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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



 

 

 

著者は2人。

藻谷 浩介氏と、山田 桂一郎氏

と、2人とも地方創生では有名人、またの名をカリスマ?(笑)

 

 

実は当ブログ、藻谷 浩介氏にはテレビ番組を制作した際、お世話になっている。

本日放送「地方創生がニッポンを変える」 番組の目玉は 石破 大臣、岡田 武史(元日本代表監督)出演! 

 

藻谷さんの印象は、本の最後に山田 桂一郎氏が述べている内容に近い。

 

<判断の根拠とするのは、実際に自分の目で見、耳で聞いて確認したことと、

<統計数字の推移などの客観的なデータだけ。

<その事実を、他の現場での事例などと比較しながら、論理を組み立てていく

 

確かに藻谷さんは全国津々浦々を行脚することが「所業」のように動き回っていた。

そのかたわら組み合わせた FACT から生まれたのが「デフレの正体」「里山資本主義」他だと理解。

 

 

その藻谷さんの「所業」の迫力が大いに 発揮されるのは、第二部=「観光立国」の裏側(汗)

ちょろっと列挙してみると、

 

・エゴと利害が地域をダメにする

・「地域のボスゾンビ」たちが跋扈

・「団体・格安・一泊二日」の旧来型モデルに安住

・「本当の金持ち」は日本に来られない

・「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである etc…

 

 

一方で第一部の山田 桂一郎氏 の 第一部 もさすがの迫力。

観光立国スイス、の中でも成功したツェルマット在住かつ観光を創造してきた立場からの指摘の数々。

一言にいうと、各団体のエゴを捨て「エリアでリピーターを獲得する」を基本戦略に据えることがマスト、と説く。

 

こちらは「ボスキャラ」という言葉が印象的。

=「既得権にどっぷり浸かっていて、いまの情勢を理解しようとせず、新しいことをやろうとしている若い経営者たちの邪魔ばかりする人」


そう この怒りが、藻谷さんとともに増幅し 爆発するのが、この第二部だったのだ!

 

 

結論:日本の観光産業をダメにしている、いわゆる「日本的」な悪慣習を斬る、痛快な一冊。



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映画とその原作、どの順番で行くかは迷うところ。

「観てから読む」派?、あるいは「読んでから観る」派?

当ブログはどちらかというと、「観てから読む」派。

 

なのだけれど…

年末年始にビジネス書も何だなと思っていたら、この本に出会ったので読破。

新しく出たニューヨークのレストランがメディアの評論での星取り⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎に奔走する姿を描く一冊。

著者の処女作にして、すでにスピルバーグのドリームワークス(!)で映画化が決定している。

 

 

食ライターを目指す主人公は、大学で申請した希望のコースから外れ、予想外のレストラン勤務に。

ただそのレストランは4ツ星⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎の名門「マジソンパーク・タヴァーン」

 

ははあ! 

これは近いが違う公園のユニオンスクエアの近くにある、「グラマシー・タヴァーン」のことかな?

という具合に「あれのことか?」的にウエストサイド、イーストサイド、ソーホーのレストランが次々登場。

そしてこれらのきらびやかなレストランで繰り広げられる美食の闘い。

メジャー雑誌の評で、星をいくつ獲得できるを巡りシェフは当然、ウエイターからクロークまで総動員でサーブする。

あまり知ることもない、こうした一流レストランの裏側が面白い。

著者のジェシカ・トムは主人公同様のライターでありフードブロガーのため、料理の表現や女性のファッションなど、先のレストラン裏事情だけでなく、参考になった。

 

そして主人公はいかにもNYらしく、栄光を掴みかけるが一方で手痛い裏切りにあい傷つく。

原題が、Food Whore: A Novel of Dining and Deceit(詐欺) というだけはある(笑)

 

さてあとは、映画の完成を待ち、「読んでから観た」事をどう感じるかが楽しみ。

主人公も周りのシェフも、適切なキャスティングが最重要のようには思う、が。

 

過去、家では全く料理しないキャサリン・ゼタ=ジョーンズを何と主人公シェフ役にした悪夢のような映画があった。

(「幸せのレシピ」)

この轍だけは踏まないように是非お願いしたい!(笑)



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映画ベスト10に続き、今度は「本」でベスト5、いってみます。

こちらも毎年一度の楽しみ化している!

 

アップに至った本は20冊程度だが、それ以外にも数的には倍以上は読んでいるので、その10分の1レベルで、5つに。

1行目はタイトルとアップ時のサブタイトル、2行目は今回のコメントとなります。

 

 

 

第1位

インターネットの次に来るもの THE INEVITABLE 何か未来に影響できる誕生期だよ!、をメッセージし続ける 1冊。(写真)

7月に読んだ本だが、未だに Cognifying、Screening、Remixing などのキーワードがアタマの中を良い意味でぐるぐるしている!

 

第2位

ライフシフト The 100-Year Life: Living and working in an age of longevity 今年読むべき本、の一つであることは間違いない。

リンクをお読みいただければわかると思うが、「ひっそり思ってたことを、ズバリ書かれてるじゃん!!!」な指摘がズバズバと登場。

 

第3位

Who gets What and Why マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

「市場がどのように運営され、統制されるべきかを理解するには、その市場がどのようなルールを必要としているかを理解しなければならない」

 

第4位

美女の正体 今年有数に圧倒的な説得力をもって語る「美女論」

ある気づきから興味を持ったテーマの本にズバリ出会い楽しめたのでランクイン。

 

第5位

アマゾンと物流大戦争 この分野は正に現在進行形、を実感させられる 今年有数の 良著! 

昨日今日のニュースで出ていた、宅配便ドライバーがアマゾンで「現場はパンク状態」の背景も含まれている。


 

来年2017年は、どんな面白い本に出会えるかな? 




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先日、あるちょっとした 会話 から「気づき」が。

 

かなりの美人と会話中、カレシに振られて自殺してしまった女性のハナシに。

するとその美女、

「オトコなんて周りにいくらでもいて、いつでも手に入るのに、死んじゃうなんてダメよね~」

私「いやいや...(汗) 追い詰められた時は、そういう考えに及べないんだよ…」

(ん?! なんか思考回路が全然違うぞ! )

 

で急に「美女」独特の思考について、興味津々(笑)

そうしたところ、この本に出会ったので早速読破!

 

 

読み始めて間もなく、著者の下村 一喜氏がカミングアウト。

じぶんはゲイであると。

そんな著者は一流カメラマンで、たいていの美人女優とは仕事をしている身。

20年以上も撮影してきた、「美女」について書く。

 

というのだから 凄い説得力!

 

 

そして、ハイライトは早々に訪れる。

16-17ページに表がついているのだが、その内容が、

 

美女のグラデーション解説図(笑)

 

区分は、

・絶世の美女(異形)

・いわゆる美人

・中の上

・中の下

・下

・別もの(異形)

 

 

ここでは上2つだけ、その区分けの基準を。

 

・絶世の美女(異形)

 崇められる

 容姿だけでご飯を食べていける

 目を離せない

 美の代償を払う必要がある

 比較論の外にいる

 悲劇的な人生を歩む可能性がある

 誰にも似ていない

 

・いわゆる美人

 振り返られる 

 モテることに、慣れている

 外見だけで 就職や結婚を成功させることがある

 裕福な人生を送れる素地がある

 華(パワー)がある

 誰かに似ていると言われる

 もう一度会いたいと思われる

 

なんて面白いんだ!!!(がここで伝わったのでは?)

誰にも似ていない vs 誰かに似ていると言われる、崇められる、目を離せない、とか(笑)

 

 

 

結論:今年有数に圧倒的な説得力をもって語る「美女論」




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昨日驚きのニュース、Amazon Dash Button(ダッシュ・ボタン)登場。

ワンプッシュで商品が届くどこでもドア・ボタン(笑)が日本にも登場したばかりのアマゾン。

 

本の冒頭で著者の角井 亮一氏が警告する。

このまま、アマゾンが世界的に仕掛けている物流革命を放置してしまうと...

「巨人アマゾンと無縁ではいられない世界が待っている」

そして紹介されていくのは、Dash Button は単なる一つの手で、いかに包括的な戦略を Amazon が練り続けているか、を物流コンサルタントならではの切り方で。

面白い!

 

第1章では、アマゾンがどう成立し、どう有意を築きあげてきたかのおさらい、で肩慣らし。

 

続く 第2章が面白い。

アメリカ本国での、アマゾン vs ウォルマート の闘い。

圧倒的な強みを持つはずの ウォルマート がどう苦しんでいるか。

 

 

そして第3章。

日本のネットスーパーの戦いぶりを紹介する。

ポイントは「いかに小商圏で、短期間に会員を獲得するか」

「通常展開しているサービスを、どうネットでも一気通貫するか」

  

本で紹介されている主なケースとして、

 

・サミットの失敗→撤退ケース(200)

・楽天の失敗→撤退ケース(200)

・独自のノウハウを生かし、奮闘するヨドバシカメラ

・日本の巨人 セブンイレブン・ホールディングスの台頭

・オフィス向け通販ノウハウを活用した伏兵? アスクル「ロハコ」

etc…

 

ラストで重要な3つのポイントを示しているが、これは読んでのお楽しみ?!?

 

結論:この分野は正に現在進行形、を実感させられる良著!

 

追記:昨日のAmazon Dash Button 広報リリースでは、もう一つの目玉が!

家電機器連携で再注文を自動化「Amazon Dash Replenishment(アマゾン ダッシュ リプレニッシュメント)」が登場。

 

さらに、コンビニまで進出の噂も?!?

「アマゾンGO」

この分野の進化・大戦争、は全く瞬間瞬間に動いている?!?



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日本経済新聞の記者が、2012年 4月~2016年までの4年間の取材体験をまとめたもの。

中国の最新状況を現場からうかがい知れる、という点で興味深く読んだ。

 

章立てでいうとざっと、

第1章 政治

第2章 経済

第3章 土地

第4章 外交

第5章 まとめ

 

という構成。

が、やはりダントツに面白いのは、第2章 経済、第3章 土地。

 

中国の現在の国を蝕む体制の矛盾は、いろいろな本で論述されているので全体としては何となく既に知っている。

それを改めてより具体的に指摘されると、特にこの2つの章では取材に基づいた 目新しい指摘が多く...

 

・影の銀行 高利回りの投資商品を勧める国家

 不動産バブルに踊らされた地方。2014年にこれが全国化し結果、民間債務が急増。

 のみならず、地方政府も過剰債務を抱えている。デフォルトさえ発生。

 

・急減速する中国の製造業は「古い中国」の代表

 給料を予定通り払っている企業は全体の3割? スマホメーカーさえ経営破綻。

 

・成長率かさ上げのための投資

 山を削って新しい街を創る。山を切り崩すでも見かけのGNPは上がる。

 「鬼城」(ゴーストタウン)の発生。「一軒購入すれば、もう一軒サービスします?」

 

全て「過剰」がキーワードか。

そこで本では「4つの過剰」としてまとめている

(1)製造業の設備過剰

(2)積み上がった住宅在庫

(3)地方政府などの借金

(4)企業の高コスト

 

結論:世界第2位を標榜するはずが 全く目が離せない、腐食する中国経済...



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読み始めてまず思った。

「ひっそり思ってたことを、ズバリ書かれてるじゃん!!!」

 

 

思っていたことは、

 

人生の一生設計は大きく変わろうとしている、と日々確信するワタクシ。

(自分の健康維持、ストレスへの対処さえ誤らなければ)

 

休みはリラックスすることも必要だが、次のプロジェクトへの勉強に当てることも重要な時代。

(最近、当ブログが実践しているように)

 

社会的制度・企業の制度はこの変化に全くついていけてない。

というか、ついていくつもりがない?

女性が結婚・妊娠・子育て、を先延ばしにする傾向もこの流れの中にあり、21世紀的な解決策があるはずなのだが。

 

当然、夫婦関係も変わってくるはず。

日本では未だ女性の雇用が追いついていないので、この対応は極めて厳しいかもだが。

 

 

 

 

さて本。

 

はっきり言い切っているのは、

 

< みんなが足並みをそろえて「教育、勤労、引退」という

< 3つのステージを生きた時代は終わった。

 

 

だよねえ!

 

だけでなく重要ポイントを以下列挙(傾向別に順不同に組み替えています)

 

・人生はより長く、健康になり、100歳は当たり前(原題は The 100-Year Life)

・老後=人生のおまけという考えを捨てるべき

 

・お金(有形資産)も大事だが、見えない資産(無形資産)も大事

・スキル、知識、仲間、評判、アイデンティティ、オープンな姿勢が実は重要

 

・結婚相手の選択、は実は人生上、相当に重要(笑)

・男女の役割分担が交錯し、質の高いパートナー関係が必要になる

・共働きの本当のリスクは、消費水準を下げられないこと

 

・個人と企業の間で、産業革命に匹敵するほどの激しい争いが起きる

・テクノロジーの進歩は、定型的な中程度の雇用を奪うが、高スキルの高額雇用を産む。 

 

・脳は何歳になっても鍛えられる。知識のインプットは勿論、体を動かす、他の生活習慣が大事

・レクリエーションという言葉の意味は=「余暇」ではなく、リ・クリエーション(自己の再創造)

・テクノロジーを駆使した結果のオンライン上の人格と評判は、学歴に負けず重要になる


特に、なポイントを最後の3つにしてみた。


結論:今年読むべき本、の一つであることは間違いない。



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インターネットの次に来るもの THE INEVITABLE を読んだインパクトが大きすぎて、続いて読む本が全て小粒に思えてしまう状態に。

 

このため、この本も同じ方向のテーマだけに、印象を残すのは厳しいかも? と思いつつ読破。

 

 

第1章「ビッグデータとは何か」を読み始めてみると、著者の西垣 通氏の語り口が滑らかでわかりやすいことに感心。

ここは翻訳本にない迫力ではあるなと!

 

そして文系のケリー氏と違い、いかにも理系の専門家らしく、今のAI(人工知能)ブームが「第三次」である事、ディープラーニング(深層学習)がどう登場してきたか、を説明していく。

 

踏み込んだなと驚いたのが、第3章「人工知能が人間を超える!?」

ここでは正面から、カーツワイルが主張する「シンギュラリティ」を真っ向から批判している。

ケリー氏の物言いはソフトに「多分来ないよ」というニュアンスだったが、こちらは明確に「シンギュラリティ狂騒曲」と切り捨てている!

 

その主張のメインは「生物と機械の違い」

どれだけビッグデータ時代になり、膨大なデータを扱えるようになっても、その原則は変わらない、と。

クオリア(感覚質)は機械には獲得できないと主張している。

「共感作用(ヒト)」に対し、機械はあくまでも「伝達作用」なのだと。

 

そしてその誤解をIT専門家に拡大してしまった論文として「シャノン情報理論」があると。

シャノン本人は意図していなかった方向に、彼の理論はねじ曲がって理解されてしまった、と。

 

 

そして最後の章では、日本の進むべき方向を提言して終了している。

文系・理系という分断を越えた、知識増幅と集合知を駆使することをメインに置いた学問領域を設け、拡大していく、という主張である。

 

確かに文系・理系という枠ではもう解決のつかない重要な領域だということはよく理解できたし、その議論の不足が無駄な投資・戦略をもたらし、日本の将来に影響するという主張は 力強く、印象に残った。

 

結論:AI(人工知能)Artificial Intelligence という言い方ではなく、IA Intelligence Amplifier と呼ぶべき、という主張と共に、特に日本の未来を見据える、という点でこちらも今年必読の一冊か。




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この本を読んだインパクトが大きすぎて、続いて読んだ本が全て小粒に思えてしまう状態に。

で、改めて再読したら…

 

10年以上やってきた当ブログで、初めての出来事。

既に読了した本を読み返しての、再・読後評!

それくらいの再読インパクト!

 

 

やはり、グッサリくるのは、彼が創った言葉・造語の章、

 

●Cognifyingー人工知能

事物が知能、ないし知性をもつようになるということ。

 

簡単に言うと、ビッグデータ、そして深化し続けるアルゴリズムによる巨大な嵐。

60年も掛かった AI があっという間に実現することになった。

 

 

 

このAI議論でよく引き合いに出されるのが =「ロボットに仕事を奪われる」

 

ケリー氏はそれに明晰に答える。

未来はユートピアにも、ディストピアにもならない。

斬新的で緩やかな進歩が生み出すプロセスがすすむ「プロトピア」の世界、だと。

(このプロトピア、も造語)

 

面白いのが、この進歩をSFの宇宙人論争と組み合わせたくだり。

ユートピアとかディストピアとかというと、正にSFのテーマ(笑)

だが、この AI による「知性」が、まるで異星人に遭遇したような恩恵や脅威を受けることになるだろう、と。

このため、 AI ではなく AA (ARTIFICIAL ALIEN) 

 

今後発明される最も重要なマシンは、人間の方が上手にできる仕事ではなく、人間がまるでできないことをこなすためのものになるだろう、と。

それも人間に考えもつかないようなこと、で。

 

 

ケリーの、未来の方向性に対する明確なビジョンがより深く刺さった2度目の読破になった。

当ブログ恒例、年間ベスト10企画でのランクインは当然、現状 ベスト1候補。

2016年にこの一冊を読んだ、ということがすごく重要に思える時がくるような気が。

 

最後にケリー氏の講演での発言で締めたい。

「今こそは、こんなにお金にわずわされず、何か未来に影響できる誕生期だよ!」



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ケヴィン・ケリー氏 Kevin Kelly の新著。

 

最初に断っておくが、本の発売に先行して行われた講演に参加した。

ケヴィン・ケリー氏は、判りやすい英語でシンプルに独特の説得力を発していた

 

本では12の今後起こるだろう現象について語っているが、講演では3つに絞って。

その内容をまず紹介したい(ある部分、本よりも先に進んでいる表現も、ある)

 

 

Cognifyingー人工知能  彼が創った言葉。造語   本の 第2章

あらゆるモノ、が知能、ないし知性をもつようになるという意味。

知能が電気のように流れてくる、という表現が面白い。

AI に近いが、というよりは、Artificial Smartnessと呼びたい感じ(と説明していた)

 

Ineracting 影響し合う、互いに。本の 第9章

高かったバーチャルテクノロジーが、スマホでいきなり安く、身近に。

スマホの次のプラットフォームで決定的にー正にポケモンGOはズバリそのこと

(彼が監修した)映画マイノリティリポートの世界現実になろうとしている。

The Internet of Experiences、not Things?!

医療・教育も含め、見聞きするようなExperience

最後に刺さった言葉  VR will be the most social of social media

 

●Tracking 本の 第10章

色々な要素で自分から望む、望まないに関わらず Track される

お互いに影響するどっちサイド(Co-veillance)も知りつつ...

 Trackされたデータから、翌日の治療法が選ばれる、かも?

どこに自分を置くかを...自分自身で選ぶことになる。

Private    Transparent

Generic    Personalised

 

 

以上で、講演から 本の感想に移るが、その前に講演全体から受けた印象を。

語り口は終始ポジティブ。

その徹底したポジティブネスに、当ブログはプログレの favorite artist を思い出した。

そのアーティストも、テクノロジーと人類の未来を極めてポジティブに表現していた。

当時、評論家からはけっこう否定されていたものだが、その彼は今だに現役。

ザマミロ!(笑)

共通点として、実は「ヒッピー」があるのかもしれない...

というのは、ケリー氏は若き日に、伝説的な雑誌「ホールアースカタログ」編集者だったからだ。

その冊子は、ジョブズの有名な某演説にも登場する、アレ!

 

で本。

実は、当ブログ的に上記×3も良かったが、特に刺さった章が予想外にあった!

 

それは、

●Screening 

 本がデジタル化する価値を本質的な視点から語る

 

また先のポジティブネスの理由も語られる章、

  ●Questioning

   も印象的だった。

 

 

【結論】

 アタマと最後に本が訴える、

「こんな、何か未来に影響できる誕生期だよ!」

   を説得し続ける、400ページ。

12章のどこで刺さるかは、読者のイマジネーションに委ねられている。


 今年、必読の一冊だというのは間違いない。

 当ブログ恒例、年間ベスト10にランクインは確実!



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完全に周回遅れの読書なのだけれど、久しぶりに読後評アップしたい気分に。

(当ブログは、かなり量の本を読み倒している)

 

 

さて、タイトルにもあるように、

 

・喜劇王 チャップリン

  そして

・20世紀中で最も憎まれた男 ヒトラー

 

この2人は実は誕生日が、わずかに4日違い。

 

 

2人の人生が大きく交錯した瞬間が、映画「独裁者」制作の前後。

ご存知の通り、「独裁者」は残忍極まりないヒトラーをパロディしまくった一作。

この時代に、アメリカが、ドイツが、日本が、そして世界が動いたか。

それは「メディア戦争」と言っていいような闘い。

これを、様々な資料から読み解く一冊なのだ!

 

著者は、大野 裕之 氏。

映画プロデューサー、劇団代表、そして日本チャップリン協会会長。

 

読んでいくうちに次々と秘話が明かされていく。

そもそも、チャップリンとヒトラーの組合せを考えたのは...

チャップリンの伝記にその表記があり、ある映画プロデューサーが提案したそう。

「チョビヒゲ同士だから、ヒトラーとソックリさんが入れ替わる企画はどうだ?」

 

その時チャップリンはあまり深く気に止めなかったそう。

だが実はナポレオン=独裁者をテーマにした映画企画を検討していたが、今ひとつまとまらなかった状況にあった。

 

である時、はたと気づく。

「ヒトラーに扮した私が、大衆相手に訳の分からぬ長広告を思う存分に喋りまくる

 そして浮浪者の私はサイレントの自分でいられる

 風刺とパントマイムを両立させる絶好のチャンスだ!』

 

映画制作のトーキーへの移行、にチャーリーの芸風がマッチした瞬間だった。

 

 

 

次に制作に移るが、何とタイミングで第二次世界大戦が開戦、撮影も同時に開始。

この制作過程と暗黒の時代が、同時シンクロしていたことに驚く!

有名な地球儀のダンス、そして当初のプランとは違う、感動のエンディングまでを苦闘しながら仕上げていった。

 

 

ドイツは制作過程の情報を聞きつけ、激しく妨害工作を国内外で行う。

チャーリーをユダヤ人と決めつけ攻撃。

そこはまだ理解できるところだが、アメリカ国内でさえ批判的論調が…

その風潮は公開後まで続いたが、空襲に苦しんでいたイングランドでは大絶賛。

するとアメリカのマスコミも打って変わって大絶賛へ(笑)

 

 

「笑い」を武器にして、ナチズムに闘いを挑んだチャップリン。

映画「独裁者」の誕生にこんなに色々秘話があったことが興味深い。

その点で一読の価値は間違いなく、ある。

そして、そこから浮かび上がるチャーリーの「静かな闘い」に大いに勇気をもらった。



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原題は、 circus maximus。

オリンピックは最大のサーカス、ということだろうか。

 

著者はスポーツビジネスな著作を数多く発表しているアメリカの経済学教授。

このため、東京オリンピック2020を控える日本としては、参考にしてもいい内容だろうと考え、読み始めた。

(ただしそのために書かれた本では無い)

 

 

当ブログの見解としては…

1.まず気になるのは、 第5章 バルセロナの成功例とソチの失敗例

 

夏季オリンピックと冬季オリンピックを同時に比べるのはいかがなものだうか?

夏期よりも冬季の方がダメージが圧倒的に大きいはずなので…

ボブスレー場とか、他の使い道はそう無いし…

そういう点で、政治主導で突き進み大変なことになっているソチのケースは興味深いが…


冬季オリンピックの問題はIOC内でも注力せざるえない状況になっているという本の指摘は正しい。

北京とアルマトイという2択の中から、北京を選ばざるえない、という究極の選択をせざるえなかった、という苦境があるので。

 

 

2.一方で夏期オリンピックについて

唯一?の 成功例とされているバルセロナ。

ところが日本は、東京オリンピック1964 という成功例を既に経験している。

その点で、都市の成長期にうまく重ねてオリンピックを開催できると、一気にインフラが整う、というのはもの凄く納得性がある。

そして東京オリンピック2020は、アジェンダ2020以降に発揮されている柔軟性によってかなりの恩恵を得ていると感じている。

そこについての記述を正直、もっと読みたかった。


が!

冒頭にも記したように、このために書かれた本ではないので、結論部分はそういう方向ではない。

アメリカ人としての著者が、幻と終わったボストン オリンピック2024招致活動の失敗に言及して 終了。

 

 

 

結論:予想外に、東京オリンピック2020への示唆が少ない読書。

その割には、日本版のタイトル・イラストはちょっと恣意的過ぎる(怒)

 

このため、ここで出す本の写真は、あくまでも原著の表紙で(笑)




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田中直毅氏が著者。
中国とは40年近い関係持つそう。


章立ては、以下のよう。

第1章 長期停滞の10年に向かう中国
第2章 凄まじいバブルの崩壊
第3章 膨れ上がる金融リスク
第4章 色褪せる「中国の夢」
第5章 集権国家の罠:習近平改革の限界
第6章 中国は世界秩序を生み出せない
第7章 日本の近代が照らす中国のいま
第8章 日本は中国にどう向き合うのか


やはり読ませどころは、第2章〜第3章。
氏は元々経済出身経済評論家なので、中国の現状で最も気になる「経済」を斬っている。
中国人とのパイプも多いことから、生情報も時々織り交ぜながら論述している。

実際、国家統計局が発表するデータは当てにならない、と世の中の人は感じている現状がある。
氏はそこで2011年に自ら、最新の景況感を現地住む日本人にヒアリングする「写真機プロジェクト」を始めた。
これは、ひとつの指標として参考になる。



懸念される事象を指摘している部分をざらっと抜き出し、当ブログなりに整理してみた。

1.国営企業で高い人事評価を得るためにつぎ込まれる大金 ≒ 責任と非効率の掛け合わせ
                                            ↓
2.生産過剰能力に陥っているが、過剰整備の廃棄が進まないー国営企業なので
                                            ↓
3.中国国内の、潜在成長力が低下し、他業界にも悪影響が波及していく



面白いなと思った議論が、この危機の図式はまるでサブプライム・ローン問題の構図そのままである、という指摘。
確かに政府発の危機という点で、似ているかも?!

特に2.については、つい最近の日経新聞 記事でも指摘されており、

<中国、影で膨らむ不良債権
<景気の腰折れや失業増を招かない範囲で不採算企業を徐々に整理するのか
<痛みを覚悟して抜本処理に踏み出すのか

 


経済問題もさることながら、もう一つだけこの本でより詳しくわかったことを。

中国の今の体制では言論自由どころか、禁止されている「7つ」の「議論禁止対象」があるという。


それらは、
1.人類の普遍的価値
2.報道の自由
3.公民社会
4.公民の権利
5.当の歴史的錯誤
6.特権試算階級
7.司法の独立

このどれかに抵触した時点でその議論は止まり、次の議題にすり替えられてしまうよう。
こんな状況では、失速どころでは済まないのでは?!


 今の現状は、未だ長期にわたる停滞への入り口に過ぎない、という指摘が俄然リアルに感じてしまう...



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著者は 大前研一 氏。

氏の週刊ポストの連載はほぼ毎週読んでいる。

ただ彼が主幹する、通信制のビジネス・ブレークスルー大学には参加していない。

このため、彼の新刊を読んだ時の印象は「既視感」と「新鮮」に分かれる。

 

この本は、そういう点では当たり=「新鮮」

ビジネス・ブレークスルー大学で教えている内容が中心のよう。


この本では、ここだという点を、アービトラージ・ポイント Arbitrage Point と読んでいる。

読みにくいのはこの言葉が元々フランス語だからで、意味は「さや取り」的ニュアンスだが、ここでは「差別化」と解釈しておこう。

さて、読んで刺さったアービトラージ・ポイント「差別化」部分をメモ。

 

・情報格差でサヤを稼ぐ

・固定観念にとらわれず、外からものを見る

 

 旅行会社 ラストミニッツドットコム=ナローキャスティングに特化

 =お客さん。あなただけに…今から2人でパリに安く行こうパック

  価格だけでなく、どう付加価値をつけるか

 

 「空き」をナローキャスティング・ポイントキャスティング

 

 クリーニング屋連携で、気化器を効率活用、なケース

 

・「固定費」を遊ばせておいては、利益は産まない。

  稼働時間を分析して混んでない時には値段を下げてでも稼働率を上げよ

  (なケースもある 当ブログ 笑)

・稼働率を上げるには、ナローキャスティング・ポイントキャスティングの方法で顧客をシールドする

 

 カンニングOK 。

 知識を問うのではなく、レポートや論文を書かせる。ネット上の知識を駆使して、どれだけオリジナルの論を展開できるかに評価軸を変える。

 

・個々のデジタル機器がインターネットなどによってつながり、「デジタルアイランド」が、「デジタル大陸」になりつつあるという現実を認識する

・その上で、「5年後の生活・ライフスタイル」を想像し、そこからサービスや商品に落とし込む

 

 「早送り」の発想 = Googleの動きをヒントにする(笑) 兆し、を読む

 

・全ての「新しい概念」は、既に存在している(世界のどこかにある)と考える。

・小さな「兆し(=ヒント)を捉えて高速の早送りを行い、来るべき未来を想像する

 

 

そして当然登場、という感じで出てきたのは、

 

 空いているものを有効活用する発想 = airbnb、UBER、

 初の地下鉄ロンドン。これも空いているもの(地下)を有効活用 → 常識外れなユートピア、と新聞は書いた(笑)

 

 アイドル・エコノミー idle economy と最近読み替えている

 

・既存の発想にとらわれず、360度の視野で「空いているもの」を探す。

・「働いていない」「使われていない」「空いているもの」を有効活用する。そのためにはネットを使ってユーザーとサービスを結びつける

 

・A と B という2つの方法論がある場合、その中間地点でポジショニングすることで、差別化を図る。

・折衷案ではなく、大きな枠の中にスイートスポットを見つける

 

etc… 面白いキーワードが続出。

 

 

ところが!

最後の章だけは、かなーり 引いた(汗)

そのくだりは、ウィルト・ディズニーが手付かずの湿地帯を見て、ディズニーワールドを構想した、その構想力を絶賛している部分。

 

つい最近、幼い子供がプールの端からワニに引きずり込まれ、死亡した事故が発生したばかりだったので…

そういう教訓のSF映画を何本か思い出してしまったところで読書完了。

自然の力をなめちゃいけない、ということだろうか…

 

結論:この本を鵜呑みにするのではなく、自分が進めているプロジェクトがあるのなら、それに当てはめつつ読むのがマル◯!な一冊。



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まず冒頭から度肝を抜かれる。
4人の命を救うために、腎臓移植を離れ技で実現したマッチメイキングが紹介される。
そう、この本のテーマは、マッチメイキングなのだ。

<マッチングプロセスは、正式なものであれ、自然発生的に生まれたものであれ、
<時間とともに進化してきたものがある。だが特に最では、デザイン(設計)されたものもある。
<マーケットデザインの新しい経済学は、マッチメイキングや市場一般に科学的手法を持ち込
<もうとする試みである。

そして様々なマッチングが次々と登場する。
恋愛(!)、人気企業への就職、有名大学への進学 etc …

マッチメイキングとは「お金」では買えない、互いが互いを選ぶ最良の「組み合わせ」を追求する旅なのだ(笑)


判事助手市場にまつわる 試み 及び 失敗 の項でこんなフレーズが。

<市場の失敗の根本的原因には対処しないまま、対処療法的デザインを少しずつ変更するだけ
<では、まるでうまくいかない

面白い!


だけでなく、章のタイトルだけでさえ、心掴まれてしまう。
たとえば、

第2部 
挫かれた欲求―市場はいかにして失敗するか

第3部 
市場をよりスマートにし、より厚みをもたせ、より速くするためのデザインの発明

第6部 
厚みのある市場がすばやく機能しなくてはならないわけ

 

この6章では当然のように、マッチメイキングビジネスの雄、UBER 及び Airbnb が登場。

スマホの普及が、上記2社の普及を成立させたという主張はもっともなもの。

より厚みのある市場があり早く大きく混雑の少ない市場に変え、結果として数十億ドル規模の事業を築くことができたのだ!

 

 

そして結論部分ではハイエクのこのフレーズをはじめ、痺れるフレーズが次々と。

 

マーケットデザインをめぐる政治論争から得られる教訓として、

「市場がどのように運営され、統制されるべきかを理解するには、ここの市場が

 どのようなルールを必要としているかを理解しなければならない」

 

良いデザインは、動く標的のようなもの

 

マーケットデザインも静的なものではなく、既存の慣行や他の市場とつながるために、少しずつ変化しながら発展していくことが多い

 

結論:今年有数に面白い読書。今後の市場を創り上げるだろうヒントがここにある!

 

 

 



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