写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

もろぶた

2004年12月31日 | 生活・ニュース
 昨日30日、餅をついた。29日には、餅はつかないことにしている。一晩水に浸して置いたもち米は、機械に入れ50分経てば餅になる。餅とり粉を薄くまいた「もろぶた」の上で、手で丸めて大小の鏡餅にした。

 「もろぶた」・・・懐かしい言葉だ。年に一度、年末に出てくる名詞だ。子供の頃、近所の数軒が臼のある我が家に集まり、餅つきをした。

 かまどの蒸篭で蒸した米を、大人に混じって杵でついた。丸めた餅を、時々口に運びながら「もろぶた」に並べ重ねていった。

 今ある「もろぶた」は、この時のものである。もう、僅か4箱しか残っていない。薄い板がやせている。木釘も折れているものがある。

 年が明けたら、手直しして大事に使おう。この「もろぶた」を見ていると、何故か心温かくなれるから。
   (写真は、古い「もろぶた」)