小豆博士の別名を持つ北海道十勝農業試験場の
主任研究員（農学博士）、加藤淳氏の豆についての
お話を聞く機会があった。豆は日本の食文化の重要な
担い手であると同時に栄養、健康機能でも優れた食材で
国産豆類の多くは十勝で栽培されている。
特に興味深かったのは小豆には抜群のアミノ酸バランス、
ずば抜けて高いポリフェノールが含まれ赤ワインの2倍にも
なるという。そして煮汁にはポリフェノールが多く茹で汁を
何度も捨てることは栄養分を損なう事になると。
我が家の食品庫にはたっぷり豆類がストックされている。
小豆の茹で汁も丸ごと頂けるぜんざいは何よりの
健康食かもしれない。茹で汁を使うお赤飯も先人の知恵
として伝えていかなければならない。
イタリア、フィレンツェに世界最古の薬局があり
数年前銀座にアロマや化粧品の路面店が出来た。
その後銀座コマツにはちみつとハーブのカフェが
出来、一度だけ娘とお茶したことがある。
その3号店が京都に町屋を改装したリストランテとして
オープン。雑誌に掲載され一度行きたいと思っていた。
京都大丸に隣接する東洞院通りに
サンタマリアノヴェッラのブティックとリストランテがあり
当日予約で京野菜イタリアンを味わう事が出来た。
さすが薬局ベースだけあってメニューには
食べ物の熱、温、平、涼、寒の五性を健康維持に必要な
陰陽のバランスを考え献立を作ると記されている。
6000円のコースは5皿にデザート、ハーブティー、チョコレート
畑で見てきた京野菜やパスタ、ズワイガニ、アナゴ等
面白い組み合わせの料理に満足感一杯。
イタリア語の飛び交う店内はシックで落ち着いている。
食べ切れなかったチョコレートと焼き菓子は素敵な袋に
入れて持ち帰りOK。親切なスタッフのお陰で
ベジフルツアー最善の形で締めくくりが出来た。
京野菜の講習会後サンプルとして並べられた野菜を
少しずつ分けて頂いた。今日はそれらの野菜を使って
料理に挑戦。海老芋は一度蒸してから出汁で煮含めた。
思ったより火の通りが早く扱いやすい素材だった。
大根、人参どれも甘く存在感のある味だったが
中でも九条ネギは惚れ惚れする美味しさだ。
ネギに感激するのは下仁田ネギ以来。ずんぐりした形状とは
対称的にスリムで色白、葉の部分は深い緑で柔らかい。
京都らしい食べ方としてネギうどんが浮かびお昼に
油揚げとたっぷりのネギを入れ関西風の出汁で
煮込むこと5分。ネギは発汗作用や消化液の分泌を促す
働きがあり薬味としても欠かす事は出来ない。
九条ネギはそれだけでも食べ応えのある代表的京野菜だ。
京野菜にどっぷりと浸るツアーに参加してきた。
実際は京都駅集合の1泊2日だが移動日を含めると
3泊4日になった。しかも24日は爆弾低気圧の影響で
千歳空港で3時間足止め。欠航にならないだけ良かった。
今回の目玉は食と開発、流通の現場を視察出来る事。
亀岡市にある農業研究所では伝統野菜の原種保存や
新品種育成、養液栽培技術、特産野菜の安定生産技術等
多岐にわたって研究されている。京都特産の水菜の
品質向上試験や養液栽培のトマト他普段目にすることの
出来ないものを講義と共に見ることが出来た。
京野菜のブランドが確立され高値で取引される理由も
わかった。一つのブランドが認知されるまでは
生産者、研究者、流通、料理人と過程を経ている。
たまに帯広のデパ地下で京野菜を見ることがあるが
余りに高くて手が出なかった。でも今回の研修旅行で
京野菜がいとしくなり魅力にもはまった。
少し頂いてきた海老芋、京人参、水菜を大事に
料理に使っていこう。
古都で雅なベジフルライフ～京野菜の開発現場から流通～
と題した研修ツアーが企画された。以前から京野菜に
関心があったのでスケジュール調整して参加する事にした。
申し込みが締め切り直前だったのと旅行会社からの連絡が
連休明けと重なり飛行機を手配しようとしたら伊丹便は満席。
関空から京都は遠いなとタイムテーブルと路線図を見ながら
神戸空港に気付いた。
大阪線は伊丹、関空、神戸の三角形で選択出来るのだ。
神戸空港⇔三宮はポートライナーで18分。
京野菜のついでに神戸散策でもと思いついたのはいいが
明日の天気予報は北日本は大荒れ、大雪。
まずは飛行機が正常運航されるか心配になってきた。
京都迄も東海道本線快速利用だと1時間で1000円程度。
