昨日は、今年地元の盆栽展で手に入れた3本の株立ち「真柏」の植え替えを行った。
展示会の即売会などで購入した盆栽素材は、見た目は恰好のいいものが多いが、肝心の根張りがしっかりできていない場合が多い。
しかもこの根張りは一部は見えるが、大抵土の中なので、購入後でなければ確認できない、一種の賭けとでもいうものでもある。
それでも、何とか想像力を豊かにし、根周りの様子などから大丈夫と思われたので購入。
今回、根張りを確認しながらの植え替えをした。
【写真↓:購入した真柏】
小ぶりの鉢に入っていたので、鉢を大きいものにする。
インターネットオークションで購入の丸鉢。今回の真伯には少し大きいが、当分観賞用にはならないので体裁は無視。
準備として底穴にネットを取りつけ、固定用の針金を出しておく。
【写真↓:準備後の鉢】
根の様子は、真柏特有の細かい根が密集。良好な生育ぶりを示すが、完全に根が鉢全体に行き渡っていなかった。
ということは、おそらく生育用の鉢から化粧鉢に移してしばらく育て、販売用としたのだろう。
でも、元気が良ければそれでいい。
ここからが、育てる楽しさである。
【写真↓:鉢から取り出した根の様子】
次に、根を少しずつほぐしながら、中心部分の様子を探る。しかし、簡単にほぐれるので、やはり植え替えて間もない素材であることが分かる。
【写真↓:専用の道具で丁寧に根をほぐす。】
ほぐした根を少しずつ切り、根周りを小さいものにする。
特に、幹の真下の部分は薄くする。
素材の固定は、一般的には鉢の底から出してきた針金同士を根の上で結び、固く締めて定着させる方法がある。
この方法は簡単で、またしめつけが強くできるメリットがある。しかし、一方、この場合だと針金が目立つ、締め付け方によっては、根の育成に影響が出る、というデメリットも。
他にも針金を結ぶのではなく先端を曲げて根に食い込ませて固定するなどいろいろあり、その根の状態、素材の大きさなどによって方法を選ぶ。
今回は、根張り部分がしっかりしているので、素材の固定に杭(専門用語は知らない)を使うこととした。
事前に竹箸を適当な長さに切り、それをグラインダー(ナイフで削ってもいいのだが、この方法が早いので)で 先を削る。また頭は、針金を止めやすいように少し溝を作っておく。
【写真↓:杭のミニ版である。】
その杭を、しっかりとした根の部分に打ち込み、少し頭を出しておく。
今回3か所に打つ。
【写真↓:少し斜めに打ちこんだ杭】
少し頭を出したところに針金をしっかりと結ぶ。
【写真↓:針金を結んだ後、最後頭を土の中まで打ちつける】
【写真↓:その後は、土を密集させ固めるために棒や割りばしなどで突く。特に根の下は十分に】
【写真↓:その後さらに土を固定させるため、上から押さえる。道具は、スプーンを平らにした手作り品】
【写真↓:最後はけで表面をならし終了】
打った杭は、しばらくすると土の色になり、目立たなくなる。最後根張り部分の交錯する根などを処理。
【写真↓:交錯していた根(浮いている部分)を切る。】