Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

汗だくでVベルトを掛け直す

2017-06-27 | テクニック
週明けからスリル満点だった。土曜日に外れたVベルトを時間を掛けて二日に亘って元通りにした。ネット検索に一時間以上、実作業に延べ二時間近く要した。そこを弄っているうちにテンションを掛けるプーリーを手で回すと異音として聞いていた音を奏で出した。そしてその下には強制的に伸ばされたアルミの針金状が落ちていた。プーリーの丸い軸受けに違いない。

そもそも外れたベルトは、切れていなかったが ― 前に乗っていたBMWでは二回ほど切れた ―、よれよれになっていた。だから元に戻せるのかどうかも分からなかった。土曜日は、ネットで調べたそれらしいベルトの掛け替えを再現しようと試みた。エンジンが完全に冷え切っておらず冷却の水が沸いているのが分かった ― ベルトに繋がる水冷の対流ポムプが止まったからだ。最後に谷を走らせていた時に次の警報が出たのは、エンジンが過熱していたことと、バッテリーが許容限界まで来ていたからだろう ― それにしてもスピードメーターが時速80㎞で止まってしまったのには驚き、走行スピードが分からないと如何に不安になるかを経験した。

土曜日は暖かいエンジンの横で手を汚しながら大汗を掻いたが、到底ベルトを掛けるには至らなかった。もう一人誰か男の手が欲しかった。兎に角、下着まで取り換えなければいけないほど日陰のガレージで大汗を掻いたのだ。土曜日は作業が終わって食事をすると夜の10時になっていた。夕方4時過ぎに帰って来ていた筈だ。

その時点では、ベルトを掛け直すことで再び発電器が作動するだけでなくハンドルのための油圧も回復するために、エンジンが掛かったならば、少なくともマンハイム支店までは直行できると思った。ベストの可能性である。そのためには日曜日の暑くならない朝にベルト掛けを終了させなければいけない。そのために長さに無駄が出ないように細かく溝に合わせるなどしたのだが ― その時に前記の針金を見つけた ―、それでも最後のプーリーにベルトが掛からない。そして引っ張ってみると伸びる感じで動く。つまりテンションを掛けるプーリーが左に動くので、ベルトが伸びるのではないのだ ― 子供の時から背筋力は200㎏近くあるので殆んどその力を掛けている。それでも掛からない、男手が欲しい。

しかし気が付いた。プーリーから直接のところに張力を与えればより動く筈だと、そしてネットを調べるとその通り方向を変える次のプーリーのところで外したり最後に掛けたりするようになっている。つまり最初に挑戦した一番上の水冷ポムプは先にベルトを掛けておくようだ。それならば可能性が湧いて来た。朝一番で気力漲るところで作業を再開しようと就寝した。全身の疲れが眠りを深くした。

とは言いながらも、翌朝おもむろに作業を開始する。なるほど前日よりもかなりいい線まで行く。一度はプーリの縁にベルトが掛かるが、確りと掛からない。動かせばすぐに外れてしまう。あまりにも厳しいのでベルトの掛かり方などを点検し直す。既に大汗を掻いている。持ち上がるのだがプーリーに掛けるには奥に押し込まないといけない。これが両足両手が塞がれていると出来ない。誰か押してくれればと思いながら繰り返す。もう一度ベルトが縁に掛かったところで、もう一つの手や足の指で押し込んでみる。あまり効果が無いのでベルトを叩き込もうとするがハンマーを振る場所がない。そこで前日にも試したタイヤ交換の棒でベルトを梃を借りて押し上げてみる。それでもびくともしないので、それを差し込んだまま持ち上げ、同時に梃を掛ける。漸く中に入っていった。これで行ける。更に隣のテンションを掛けるプーリーのベルトも押し込む。掛かった!

日曜日に作業は終わった。あとは確認作業である。最悪の場合はエンジンが掛かってもベルトの掛け違いなどで他の部分を壊してしまうことである。これは最後までネットで調査する。次に悪い場合は、そもそもバッテーリーが弱ってエンジンが掛からない時である。この場合は自動車クラブ経由で無料で人を呼べるが、バッテリーを繋いでもエンジンを掛けて自走できるかどうかは分からない。つまりレッカー移動となる。

自走出来るにしても本当にベルトがもつのか?他の油圧等の問題は解決するのか?週明けはこのように始まった。前日にはパン屋にも行けずに朝食の用意も無いがなんとか落ち着いて食事を済ませる。いざとなった場合は路上で対応できるように準備万端を整えた。静かな気持ちでガレージに向かう。ボンネットも開けずに、コックピットに座り、電装系が活きていることを確認する。キーを回す。あ、一瞬、躊躇かのように動き出した。明らかな異音が激しい。典型的なポンコツ車の回転する音である。今やドイツではトラクター以外にはない音だ。

急いで車を前進させ、ガレージのドアを閉めて、ボンネットを開けて恐る恐るVベルトの挙動を確認するなんとかそれらしく動いている。それでもいつどうなるか分からないので急いで車を出す。土曜日に酷い警告が出ていたのが全て消えて問題無しと表示されている。これはマンハイムまで辿りつけるかもしれない。クーラーも全くよく効く。街を出るまでが恥ずかしかった。ポンコツな音を聞かれるのがである。高速も無理をせずにそれでも制限速度を超えて順調に巡航した。乗り心地やクーラーの掛かった車内では異音は殆んど気が付かない。

話したマイスターにベルトを掛けるのに苦労したと二度も改めて語ったのだがあまり反応をしなかった。新品を普通に掛けるときは恐らく二人係ならばほとんど問題が無いのだろう。それがひん曲がったようなベルトとなると殆んど限界だ。件のロールとそのテンションを掛ける装置は取り換えられる。古い車だから支店に無ければ本社から翌日入るということだった。他に異常が見つからないように願いたい。


写真:右角上から左へハンドル油圧、左下エアコンコムプレッサー、問題のプーリー、クランクシャフト、方向回転並びに空気循環、水冷循環ポムプ、発電機。



参照:
Vベルトが外れた  2017-06-25 | 生活
遠近両用眼鏡用モニター 2016-08-17 | 雑感
コメント
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