ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

小さな驚き

2018-04-27 11:42:36 | 徒然の記

 今から14年前、60才となった私は、定年退職いたしました。それから5年後の平成21年から、長男の手助けを得て、ブログを始めました。

 早いもので、9年が経過しています。現在のブログは、「ねこ庭の独り言」ですが、始めた頃は、「気まぐれ手帳」と名前をつけていました。年金暮らしの人間が、勝手な思いつきを書く、という意味でした。

 勝手が分からないまま、ブログを続けていますと、世の中の出来事を、改めて考えるようになりました。新聞やテレビとも、真面目に向き合うようになり、時には本も読みました。そうなりますと、この世には私の知らないことが沢山あり、一人前に意見をいうのが恥ずかしくなりました。

 そこで、「みみずの戯言」と、ブログの名前を変更しました。「ごまめの歯ぎしり」でも良かったのですが、要するに、名もない庶民が、地面の下で呟いていると、自嘲を込めたつもりでした。ところがこういう名前にいたしますと、訪問される方が、私のことを、「みみずさん」と呼ばれるようになりました。

 もともと虫の嫌いな私は、とりわけ、土のなかにいる「大みみず」が好きになれず、想像するだけで鳥肌が立ちます。いつかブログの名前を変えようと、心に念じつつ日が過ぎました。忘れもしない平成26年の6月に、可愛がっている猫が死にました。空気の大切さが、切羽詰まった時、肌身で分かると同じように、飼い猫の大切さが、失なって初めて分かりました。

 いつでもそこいらにいる、ごく当たり前の存在と、思い込んでいましたから、消えた猫が、私の元気を奪いました。背を丸めた猫が、一日中眺めていた庭に立ち、季節の花を目にしていますと、今でもこみ上げてくるものがあります。

 だから私は、大切な猫や犬を亡くし、老け込む人の気持ちが、よく分かります。幸いにも私には、喧嘩相手の家内がいて、たまに真剣勝負ができますので、老け込まずに済んでいますが・・。ということで、いつもの通り、私のブログは本題を離れ、どこまでも迷走していきます。

 表題の「小さな驚き」は、どうなっているのか。ブログの名前が、それからどうなったのか。そろそろ、本筋に戻らなくてなりません。

 愛する猫を、いつまでも忘れない自分がいると、あの世か天国か、宇宙のチリとなっているのか、知る由もありませんが、「忘れないぞ」と伝えたいので、「ねこ庭の独り言」と決めました。私はこの名前が気に入っており、生きている限り、というより、元気でブログを続けている限り、この名前で行きたいと思っています。

 さて、いよいよ「小さな驚き」の話に移ります。

 自分がブログを始めた頃の、なんとも知れない、拙い話を、読んでくださる読者がいると知った、驚きです。自分でもすっかり忘れている、8年も前のブログを、わざわざ読んでいる人がいるという、信じられない出来事です。一度や二度なら見過ごしますが、日々表示される「このブログの人気記事」に、毎日出てくるので、唖然とします。私もたいてい物好きですが、なんとも稚拙な、「たわごと」を読む人があるなど、どうして想像することができましょう。

 8年前の私は、まだ朝日新聞の定期購読者でしたし、NHKの信奉者でした。それよりなにより、金権腐敗の自民党に愛想を尽かし、反日・売国の民主党に一票を入れていたのですから、思い出しても汗一斗です。

 私の驚きが、嘘でない証拠に、平成21年の12月に、初めて書いたブログを紹介いたします。表題が「年末風景」で、本文が、

 「寒い年末です。」・・、だだこれだけです。

 これでまだ不十分なら、もう一つだけ、証拠を提出いたします。「今年の目標」と題した、二回目のブログです。

「 三十年くらい前は日記を書いていたが、今はすっかりやめている。

 最近、何かを書きたいというか,思いを表現したいというのか、

要するに,気まぐれが生じてきたということで、
息子たちの力を借りて今年は自分のブログを作ろうと思うようになった。

時には,携帯で撮った写真ものせてみようと,日頃は縁のない、というより、むしろ敬遠してきたバソコンと

携帯に近づく決心をした。会社を円満退職して以来,金はないが

時間はたくさん持てるようになったから、これ
を活用することが人生を楽しむことにつながると独り合点している。

 これからの予定は,息子の助言を得ながら携帯からパソコンに写真を取り込むためのケーブルなども購入しなけ

ればならない。 

 誰に読まれずともよいから、自分の心の記録として続けて行き、楽しんでみたいと、少し気持ちがはずんでいる。」

 前回より少し長いのですが、内容は何もありません。改行もまともにできず、ブツ切れのうどんのような文章です。一体こんなものの、どこが面白いのでしょう。こういう読者がおられなければ、自分でも、再読しなかった昔のブログでした。

 感謝するというより、やはり、「小さな驚き」です。世間は広い。自分より物好きな人が、いるんだ・・・

コメント (10)
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