だらだら日記goo編

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南へのあこがれ

2008-04-13 22:57:37 | アート・文化

展覧会カタログによると、この企画展は歴史に埋もれた杉浦佐助という芸術家を紹介すべく、「南洋群島」で結ばれた、土方久功、杉浦佐助、儀間比呂志と続く師弟関係を一方の軸に構成されたようだ。

しかし話を「南への憧れ」という普遍的なテーマとすると、どこまでが南なのかといった問題が生じるし、自発的に南を訪れたこの三人と違っていわゆる「従軍画家」の問題も出てくる。

そうこう調べていると1940年に「南洋群島」を訪れた美術家によって「南洋美術協会」が結成されていたことがわかったという。

隠して展覧会は三人の師弟関係を一方の軸に、「南洋美術協会」の画家をもう一方の軸に据えて構成することが決まったという。

町田市立国際版画美術館で昨日から開幕し、このあと高知と沖縄に巡回する「美術家たちの南洋群島」の展覧会だ。

土方については昨年世田谷美術館で回顧展があったから多くを要さないだろう。

問題の杉浦佐助とは土方から美術を学んだ木彫の作家で高村光太郎に「恐るべき芸術的な巨弾である」と絶賛されたらしい、確かにその作品は土方の木彫と比べてもすばらしい。

儀間という人は版画家で今も生きている、沖縄の人でこの展覧会に合わせて絵本「南洋いくさ物語、テニアンの瞳」を作っている、当たり前だが沖縄会場での出品が多く、町田では余り展示されない。

第二部の南洋へ渡った画家を眺めるとまあたくさんいる!

なかでも川端龍子の存在は大きい。

龍子記念館からの「椰子の篝火」はヤップ島に取材したというが223cmX735cmの大作だ。

「メキシコルネサンス」の壁画運動で知られる北川民次もその一人だし、ポール・ジャクレーもその一人だ。

まあ名前も知らない画家がいろいろ出るが、赤松俊子は特筆に値しよう。1943丸木位里と結婚して「原爆の図」を制作したことはあまりにも有名だ。

彼女は土方と親交があったようだが現地の人をそのままの目線で描く。

当然南への憧れといえばゴーギャンを思い出す。

ここでは「和製ゴーギャン」と呼ばれた上野山清貢をあげたい、彼の絵には確かにゴーギャン的なものがある。

展覧会初日と開館記念日4/19は無料で入館できます、面白い展覧会でした。


2 コメント

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こんばんは (遊行七恵)
2008-04-14 22:58:33
こんばんは
けっこう好きなコンセプトなんですが、町田はいかんせんわたしには遠すぎるのです。
儀間さんの作品は立松和平のウンタマギルーの小説の挿絵なんかにも出てました。
龍子の大作絵画には確かに南の国がとても似合いますね。
あと伊東深水も色々描いていました。
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遊行さん今晩は。 (oki)
2008-04-15 23:01:10
遊行さん今晩は。
東京新聞の主催ですが、肝心の東京新聞があまり宣伝していないので集客は見込めない展覧会ですね。
ほおー、伊東深水も南洋へ行ったのですか、しかし「南洋美術協会」には入っていないようで展示はありません。
あとめぼしいところでは労働画で有名な堀田清治ですかね、あとは知らない画家さんばかりでした。
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