だらだら日記goo編

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パリの夜に魅せられて

2005-08-18 23:27:52 | アート・文化
夜間開館を利用して写真美術館へ行く。企画展示「ブラッサイ」と所蔵展示「写真はものの見方をどのように変えたかー再生」だ。
ここでは「ブラッサイ」の展示について触れよう。
ポンピドーセンターからの出品ということだが千円も取られる割に出品数が物足りない。
まあそれはいいとして、この夜のパリに魅了された芸術家の素顔が良くわかる。
代表作はビル・ブラントが「あらゆる写真の中で最も詩的」と評した「霧の中のネー元帥像」、霧のかなたにHotelの文字が浮かび上がる。
「地下鉄の通路」はいかにもパリ的だし、光あるところにやみあり、「連れ込み宿」「失業者」も芸術家のレンズはのがさない。「モンマルトル」は当然のように映す。
シュールレアリズムとの関係も微妙だ、ブルトンの「ミノトール」誌に151枚写真が掲載されたとか。
「パリの地下鉄の入り口を見たことありますか」なる奇妙な写真とか「状況的魔術ー芽の出たジャガイモ」とか。
この雑誌にはヌードも掲載したが、この芸術家のヌードはモデルの顔がまったく見えないところが特徴だ。
あとは素描とか彫塑作品とか「落書き」とか。
ずーっと眺めて、ほとんどの写真が1932ごろに撮られたものだと気づく。
この年に芸術家は集中して写真を撮ったのか、ポンピドーセンターの都合なのか。
お粗末なのはカタログでまだできていない上に1万いくらもとられる!
ミュージーアムショップで1990に開催された写真展のカタログを二千円で販売していたのでそれを買う。
こちらのほうがブラッサイ自身の言葉や岡本太郎の寄稿などがあってずっとよい。
三階の所蔵展示は日本の写真家が戦争とどう向き合ったかという主題。
海外の写真家も加えればもっとよかったろう。