお互いに敬意を持った対話は続けられなくてはならず、そこでの嫌悪の発言やヘイトは受け入れられない。

管弦楽団は音楽の効果に依る。音楽には力があり、橋を架ける、そういう特別な立場に我々はいる。音楽の対話には建設的な効果があり得る。

新シーズンは8月にブルックナー交響曲五番で開幕する。ベルリンのみならず遣り甲斐のあるプログラムで、多くの若い作品も入れて市場で演奏会を為してきた。ペトレンコは、如何なるプログラムにおいても聴衆の強い支持を感じているという。

客演でもただ単に人気でプログラミングしていないと、我々ベルリナーフィルハーモニカーが勇気を示すことが責任であると、祝祭の聴衆にもそれを求める。8月、9月のツアーでは、ザルツブルク音楽祭、ルツェルン音楽祭そしてBBCのプロムスでペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーを体験できる。それ以外に11月にはアメリカツアーで、復活祭ではバーデンバーデンで、続いて5月にはアムステルダム、ブリュッセル、ケルン、エッセンでそしてクンツェルザウでと続く。



参照;
重要なその視座と視点 2024-05-12 | 文化一般
ペトレンコの日本への真意 2023-10-21 | マスメディア批評
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