机の上に、7月12日、13日、15日、3日分の千葉日報があります。書評を優先しているため、いつも新聞を読むのが遅くなります。
「今回の参院選は、憲法改正のための一歩となる選挙」と考えていましたが、新聞の報道も同じ流れでした。私と違うところは、自分たちが憲法改正反対なので、最初から否定の姿勢で記事を書いているところです。
5件の記事がありますが、4件が共同通信社の全国配信記事で、千葉日報社の記事は1件です。日ごとの見出しを紹介するだけで、共同通信社の意図が見えます。
・7月12日 ( 火曜日 ) ・・1面トップ記事
「自民大勝 改選過半数63 」「立民後退17 維新倍増12」
「参院改憲勢力179議席」「自民は議論加速 立民慎重」
・7月12日 ( 火曜日 ) ・・6面 政治
「首相改憲へ意欲」「民意受け 国会議論主導」
・7月12日 ( 火曜日 ) ・・16面 社会 ・・千葉日報社の記事
「改憲に期待と懸念 」「物価高対策、経済回復を」「自民大勝で県民」
・7月13日 ( 水曜日 )
「改憲急ぐ必要ない58% 」「42%物価高重視」「内閣支持6ポイント上昇63%」「共同通信世論調査」
・7月15日 ( 金曜日 )
「物価高、月内に予備費支出」「電力安定へ原発9基稼働」「ムードだけで改憲できない」「公明党幹部」
見出し部分を要約しますと、参院選直後の記事では民意が自民党を大勝させたので、「憲法改正」に反対が言えなくなっています。総理も勢いに乗り、改憲を主導する意気込みを表明しています。
ところが翌日になると、いつもの世論調査を実施し、「改憲急ぐ必要なし」という答えを引き出します。どんな質問の仕方をし、何人の国民に、どんな方法でアンケートを出したのか、いつもの不明な調査です。
不明でなく、はっきりしていることは、マスコミの世論調査があてにならないという事実だけです。共同通信社ばかりでなく、NHKも朝日も産経新聞も、各社が自社に都合の良い数字を出していますから、国民も今では参考程度にしか見ていません。
憲法改正のための選挙とは決して言わず、改憲勢力が動いていると大騒ぎして牽制しました。にもかかわらず大勝の民意が示されると、「改憲必要なし」が58%とというのでは、素直に考えて理屈に合いません。
こうなるといつものパターンで、「改憲の必要なし」とマスコミが世論を誘導し、やがてうやうむやにしてしまいます。7月15日の、小さな見出しがその始まりです。
「ムードだけで改憲できない」「公明党幹部」
見出しだけ読みますと、相変わらず公明党が国民の意思に逆らい、改憲に反対していると思ってしまいます。公明党の幹部とは北川一雄氏ですが、全部読みますとまともな意見です。
「改憲のための国民投票は、政党を選ぶ選挙とは全く質が違う。国民が、中身を理解できなければならない。最高法規に触ることが、法律や日本の社会にどういう影響を与えるのか、説明しなければならない。」
「海外の例を見ても、国民投票で過半数を取るのは容易ではない。最初の国民投票でつまづいてはならない。」
こうした意見の一部だけを取り出し、「ムードだけで改憲できない」「改憲は数合わせではない」と報道するのは、マスコミの情報操作です。中国や北朝鮮やロシアのように、力尽くで大嘘を報道する厚顔さに比べたら、日本のマスコミはまだましです。少しずつ、少しずつ、世論を誘導していくのですから、その分巧妙で悪質なのかもしれません。
「女性宮家」の世論操作の前例もありますので、彼らに引きずりまわされないようにと、これからが正念場です。