温故知新No2

静岡県の牧之原市から、盆栽、野球審判、蕎麦打ち、おやじバンド、その他徒然なるままに、ブログしています。

盆栽教室No10

2006-12-03 21:57:41 | 盆栽教室

「五葉松の針金掛け」

盆栽教室も、立派な教材を持つと本格的な感じになる。

http://blog.goo.ne.jp/oishi21/d/20061123

(写真;教室に持っていく直前の五葉松。そのままでも、立派に床の間における体裁をすでに持っている。)

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今回の教室は、五葉松の針金がけ。

まだまだ講師に任せっきりで、枝を切るも、針金がけをするも、手も足も出ない。

講師は、簡単に(そう見える。)余分な枝を切っていくが、こちらは、何で今の枝を切ったのか、と不思議に思うときがある。この時、今後のためと、理由を聞くのだが、講師は、丁寧に教えてくれる。

この辺が、単なる講義の教室ではなく、実践盆栽教室。

なかでも、今ある立派な枝を根元からいともたやすく切るときがある。

そして横の、か細い枝を指しながら、将来はこの枝が主幹となるという。

今の私では、これは理解できない。

したがって、いまの私の目利きでは、おおよそ結末が想像でき、将来の大事な枝をきっと切り取ってしまう。そして、見た目立派であるが、将来的には不要な枝を、さぞ、後生大事に取り残しておくだろう。

せっかく大事に講師が30年来育ててくれた五葉松が、生きるか死ぬかの問題である。

また、今の時期は、松は針金掛けの時期だそうだ。

太い幹には3.5mm、中くらいは2.5mm、細い枝は1から1.5mmの針金(アルミ製)を使う。

針金はアルミでできているので、簡単に曲げられる。また太さももっと種類があるようだが、素人はこの3種類で作業が十分できるようだ。

剪定と同様、講師は、この針金掛けも簡単そうにやっている。

主なところは、講師がやっていただき、わずかな残りを私たちの実習用に残してくれる。

しかしとにかく丁寧だ。主幹からでる親枝を太い針金で体裁を整えることはもちろんであるが、子枝、そして末端の孫枝もすべて丁寧に針金をかける。

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(写真:小さな若い先端の枝までも丁寧に針金を巻く。)

講師は、太い針金も、細い針金も、同じような力加減で枝に巻きつける。そしてあと、上へ下へ、左右へと枝の成長を調整する。

盆栽教室では、実際に手で作業をすることを期待し、また、講師は、できる限り、新人にも手をかけさせるよう作業を残している。

しかし、針金で枝を巻くことは、大変難しく、なかなか上手く巻けない。

とにかく、こちらは素人。太い枝の部分なら、何とか度胸で巻けるが、先の小さい枝を細い針金で巻くこと自体が、大変困難である。

枝を折らないように、2、3本重なる未熟な枝を痛めないよう、松葉を挟まないようおっかなびっくりやっているので、とにかく時間がかかる。

植物は大抵そうだが、太陽に向かって枝、葉が伸びてゆく。

五葉松も同じで、放っておくと枝が空にむかって曲がりだす。

しかし五葉松の理想的な姿は、枝が下がり気味で、わずか先端だけは、上に向ける。

自然ではこのような体裁はできないので、針金で形を整えるのである。

そしてこの針金で整えた状態を1年ほど放置し、枝がこちらの思うように成長し、理想的な姿となっていく。

ただ、また、新たな枝が勢いをつけ伸びたいように成長するので、また、その時は新たな針金掛けを行うこととなる。

(写真:枝を剪定し、針金掛けを終えた五葉松)

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コメント
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