お茶に縁がない僕でも途中からこの展覧会面白いと思えてきた。
何といっても三井高福だ。
「唐物竹組大茶籠」の中には茶道具とお香の道具約四十点がぎっしりと詰め込まれていたというのだ!
中には一休筆の掛け軸もある。
幕末の動乱期にこれだけあつめたのだから、流石は京都の豪商の余裕というべきか。
三井記念美術館は「数寄の玉手箱ー三井家の茶箱と茶籠」を昨日観てきた。
「ぐるっとパス」でただで入れるのが大きいというかただで入れなければ僕なんか行かない展覧会だ。
導入として展示室1では茶道具が、展示室2では重要文化財に指定された能面が展示される。
そして展示室4,5,7で三井家所蔵の茶箱と茶籠の展示だ。
展示室6は「古写真にみる三井高棟の建築数寄」となっている。
高棟は今のべた大茶籠で箱根で実際に茶会を行ったそうだし、欧米の視察に一閑張でできた軽い茶箱を持って出かけたという。
しかしやはり高福だ、三井家中興の祖といわれるだけある。
金閣寺の古材で茶箱を作ったり、抹茶道具と煎茶道具を一つの茶籠に一緒に入れたりする。
高福とその子息子女の合作というのもある、心ときめく。
展示品は北三井家のものがほとんどだ、新町三井家は明治以降茶の湯がご法度になったそうで一つしか伝わらないし、室町三井家伝来の茶具箪笥には、櫛がいろいろはめ込まれており、さらにやはり抹茶と煎茶の道具が混在するなどここでも高福の関与をみることができる。
展示品が小さいので、あとは絵画作品を展示するがやはり円山応挙の作品は特筆に値する。
なかでも応挙33歳のまだ「仙嶺」と署名していたころのたたきつけるような激しい墨の「破墨山水図」は心に残る。
三井家の格式をよく示した展覧会だった。
二時間くらいかけてゆっくりとみたい展覧会だ。
ぐるパスさまさまなのは、どこかなぁ。
「ないと行かない」ところを考えましたが、「あっても行かない」ところが先に浮かんできました(笑)。
でも本当にぐるパスはありがたいです。
「ぐるっとパス」ありがたいですが、有効期間のうちに展示内容が替わると同じ館には使えませんよね。
企画展フリーの美術館で「どこの美術館でも使える券」というのを「ぐるっとパス」の中に二三枚作ってほしいって、ないものねだりか。