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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



 

 

5月3日付の日経新聞に、こんな記事があった。

先週行われたドイツの「ハノーバーメッセ」にオバマ大統領が訪れ、正に本の主題である、IoTについて記述している。

ドイツ、オランダなど先行して進めようとしているこのIoT系のつばぜり合いと、国際連携が進行していることを示唆。

 一方で日本。

ドイツとの標準化の協力の覚書を交わす他、友好ムードがあるにもかかわらず、独機械大手幹部は話す。

「訪れてきた日本企業は話を聞いて終わりのことが多く、互いのノウハウ公開にも及び腰。その後は連絡もない」

 

IoTについては興味があるので前に 読後評にアップした「2030年のIoT」に限らず、できるだけ目を通すようにしている。

が、こんな記事を見ると危機感が高まってしまうではないか!(笑)

 


さて本へ。

著者の坂村 健氏は、「TRON」「ユビキタス」の第一人者(2003年 紫綬褒章)

このため、大変に示唆に富む記述が続く。

   

第1章でIoTの登場、IoTとユビキタス・コンピューティングの意味がほぼ同じであること、を説明。どのコトバがバズワードになるか、ということなのだ。

 そして面白いキーワードが次々と。

 

・モノのトレーサビリティ

 

・クローズIoT、オープンIoT

 

・ベストエフォートとギャランティ

 

・オープンデータとオープンソース

 

・Gov 2.0

 

・アグリゲート・コンピューティング

 

・オープンSPI化

 

・「閉じたIoT」、「オープンなIoT」の境にある問題を浮き堀りにした311

 

・オープン化とガバナンスの溝

 

・技術先行に陥る日本

 

・確信を阻む日本型ビジネスモデル

 

・「データのガバナンス」と「データのガバナンス」

 

・個人の権利から事業者側の義務へ

 

・場所概念の標準化 When、Where、What、Who

 

・ユビキタスからアグリゲートへ

 

キーワードだけでは判りにくくてどうしてもその内容を知りたい方は、本を買うべし(笑)

これらの問題の具体的な技術面の解決策について、本では記述されているので!

 

とはいえ上記のキーワードからだけでも、日本の抱える問題は浮き彫りになっている。

それについての記述を一部メモ。

 

「家電のAPIのオープン化自体は実は技術的には用意なことだ。

 しかし、悪意の第三者による不適切な制御がそのAPI経由で行われるという不安がある限り

 特にギャランティ志向の強い日本のメーカーはその方向に行けないだろう。

 (中略)

 単なる「セキュリティ」でない状況に応じたアクセスコントロール ーガバナンス管理の技術と    

 それを前提とした責任分界という制度面からの両輪の保証が求められるだろう」

 

そう、つまり複数のステークホルダの調整はもちろん、制度の問題なのだ!

 

 

実はこの問題を大きな視点で統合していく方法論がまとめてではないが、4か所ほどに散って提示されている。

 

それは何と、東京オリンピック2020!!!

 

複数回にわたって引き合いに出されるのは、ロンドンオリンピック2012。

・バスから地下鉄から貸し自転車、さらにタクシーまでがロンドン市交通局管理。 

 しかも、これらのリアルタイム運行データは、2012に先進性をアピールするために公開

 (一方日本は、世界一複雑な都市交通網!=鉄道14社、乗合バス38社 etc…)

 

東京オリンピック2020は、サービス高度インフラを構築するベストチャンスなのだ。

(1964の時に、新幹線が出来たり、高速が出来たりしたように)

招致プレゼンでアピールした「おもてなし」を達成するために、残された時間は少ない...


当ブログの結論 = 目の前のリオに気をとられるよりは、ロンドンに再注目すべき。


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2月、雑誌 Free & Easy を何気に立ち読みしていたら、衝撃の2文字が…=「休刊」

早速購入し、創刊号からずっと続いてきた雑誌冒頭のO編集長メッセージを読み込んでみた。

すると今回の休刊はネガティブなものでなく、前向きな行動だということがわかってきた。

 

・「ガラガラポン」のラストチャンス

 

・会社が大きくなると、必然的に様々な思惑を持つ人間がエントリーしてくる

 誰も真似することのできないクリエイティブな雑誌を、もう一度編集してみたくなった

 

・「ホワイトカラーからブルーカラーへの転身」

 

 

そもそもFree & Easy は、同じような状況下で誕生した雑誌だった。

O氏は、その当時既に成功していたそのブロダクションの人気雑誌の責任者だった。

が、ちょっとしたきっかけである人物が登用され、環境の変化が表面化。

新方針が全く受け入れられないO氏 & 旧来のスタッフたち。

 

そこでO氏は決断。

スッパリ辞め、新雑誌を立ち上げた。

当時のスタッフを根こそぎ引っこ抜いて。

 

O氏は私にこう言った。

「新雑誌のテーマはズバリ、不良」

そして続いて微妙にうれしそうにボソッと、雑誌名は「Free & Easy」

 

 

そう、つまり今回の休刊は、再びの、フェニックス現象なのだ!

外圧から飛び出した前回と違い、今回は自らリセットボタンを押したわけだが。

 

 

 

<今回は新雑誌のタイトルを店頭でパッと見た時、どう感じるのだろうか!?

<4月30日の新雑誌創刊を、今から心待ちにしている。

 

 

写真が創刊号の表紙(+ Free & Easy 創刊号)

 

Free & Easy もかなり凝ったタイトルだったが、ヘイルメリー もアメフト関係者にしかわからないワーディングで、相変わらずだなと(苦笑)

 

表紙をめくると、気合の入ったキックオフ!

「アンタッチャブルで生きるための49の約束」

WOW!

 

そして目次を見ると、こちらもアメフト(笑)

1~4クオーターに分かれ、それごとに企画が盛られている。

ハーフタイムもあって、そのまんまアメフト!

(ただしそれはあくまでも構造、の話であって、アメフトの記事があるわけではない)

 

そうなると、雑誌タイトルの ヘイルメリー・パス をラストにどう決めるのか?!に思わず注目(ゴクリ)

(ヘイルメリー・パスとは、試合終了間際の破れかぶれの一発勝負パス)


最後のページをめくると、ナットクのネタが待っていた。

それがどんな内容かは、本屋で実際に手にとっていただき、確認して欲しい。

当ブログはある事情で、このネタには特別な思い入れがあるのでぐっさり刺さった。

(当ブログ的に「アクセスされたいベスト10」に入ってます 笑)

 

 

「この荒海に港はあるか?」とのQB=編集長(笑) O氏 の問いかけに未熟な私は答えることはできない。

 が少なくともこうは言いたい。

「先は誰にもわからない Tomorrow never knows。

 だけど、フェニックス狙いとしては、なかなかいい船出じゃないですか!」



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日経が1600億円で巨額買収したフィナンシャル・タイムズ(以下、FT)

色々な質問が湧き上がってくる。

 

質問1.そのFTは一体、どんな新聞なのか?!

 

質問2.なぜ買収に至ったのか?!

 

一度日経新聞の別刷で、丸々FTが付属したが、紙面の色がピンク!

質問3.なぜピンクなんだろう?

 

とか、湧き上がってくる質問の答えを期待して読み始めた。

 

 

 

第1章~第3章で印象に残ったのは、

 

・実はライバル ドイツの新聞最大手アクセル・シュリンガー社を「出し抜いた」買収だった。

 

・日経による買収報道直後の内部から様々な声が発せられていた。

 

・日英メディアの個性の違い。

 英ー荒馬のような存在 権力に阿らない

 日ー礼儀正しい(笑)

 

・いみじくもその差が浮き彫りになった、オリンパス事件

 

・世界大戦後、別々の新聞合併したことで  FTは大きくなった。

 

1998年、海外での販売部数が英国のを超える(!)

 

 

ここまでも面白かったが、白眉なのが、第4章 

「FTの電子化作戦とは」

 

FTは、電子版を成功させた世界的に貴重な事例のひとつ。

 

現在73万購読者のうち、50万が電子版。

電子版が上回ったのは、2013年。

7.6万(2005)→12万(2009)→50万(2015)と急増。

 

2005年当時、ニュースは無料で提供されるべきという声が圧倒的。

FTは、世界中に100人以上の特派員を置き、コンテンツの質を高める。

そして2007年 「メーター制」課金制導入。

しかも情勢を見ながら、柔軟な運用で「買わなければ」という状況を創り出した。

 

例えば、

登録作業後の契約までの過程を「できるだけシンプルにする」

閲読アプリを独自に開発してみるなどの努力を怠らず、ノウハウを蓄積した。

買収によってテクノロジー開発チームを設け、リアルタイムで読者の動向を把握(ディープビュー)「ウェブ・ファースト」のみならず、「デジタル・ファースト」を宣言。

 

実行したことはざっと、

1.大きなweb制作チーム、小さな印刷版専用チーム

2.印刷版は1日1版とし、夜の変更は最小限に 

3.紙版はグラフィックやデータを駆使しながら「見せる」ページになるように工夫

4.記者レベルでは速報よりも「文脈」を最重要視する

5.放送局のように、24時間常時ニュースを出していく

6.webアクセスの多い昼、午後に人を配置

7.目指すのは「読者とのエンゲージメント」を深めること→このチームを編集

 

ここに、質問2.なぜ買収に至ったのか?!の解答が明確に現れている、と思う!

 

結論:このように、様々な疑問の解答を得られる、貴重な読書!

 


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IoTとは一言に言うと、=モノ・コトのインターネット化 Internet of THINGS

(一時はM2Mとか、ユビキタスと呼ばれていた)

 

これらが生活、産業、社会にもたらす変革をおさらいした一冊。

 

 

興味深かったのは、第2章 産業別IoTの動向

タイトルのように、産業別にIoTが及ぼすだろう影響を語る。

それらの項目は、以下。

 

・電力・ガス

・ホームセキュリティ 

・工作機械

・フィールド系産業機械

・事務機

・不動産

・自動車

・ヘルスケア

・第一次産業

・ペット

・小売(自動販売機を除く)

・社会的セキュリティ(犯罪前歴者監視)

 

電力はちょうど自由化直前だし、こうしてまとめて読むのはいい機会になった。

だけでなく、後の章ではIoTビジネスモデルを先進国別で概念化したり、 興味深く読ませる。


 

あと意外に捨てておけないのが、各章に時々登場するColumn。

 

例えば169pにあるコラムでは、プロジェクトXならぬ、プロジェクトIが必要、と。

IoTはどうしても地味なので、関係者が集まるとそういう話にすぐなるそう(笑)

その話題で登場する企業のベスト3は、

1.コマツ

2.セコム

3.コカ・コーラグループ、NTTデータ

 

コーラがここで登場することは、当ブログ的にとても興味深かった。

先の、産業別IoTの動向でもラストあたりに「小売(自動販売機を除く)」と除く、と出るくらい、自動販売機はIoTの中心的存在なのだ。

 

が、どうも関係者(特に製造系)は日本ほど異常に平和な国でしか普及しない、という固定観念があるように感じている(そう本文でも紹介されている)

逆に考えると、時にアジアを中心に、その日本の平和の概念を伝える使者?的な役割を自動販売機を普及する活動で植え付けられるのでは?!

妄想かしら?(笑)



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先日読後評をアップした「ヒラリー・クリントン 運命の大統領」が面白かったので、続いてこちらも。


あちらの出版タイミングが半年前だったのに対し、こちらは11月。
このため話題のトランプ氏について、こちらでは多くのページが割かれている。

トランプ氏の最終確定を一旦否定しつつ、その著者が本で指摘する最大のポイントは、この一言に集約される。
「もしトランプが共和党の大統領候補として選ばれた場合、容易にヒラリーの勝利が予想できるだろう」

今日、第3戦の結果が出て、まさしくトランプ vs ヒラリー の様相が高まってきた状況なので、読んでいてもよりぐっとくる感じ(笑)


著者の佐藤則男氏は、NY歴40年以上のジャーナリストのため、日本からは理解しにくいところからの視点が面白い。

テレビ討論が重要なのは前の本でも大きく取り上げられていたが、面白かったのは「テレビ局バイアス」
民主党 = CBS 、NBC、ABC の3大ネットワークに加え、MSNBC、CNN
共和党 = FOX

となると共和党が著しく不利のように見えるが、FOXの視聴率は MSNBC、CNN合計よりも高い。
かつ24時間ニュース局なのでニュースという点では、3大ネットワークより魅力があるという。
その視点で、チャンネルサーフィンしてみたいものだ!


また指摘しているのは、アメリカの選挙のネガティブ面。
彼が目撃してきた就任大統領は、7人。
(フォード → カーター →レーガン → ブッシュ父 → クリントン → ブッシュ → オバマ)
過去の、デマゴーグも含む悪どいネガティブ・キャンペーン戦略を超具体的に痛烈批判している。
どの親子がその主犯かは、読んでのお楽しみ(笑)


最後に改めて、今後のアメリカ大統領選、大まかなスケジュールを挙げておこう。

まずは 約一週間後に、
•3月1日(火)スーパーチューズデー

•7月18日 ~ 21日:共和党全国大会

•7月25日 ~ 28日:民主党全国大会

•11月8日(火)大統領選挙(一般有権者投票 → 開票)



P.S. 当ブログが今面白がっていること=オバマが選挙にSNSを駆使して勝利したように、トランプがやはりSNSを活用し急伸、という現象!

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読んでいるうちに、日本タイトルのような ITテクノロジーによる個人が受ける状況を揶揄する本、という印象が変わる。

実は、この本は レピュテーションが生み出す経済のことー「レピュテーション経済」を表現しようとした本なのだなと気付く。


この「レピュテーション経済」で私たちの仕事、財産、人間関係はどう変わるのか?

そして、どう前向きに自分に取り込んでいくか! な本なのだ。

で原題を見ると、まさにThe Reputation Economy 「レピュテーション経済」
日本語タイトルがひん曲がってるだけじゃん!(笑)


その現象を起こす引き金になったキーワードが前半に続々登場する。
「情報はタダになりたがっている」
「ギガからテラへ」
 削除するより安くつくようになった「丸ごと保存」

 
そして起こるのが、「影響力の点数化」
DAMM というキーワードが登場する。

= Decisions Almost Made by Machines

Almost、という微妙さ加減に冗談のタッチが加わっているところが可愛いが(笑)
バンド名でも存在するキーワード DAMMED も「畜生!」という意味だし。



このDAMMで起こるだろうと本が予測する事柄は例えば…

・雇用、採用
 既に実行されている手法 = アクイハイアリング、という優秀なプログラマを確保する方法
優秀な人材が「見える化」される
・「口コミ」の終焉
・大学教育、の価値の再定義
・「レピュテーション口座」という考え方
友人関係が、その「レピュテーション口座」に大きく影響を及ぼす


最終章のタイトルは、「レピュテーション経済で生き残るためのルール」
その内容は読んでのお楽しみ(笑)
だが、当ブログは結果的にそれを実践し続けている、とだけは言わせていただこう!
(何て終わり方だ…)

というわけで、最後に結論。
ひん曲がっている日本語タイトルとは別に、とてもポジティブな一冊。
(なので、写真は原著にしておきます。ん? 当ブログ、ひん曲がっている?)

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読み始めると、まず驚きのキーワードが登場する = ホームグロウン・テロリスト
テロリストの実行犯が実は、隣に住んでいた、この国生まれの人物だったりするという驚き!

そのベースにあるのは、ネットの罠にはまり突然に家出し、イスラム国に志願・合流する若者たち。
しかもそれは男性だけでない。
女性たちも見知らぬイスラム国に行き、戦闘員の妻(!)になるのだ!

ホームグロウン・テロリスト というコンセプトを最初に考えたのは、アル・スーリという人物。
このキーワードを核に、1600p もの大著で理論化、ビン・ラディンに戦略転換を求め、その理論が実践化され現在に至っている…


欧州だけでなく、中東・アジアで広がっているのは「サラフィー主義」
懐古主義の一派で、神だけに絶対権威を認め、偶像崇拝を否定するコチコチの考え方。
「聖戦」の一言で何でも正当化されてしまう過激派につながる。

そして事件は、伝統的に移民に寛容な国・街、例えばイングランド ロンドンで多発。
フランスの情報当局からは「ロンドニスタン」と皮肉られるほど(流石フランス!)
1990年以降、過激派の発信地化していたロンドンで2005年、遂に大事件が発生。
地下鉄、バスでの爆破テロは、52人の死者、700人以上の負傷者が出た。
この一連の爆破も、 ホームグロウン・テロリスト による事件だった。

もちろんロンドンだけでなく、スペイン マドリッド、オランダ、デンマーク他にも拡散。
各国の警察はテロ対策法の設定や強化に踏み切らざる得なくなる。
「負の連鎖」の始まり...


この欧州全体で深刻化する「葛藤」は、第3章以降でフランスの苦闘を通して表現される。
・女性抑圧のシンボルか宗教の自由か?「ベール論争・禁止法」
・平等と言われつつも、移民に立ちはだかる壁
・採用に関して「匿名履歴書」の導入にまつわる顛末…


そして第5章、シャルリー・エブド事件の衝撃 へ到達する…

このテロの死亡者の中に、実はイスラム教徒もいたことが記述されている。
自分の努力で這い上がり、警官だったアフメド・ムラベは、撃たれ、倒れたところに止めを刺される。
シャルリー編集部の校閲記者ムスタファ・ウラドは60才の生涯を編集部で終わらされた。

最終章では、移民への「自由」と「寛容」が失われつつある欧州の姿を、各国の政党の勢力図の変化を捉える。
いかに「憎悪」が世論を変えてしまっているかに戦慄してしまう...


結論:こうして欧州全体で深刻化する「負の連鎖」をよりリアルに理解できる好著。

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毎年、この読後評の年明け一発目のアップには気を使っている。
年末に「極私的 2015年 BOOKS ベスト5! 」をかましてしまった直後なので、ダメ本から新年をキックオフできなくなるのだ(笑)


そして2016年、やっとガチ押し本が見つかった!
今年は第45代アメリカ合衆国大統領の選挙が進行する年。
で、この強烈なタイトルの本に手が伸びたわけ!

かつ読み終わったタイミングで今日はちょうど、両党の今後を占う アイオワ州の党員集会の日。
ヒラリーがかろうじて首位で勝ち抜いた!


読んでいくと、面白いエピソードが満載。
・そもそも、ヒラリーという名はヒラリアス = 威勢のいい ≒ 男名前!
・そんな名をつけた父親は軍の新兵訓練係だった経験を生かし(汗)、ヒラリーを鍛えた
・学校卒業時、前例のない「卒業スピーチ」を行い、名言を残す
・そのスピーチは全米規模で一大センセーションを巻き起こし、メジャー雑誌 LIFE にまで取り上げられる
・ビル・クリントンはこれを知った上で彼女にアプローチを開始
・ヒラリーにとってビルは「アーカンソー州知事を目指す」点でワイルドカード化し、結婚に至る
・州知事になると2人は、ビラリー(ビル+ヒラリー)と呼ばれるくらい彼女は存在感を発揮
・ファーストレディになってからもその役割を越えた政治力を発揮し、人々を魅了
・彼女が構築した「側近団」は、「ヒラリーランド」と呼ばれる強者集団
    etc、次々と・・・

笑っちゃったのは、この本は出版後まだ半年は経過していないが、それでもライバル共和党の記述の部分に、トランプのトの字もないこと!
いかに彼が爆発的に現れ、今日2位にまで上り詰めた、ということだろうか。

この本でヒラリーについてもっと知りたくなったので、次は「なぜヒラリーを大統領にしないのか」そして気が乗れば彼女の自伝類「リビングヒストリー」「困難な選択」にまで手を伸ばそうと考えている。


最後に、アメリカ大統領選の今後の大まかなスケジュールを挙げておこう。

•3月1日(火)スーパーチューズデー

•7月18日 ~ 21日:共和党全国大会

•7月25日 ~ 28日:民主党全国大会

•11月8日(火)大統領選挙(一般有権者投票 → 開票)


P.S.当ブログは決してヒラリー押しではないことを申し上げておきます。誤解のなきように!
サンダースさんや共和党の方のも読んでみたい(笑)

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映画ベスト10に続き、今度は「本」でベスト5、いってみます。
こちらも毎年一度の楽しみ化している!

アップに至った本は25冊程度だが、それ以外にも数的には倍以上は読んでいるので、その10分の1レベルで、5つに。
1行目はタイトルとアップ時のサブタイトル、2行目は今回のコメントとなります。



第1位
「サッカー界の巨大な闇 八百長試合と違法賭博市場」 アジア発 グローバル腐敗の構造を暴く(5/9アップ)
主人公が苦闘の末、FIFA初の八百長対策改革案を発表。ところが翌日、ブラッターが「延期」決定がこの本のクライマックス。
「こりゃ何かあるぞ」→3週間後に「逮捕」=スリリング過ぎ!(写真は原語版。こっちの方がカッコいいので)

第2位
「稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則」 今年ベスト級の.「実践力」!(10/ 7アップ)
非常に切れ味鋭く、「行政」と「民間」の間に本来あるべき緊張感ある関係性を説く。

第3位
「ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相」  リーマンショックの再体験ジェット・コースター本 (11/ 2アップ)
アメリカ経済の崩壊を食い止める闘い(ベアー・スターンズ、リーマン崩壊、AIG救済 etc...)を、政権内部の視点から赤裸々に語る。

第4位
「情報立国・日本(にっぽん)の戦争 大国の暗闘、テロリストの陰謀」 これぞ タイムリー!な1冊。(4/7アップ)
世界中がいかにサイバーの脅威にさらされており、しかも日本がかなり遅れているかを、冷徹に語る。

第5位
「交渉は創造である」 沢山の気づきがあり、実践的で有意義な読書!(3/ 16アップ)
ラストに付録でついている「交渉でカオスをうけいれるべき25の理由」まで一気に読ませた。


来年2016年は、どんな面白い本に出会えるかな?

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今日、こんな本があると知った。
=「ハワイを歩いて楽しむ本」

これはズバリ! ツボ(笑)



ハワイはそこにいるだけで本当に気持ち良いが、ウォーキングでその快感を更に味わえる気が。
景色・気温・天候 etc... 想像するだけで、ブルブルくる!


だいたい表紙だけで既にイっちゃっている。
何処 とは言わないが、昨年体験した究極のハワイ体験の一部だからだ!

当然ダイヤモンド・ヘッド、ワイキキ・ビーチ(=散歩 東コース)は抑えつつ、こんな
マニアックな場所まで抑えているとは、期待が高まってしまうではないか。

明日、即 買いに走ることにする!


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銀座を歩くと、年々海外からの訪日客が大激増していることを肌で感じる。
中国のVISA緩和と円安がその原因だと考えていた。

が、それだけではないらしいことをこの本で知る。



2014年の国別ベスト5は、

1.台湾(260.3%)
2.韓国( 88.8%)
3.中国(436.8%)
4.香港(255.9%)
5.米国(136.0%)
(比率 = 2014/2003)

全体の66%が東アジアとも言われる一方、東南アジア(ASEAN諸国)が激増。
東南アジア(ASEAN諸国)とは、タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー・ブルネイ・東ティモール。
2003年と比較すると、このエリアから3.6倍も来日しているとのこと。

つまり結論は、訪日客が大激増しているのは、中国とASEAN諸国の中間所得層が激増、が現在の現象。
その焦点である中間層は、中国で3億人、ASEAN主要3か国で1億人、と拡大中。
2020年には、中国で6億人、ASEAN主要3か国で1.8億人が見込まれているそう。

つまり、日本へのインバウンドは、まだまだ拡大していくだろう、ということだ!


と、いいニュースが連続した後、以下のような指摘も。
「日本はそれでも観光後進国」
日本の1000万人に対し、フランス=8300万人、アメリカ7000万人、スペイン6000万人…
日本は世界的には、やっと世界27位!
ここまでが第1章。


第2章からは、この大波が引き起こしている現象を、まずホテル業界から。
次の3章では我々が考えるのとは違う感性で動いていることを、外国人が選ぶ日本の観光地TOP30から解き明かす。
4章はそのニーズへの解決策を、5章は地方創生の視点から、最終章6章はニッポン視点から。


と好調な読書が続いたが、最後の最後だけは ビックラこいた。
東京都の一部エリアを「英語特区」化するという発想を提案している!
当ブログ的にはちょっと受け入れがたい意見ではある、が面白い議論ではある(笑)

結論:現在の日本でのインバウンド現象を手早く理解できる参考書として、個々人が動く方向を考えるヒントになる点で、マル。


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日経新聞 私の履歴書で掲載されていた、JR東海名誉会長の葛西 敬之さんの10/8)の記事が凄い内容で、思わずfbでこう呟いた。

<目茶滅茶面白くてヤバいっす。新幹線の誕生秘話。
<先見の明で、在来線より幅広い規格を採用した人物が「討ち死に」
<そして…

その人物は、国鉄総裁 十河 信二。
そしてちょうどそのタイミングで発売されたのが「新幹線を走らせた男 国鉄総裁十河信二物語」
こりゃ、読むっきゃないね~(笑)



本を手に取ると、700ページ以上の極太本!
それじゃ早速!と意気込んで読み始めたものの、実は前半は苦行状態に。

というのは当時の国鉄は民営化されてないので、国鉄が板挟みに成る事態が多く発生し、「会議は踊る」的な記述が続く…
いかにも明治人な、十河 信二の人となりの記述は相当面白かったが。


だが300ページを越えたあたりから、俄然面白くなる。

・在来線より幅広い規格「広軌」派 vs「狭軌」派の果てしない 闘い。

・なんとか国会で通すためにマル秘で「半額予算」で提出し貫き徹すエピソード。

・「世界一の鉄道を作ろう」という極めて明快なスローガンが、現場の国鉄マンの心に火をつける。俺たちが世界一の鉄道を作るのだ…

・新丹那トンネルの掘削は 熱海側=間組、名古屋側=鹿島建設がそれぞれ担当し、どちらが長く掘り貫通させるかを不眠不休の作業で競った。

・十河 信二の総裁再任が議決された一週間後に、東京オリンピック1964が決定。夢の超特急に、最高の目標ができた!

・計画の政府保証を取り付けた証となる、ワシントンでの長期に渡る世銀借款交渉。

・東海道新幹線のカラーリングが決定した経緯。

・十河 信二を潰すことになりかねないスクープを握りつぶした、2人の新聞記者。

・鴨宮ー綾瀬モデル線の初走行そして200km突破まで。

そして、
・本にも登場! 先の私の履歴書の、葛西新入社員が経験した 十河 信二。

etc...



という具合で、印象的なエピソード連発に唸る。
日経の連載に載っていたがよくわからなかった「有法子」(ユーファース)の意味も良く理解できた。

最後にその意味を引用して、この読後評を締めたい。
「どんな困難、いかなる苦境にあっても、諦めてはいけない。必ず打開策はある」
何かというとまず「断る」ことを第一に考える人に、捧げたい一節では?(笑)

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当ブログは、ネットフリックスの現時点での最大のヒット作「ハウス・オブ・カード House of Cards 野望の階段」を非常に高く評価している。
このため、当ブログ毎年のお楽しみ、極私的 2014年 映画鑑賞 ベスト10! で今作はテレビでさえ放送されてもいないドラマにもかかわらず、第4位にランクインさせた。
フィンチャー物では 夫婦関係の究極を描く「ゴーン・ガール」でさえ、軽く吹っ飛んじゃう出来だと判断している。


この強力なコンテンツを製作したネットフリックスを扱った一冊ということだけで、読まないわけにはいかない!
そして当然のように、この最強のオリジナル・コンテンツ「ハウス・オブ・カード House of Cards 野望の階段」は、この本で複数回登場してくる。
「オリジナル重視」「イッキ見」「コンテンツの中身が良くなければヒットしない」「House of Cardsは データ分析からヒットの傾向をつかんで製作された
= 英ドラマ + デヴィッド・フィンチャー+ ケヴィン・スペイシー」と、当ブログ的にはとても腑に落ちる内容。


一方で、タイトルがネットフリックスなのでどうしてもネットフリックス一本の本にみえてしまうが、読んでみるとそんなことはないことを言及しておきたい。
Hulu(with 日本テレビ)、dTV (TTドコモ & エイベックス)、アマゾン他の多様なサービスが紹介される。


とともに、テレビの視聴の変化具合の最新版を提供してもらえるので、大変参考になる。
例えば、以下のようなキーワードが次々と登場。

「イッキ見」するという新しい波(Binge Watching)

「適応型ストリーミング」

「ケーブルカッター」「コードカッター」

「見逃し配信」(先日2015.10.27に紹介したTVerのコンセプト)

「SVODが、ドラマの常識を覆す」=クリエイティブ・フリーダム
番組の個々の長さを揃えなくても良い、CMタイミングを意識しなくて良い

これらのキーワードから見えてくるのは、
「多様化に伴いコンテンツへの触れ方の変化こそが、今起きていることの本質である」


結論:この業界に関わる型には必読?!の一冊か。


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先週 月曜まで行っていたNY中に読み切ろうとして持っていった一冊。
空港でも機中でも、幾らでも時間があるからだ!
ところが・・

密度の濃い内容がずっと続く、666ページ。
帰国後もうんうんいいながら、なんとか読破を目指す状態で、正直 かなり手こずった。
原題のSTRESS TESTもここから取られてるのかな?(笑)
(ストレステストは過酷な景気後退を耐える資本が銀行にあるか調査すること)


ティモシー・ガイトナーは、オバマ政権発足から4年間財務長官。
リーマンショック後のアメリカ経済の立て直しに奔走した人物として知られている一方で、金融に対して甘かったとの批判も多い。
その彼が自分のおいたちから社会人になり、どんな仕事をしてきたか語っていく。

この中で、彼があらゆる金融危機にかかわってきたことがわかる。
メキシコ危機、タイ危機、韓国危機 etc… など、金融危機総舐め状態(笑)
また日本語、中国語がしゃべれるアジア通だということも。
ちなみにアメリカ経済のクレジットの増加チャート(p.138)を彼は「富士山チャート」と読んでいたそう!

痺れるような、決壊直前のアメリカ経済に関する表記がたくさん登場するが例えば、
「加熱したプレミアム市場は、冷却の時期を逃していた」
「衝撃を吸収する能力が低い、リバレッジの多くが移動している」
正に危機に突っ込む直前(ゴクリ)
そして遂にほころびが…
2007年8月 8日 BNPパリバが引き金をひいた…

こうしてキックオフされる金融危機。
「金融危機は全て、信用の危機である」
ベアー・スターンズ救済、リーマン崩壊、AIG救済など、怒濤の日々。
これを彼が生々しく、政権内部の視点から赤裸々に語る。

読んでいて感じたのは この本、リーマンショックの再体験ジェット・コースターだなと!
恐ろしくもあり、懐かしくもあり?なんとも微妙な気持ちにさせられる(笑)
この感覚を、久々にリアルに感じられる点で、この本を読む価値は大きい。



一方で浮かび上がってくるのは、批判されている 彼の弱さ。
ちょっとだけ触れられている2カ所で、それを明確に感じた。
1.危機の真っただ中、救済されたはずのAIGの社員たちが1億6500万ドルのボーナスを受け取った件(p.394)
オバマ大統領が怒り国民の激怒が伝わる一方、彼の姿勢はあくまでニュートラル。
2.銀行の高いボーナスの根拠について数行だけ語るくだり。根拠はあくまでも「有能な人材」の獲得、でしかない


読み終わってみて、その弱さはどこからくるのだろう?と考えた。
ガイトナーは元々金融危機解決のプロ、なので視点はあくまでも経済全体。
そして救済してきたキャリアは海外が中心で、大国アメリカとしては後進国に「責任を取らせよう意識」が元々低かったのでは?
今回の危機は「アメリカ本体」という点で、過去とは明らかに異なるはず。
だが、彼はあくまでも過去のやり方に沿った姿勢で対応したなのでは、と。
アメリカ経済の崩壊を食い止めたことは讃えつつ。

という具合に、読後にいろいろ考えさせられる点で、高く評価していい本だと思う。
そもそも、リーマンショックの再体験ができること自体に価値がある!

結論:今年、有数に面白い本の一つ。年間ベスト5に入りそうな一冊。
(あるいは今年は豊作年なので、ベスト10化させるかも?)

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実は平行してもう一冊、同方向の「消えない都市 の条件」を読んでいた。
それは冒頭で藻谷 浩介氏 + NHK広島の「里山資本主義」を批判し、どんなロジックが展開されるか大いに期待。
ところがその直後、著者が横浜市の職員OBとわかり、 期待がややしぼむ。
そして読み進むにつれ、その期待がしぼみきり「真空状態」に陥る。
このため読み飛ばして読書終了。
チーン…

一方こちらは、実戦バリバリ!
著者の木下 斉 氏は、学生時代に起業し失敗(序章 学生社長、ハゲる)
アメリカで学び、その後全国各地で自ら投資し事業の立ち上げ・運営に携わってきた人物。

なので、文章の迫力が違う。
そして中盤、これからの時代を生き抜く「10の鉄則」を初公開。
まず一発めから核心にふれる。

小さく始めよ;補助金を当てにするな

わぉ!

続いて、
「一蓮托生」のパートナーを見つけよう
「全員の合意」は必要ない
「先回り営業」で確実に回収
「利益率」にとことんこだわれ
「稼ぎ」を流出させるな
「撤退ライン」は最初に決めておけ
最初から専従者を雇うな
「お金」のルールは厳格に

と、新しく事業を立上げようとする全ての人に参考になりそうな、× 10。


次の第3章でも、第3セクターをバッサリ(金食いインフラを「稼ぐインフラ」に)
行政と民間は緊張感ある連携を、などと切れ味鋭い。

そこでAmazonの書評を覗いてみたら、予想通りで「絶賛」と、たまに「大批判」(笑)
そのたまにある大批判に「消えない都市」の条件」的な優等生テイストを感じるのは、単なる偶然か?!

結論:今年ベスト級の.「実践力」を発揮している一冊。ベスト5に入れるのは確実!


P.S.本の最後に特別企画として「まちを変える10の覚悟」がついている。
これも実に有効だ が、それは買った人のための、特典!


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