〈 6・憲法審査会の進捗 〉・・( 共同通信社の記事10件 )
7. 5月 2日 「首相、論議進展に期待」「泉氏、国民投票法は不十分」
8. 5月 3日 「施行75年 憲法岐路に」「緊急条項改正狙う 自維公国」「立 共 危機便乗と警戒」
9. 5月 4日 「ロ侵攻 勢いづく改憲論」「首相、9条改正意欲」「危機便乗と批判」「憲法施行75年 各地で集会」
本日は、共同通信社の8. 番目の記事を紹介します。今回の記事の特徴は、紙面の4分1のスペースを使う大きな扱いをしているところです。見出しの活字が、久しぶりに大きくなっています。
「施行75年 憲法岐路に」
文字の大きさが、改憲の進捗ぶりを現し、改憲を阻止したい同社の焦りが感じられる気がします。
〈 8. 5月 3日 「施行75年 憲法岐路に」「緊急条項改正狙う 自維公国」 〉
「日本国憲法は3日、施行から75年を迎えた。岸田首相は9条への自衛隊明記や、緊急事態条項新設など、党憲法改正案4項目の議論進展を狙う。」
「自民、日本維新の会、公明、国民民主の4党は、新型コロナウィルス禍やロシアによるウクライナ侵攻をあげて、緊急時に国会議員任期を延長する改憲の必要性を訴え、検討促進で一致。」「〈危機便乗〉と警戒する立憲民主党は慎重姿勢を示し、共産党は反対する。」「憲法が岐路に立っている。」
現行憲法は最初から岐路に立っていますが、共同通信社もこれ以上誤魔化しきれなくなったのか、本音を述べています。岸田首相が3月の党大会で、改憲の党是を成し遂げようと表明したことにも触れています。しかし記事の一番のポイントは、次の説明です。
「ただこれまで首相は、改憲実現へのスケジュールには言及していない。」「夏の参院選で勝利すれば、さらに議論を加速。2025年夏の参院選や同10月の、衆議院議員任期満了を見据え、国会発議のタイミングを図る。」
75年間棚ざらしにされてきた「亡国憲法」が、やっと改正されるゴールが見えてきたという、歴史的な記事です。
「これに対し立民の泉代表は〈護憲〉の立場から、改憲の是非に関し〈あくまで中身で判断する〉、〈改正ありきではない〉として、自民主導の改憲論議を牽制する。」
次の説明も同社の本音です。読者に、改憲の近づいていることを隠せなくなっています。
「昨秋の衆院選で維新、国民の両党の勢力が伸長。国民は改憲の論点をまとめ、改憲論議に積極的だ。」「自民、維新、公明に国民を加えた改憲勢力は、衆参両院で国会発議に必要な3分の2を超える。」
「憲法論議を巡る国会の構図の変化により、衆院憲法審査会は、週一回の定例日開催がほぼ定着した。」「自民など4党は当面、緊急事態条項のうち、議員任期延長の改憲に照準を置く。コロナ禍やウクライナ危機を踏まえ、国会機能維持のため必要だとの認識を共有する。」
立民は、議員任期延長の改憲不要の立場で、「危機を奇貨としたどさくさ紛れの議論」として批判し、共産党も、コロナに便乗しているといつもの反対論です。
記事があと14行残っていますが、スペースの都合で次回にします。