金纓 ( キム・ヨン ) 氏著『それでも 私は旅に出る』の、続きです。
学生運動の首謀者として、ソウル大学を退学させられた彼女は、頑張って延世大学に入学します。牧師志望なので神学部に在籍していますが、ここで日本人留学生の、澤正彦氏と出会います。
二人は、昭和45年に卒業と同時に結婚します。ここからは、彼女の叙述を引用しましょう。
・澤は、東京大学の法学部を卒業したのち、牧師となるために東京神学大学に学士編入した。
・彼が大学院在学中の、昭和40年に、日韓条約が結ばれた。
・隣国同士が仲良くなることは良いことなのに、韓国人、特にクリスチャンまでもが、激しく反対していることを不思議に思っていた彼は、
・在日大韓キリスト教会の、李仁夏 ( イ・インハ )牧師の説教で、 日本人がかっていかに韓国人を苦しめたかを知って、ショックを受け、その韓国人の友人になろうと決意して、延世大学に留学したのだった。
・結婚など考えたこともない、しかも反日教育の中で育った私は、日本人にプロポーズされたことだけで、侮辱されたとまで感じる程だった。
・結果的には、彼の涙ぐましい努力と周囲の説得によって、韓国で生活することを条件に、結婚を承諾した。
これが、本の5ページから6ページにかけての、叙述でした。「なぜ韓国人は、これほどまで執拗に日本を憎悪するのか。」・・・。
おそらくこれは、私が抱く終生の疑問でしょう。この疑問を解くため、何十冊と本を読んできましたが、未だに理解できない部分が残ります。
反日教育で育ちながら、しぶしぶ日本人と結婚したというのですから、彼女が答えを示してくれると期待しながら、本を読みました。
私が素直に楽しめず、なんとも不可解で、厄介な本という印象を持った理由が、ここにあります。これだけ日本に愛着を感じ、理解していながら、それでも反日であるというのですから、理解に苦しみます。
結局、彼女は最後まで、反日の中身を語りませんでしたが、私の頭の中には、2年前に読んだ李滎氏の書著がありました。
氏もまた強烈な反日の韓国人でしたけれど、一般の韓国人とは、違った意味での反日でした。そのため、氏は現在でも、知日派として攻撃されています。参考のため、2年前のブログから、一部を転記いたします。
・日本は、正当な代価を支払うことなく、無慈悲に、わが民族の、土地と食料と労働力を収奪した。
・だからわが民族は、草の根や木の皮で、ようやく命をつないだり、海外に放浪するしかなかった。
・過去60年間、国史教科書は、このように国民に教えてきました。ですから、大部分の韓国民がそのように信じています。
・2001年 ( 平成13 ) に発行された、高等学校の国史教科書には、日本は世界史において比類ないほど、徹底的で悪辣な方法で、わが民族を抑圧し収奪した、 と書かれています。
・例えば総督府は、全国の農地の4割にも達する土地を国有地として奪い、移住してきた日本人農民や、東拓のような国策会社へ廉価で払い下げた。
・また総督府は、生産された米の半分を奪い、日本へ積み出した。農作業がすべて終わると、警察と憲兵が銃剣を突きつけて、収穫の半分を奪っていった。
・このように解釈できる文脈で、生徒たちを教えてきました。
・1940年代の戦時期に、約650万名の朝鮮人を、戦線へ工場へ炭鉱へ強制連行し、賃金も与えず、奴隷のように酷使した。
・挺身隊という名目で朝鮮の娘たちを動員し、日本軍の慰安婦としたが、その数は数10万人に達した。教科書は、このように記述しています。
・高校の国史の時間に、このくだりが出てくると、教師は今にも泣きそうな顔になり、生徒も涙したといいます。
・このように悪辣な収奪を被った祖先たちが、あまりにも不憫で、これが泣かずにいられるでしょうか。
・しかし私はあえていいます。このような教科書の内容は、事実ではありません。
・びっくりされる方も多いと思いますが、単刀直入に言うと、そのような話はすべて、教科書を書いた歴史学者が作り出した物語です。
ではなぜ、李滎氏は反日の韓国人として、日本を憎み続けるのかと言いますと、氏は「日本人が韓国を統治した」という事実が、許せないからです。
韓国より非文明国だった夷狄の日本が、誇り高い小中華の国を支配したという事実が、認められないのですから、これはもう、「感情的嫌悪」というしかありません。
息子たちには、同じ韓国人の反日感情にも、こうした2種類があることを知って欲しいと思います。
聡明そうに見える金氏が、どのような内容で反日を語るのかが知りたくて、本を読んだとも言えます。しかしその期待ははぐらかされ、彼女は最後まで語りませんでした。
韓国と日本の架け橋になろうとした、夫の澤氏は、49才の若さで病死します。子育てを終えた彼女が、仕事も家も処分し、世界旅行へ出かけるという気ままさには、こういう事情もありました。
韓国の反日教育が、いかにデタラメなものであるのか、現在では、インテリの間で知られているはずなのに、どうして澤氏は簡単に韓国牧師の話を信じたのか。これも、私には疑問の一つです。
戦後の東大生は頭脳は明晰ですが、日本人の魂が抜けた人物が多く、簡単に国を裏切ります。学者にも政治家にも、マスコミにも沢山いますので、氏もそんな日本人の一人だったのでしょうか。
こんなエッセイすら楽しめないのでは、心の狭い人間になったものと、自分でも考えますが、しかしどうでなのでしょう。
昨日も韓国の最高裁は、戦前の徴用工問題で日本企業に有罪判決を出し、罰金の支払いを命じました。「売春婦問題」の嘘がばれたら、今度はまた「徴用工」です。
こんな悪意と捏造の憎しみで、日本人を苦しめ、自国民の憎悪を駆り立てる隣国を思うと、金氏の著作だって嫌悪したくなるのも無理はないと、私は思います。
人に生き方を教える牧師なのに、金氏は、一番肝心な在日韓国人の生き方を、語っていません。日本人に対しても、キチンというべきことは言うべきでしょうに・・。
今でも、これからも私には、彼女が「不可解で、やっかいな人物」であることに、変わりがありません。
金素雲氏は、韓国の有名な文学者で、日本統治時代に文壇にデビューした人です。
私は、ヨンさんの本は知りませんが、素雲さんの本は持っています。(昔の朝鮮の童謡や民謡を収録した本でした)
ヨンさんと日本人牧師・澤正彦氏とのあいだの娘さんは、歌手になっています。(確か、澤知恵さんという人です。)
金素雲氏は、日本統治時代に出世コ-スに乗った人ですから、それほど「反日」ではないと思います。
ただ、娘のヨンさんが反日に傾いたのは、韓国の学校教育や「お父さんに対する反抗期」の影響もあったんでしょうね。
まあ、こういう韓国人内部の世代間のジレンマは、多く、あると思いますよ。
しかし、その反日ヨン嬢が日本人と結婚してるんですから、不思議と言うほかありませんが、、、(苦笑)
韓国の人というのは、もう精神的には「統合失調状態」なんでしょうね。
そのあたりの事も今回の「猫庭」さんのテ-マなんですね。
おっしゃるとおり、金氏は素雲氏の娘さんです。反日で無い家系を、ほんの少しだけ述べています。
「父素雲は、生後2年で父親を亡くした。日韓併合の2年前の1908年、」「地方の有望な若手官吏として、日本人とも関わりを持っていた祖父は、」「親日派と誤解され、同胞の手で殺されたのだ。」「日本との深い因縁は、」「祖父、父、私の、三代にわたる宿命のようなものである。」
彼女の複雑な思いを私は、理解いたします。しかしそれで反日になるという意見には、同感いたしません。韓国・朝鮮人は、他責ばかりで生きるのでなく、もっと自責の生き方を学ばなくては、日本とは和解できません。
日本人は、敗戦となり、東京裁判史観で自虐の歴史感を米国から押し付けられ、現在の従属状態となっています。
しかし私たち日本人は、憲法のみならず、東京を始めとする都市への無差別爆撃、広島・長崎への原爆投下など、当時の米国に対し、怒りを抱くとしましても、韓国がするよう、執拗に、米国を憎み、反米感情を増幅するようなことはいたしません。
米国だけに原因があるのでなく、負けた日本にも原因があると、知っているからです。今になっても、米国従属のままで、憲法すら変えられないのは、米国のせいではありません。
歴史を見直す勇気の無い、国民、政治家、学者たちが原因であり、他国に責任を押し付け、逆恨みする間違いと醜さを知っているからです。
彼女たちは、日本を恨むのでなく、私たちがしているように、戦後70年以上経っても、自立ができ無い自分たちの、不甲斐なさを自覚すべきなのです。
ということで、いつもの話になってしまいましたが、私だって、在日の内面の葛藤を理解していないわけではありません。ただ、彼らは、責任のすべてが日本にあると、そればかりを言うので、その不甲斐なさに怒りを覚えるのです。
あなたのコメントにお答えしていますと、ついつい、長くなってしまいます。ご容赦ください。