Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

南北にワイン街道行脚

2008-05-24 | 生活
醸造所を二件廻った。その前にお土産のザウマーゲンのお買物に付き合う。ミニザウマーゲンを栗や茸入りを中心に選ぶ。ロゴをつけた帽子を被って、なかなかのセールスマン振りである。

一軒目では、グランクリュワインの極みを示そうとしたのだが、ならなかった。試飲者の好みとして、辛口のリースリングになんらかの旨味がついている柔らかめのリースリングを考えていたので、少々分厚目ではあるが、内包するものが詰まっているグランクリュを勧めたのである。

趣向の第一点は適合すると考えたのであるが、第二点の柔らかさを失念していた。要するにアルコール度の高いものはピリピリするとして受け付け難いようであった。我々常習の飲酒者からすれば、アルコール度が高くとも飽きずに幾らでも飲めるリースリングは嘱望の的であり、存在感があるボディーがあって更に悪酔いなど一切しないグランクリュ・リースリングは高嶺の花であり続ける。また、数年後の開花を期待して備蓄しておく楽しみもある。

そして結局アウスレーゼやベーレンアウスレーゼの甘口が選ばれた。勿論それらを二十年ほど取っておく喜びは捨て置けない。

そしてガーデンでスープなどを食べ腹を整えて再出陣した。二件目は当方にとっても初訪問のVDPプファルツ支部長のレープホルツ醸造所である。二十数キロの距離ではあるが、その南ワイン街道に位置して雑食砂岩のリースリングは痩せており態々そこへと試飲に足を運ぶ事はなかったのである。

谷奥から流れた地盤の集積地であるその一帯の土壌の恩恵を極力絞り出す必要があり、まさにそうした一途な試みがこの醸造所に世界的な高名を授けた。

試飲記や内容は改めて纏める必要があるのだが、子沢山の大家族総出で催す田舎の醸造所が如何に特徴的な製品を作り出しているかを知るのは大変興味深い体験であった。同行した女性方にとっては途轍もない極辛リースリングであったのだが、それでもムスカテラーなどを買わせるラインナップにもモットーは曲げないまでもなかなかの手腕を見せた。

それにしても予想通りの職人とそのワインは、我々かなり行ってしまっているリースリング愛好者を擽る人間性と哲学を示していた。その思春期の娘や末娘などが我々に親父に似た独特の人間性を見て、親近感を持つのもむべなるかなである。

ダイデスハイムに戻り、久しぶりにシュロースレストランに行き、お互いの無事を先代の奥さんと確認して、レヴァー団子やアスパラガス、フィレの細切れなどを食す。流石にヴァイツェンビーアすらなかなか口に入らないほど、皆アルコールで体内がやられていた。

久しぶりに連夜外食するが、どのレストランも、レーブホルツの説明にある「ワインの塩気」以上に、料理の塩気が強いと感じる。
コメント (2)
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