だらだら日記goo編

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気さくなのは良いのですが

2005-08-06 23:41:00 | アート・文化
渋谷区松涛美術館に和田義彦の展覧会を観にいく。
今日画家自身のギャラリーガイドがあることはパンフレットで知っていた、しかし造園業者が庭の手入れにきたので、ある程度見届けなければならず、ギャラリーガイドには間に合わなかった。
しかし画家自身がまだサロンでお客さんとお茶を飲んでおり、ずいぶん気さくな方のようだ、好感が持てる。
で、この画家、イタリアやスペインで古典絵画に学んだそうで、ルーベンスやらベラスケスやらの模写も展示される。
その古典絵画を現代に受け継ぐ人のようで、それにはいい面と悪い面が出る。
たとえば「戦火の子どもたち」2003など、まるで子どもを抱く聖母のようで印象に残る。
しかし現代の女性を描いた絵画はいかがか。
「悪徳の囁き」やら「ポーズする女性」やら「青い部屋」やらいろいろあるが、あまりに陰影に乏しい。
退廃的なものを描きつつ、あまりに古典的で明るすぎる。精神性に乏しいともいえる。
アメリカで国吉が描いた女性像とは対照的だ。
この画家はさいきん東洋にも関心を向けてきたようだ。
森村誠一の挿絵やら、2005「ヴェニス」の暗い色調にそれは現れている。
まだ六十台の半ばの若い画家だ、これからどう変化するか興味がある。
「変化し続けることが最も重要」とこの画家が言うように、西洋を基調にして東洋を取り込んだときどんな世界が生まれるかーそして又この画家の気さくさも失ってほしくないものだ。