写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

会社解散

2004年12月30日 | 生活・ニュース
 1999年の今日、その全てが完了した。

 ある地方都市に従業員85人の子会社があった。そこへある日突然飛び込み、1年かけて会社を解散・整理する仕事をした。

 40年近く営業を続けた会社なので、古くからの顧客も協力会社もあり、そして何よりもそこには、永年勤続した多くの社員がいた。

 晴天の霹靂・寝耳に水の社員全員と何度も面接し、理解を求めると共に、彼らのその後の仕事の斡旋に奔走した。

 どんなに走り回っても、ほんの一部の者しか再就職は出来ないまま、重苦しい年の瀬を送った。果たすべき親会社の責任は何だったのか。

 果たさなかった責任の付けは、哀れにも、放任され・甘やかされた者にいつか必ずはね返る。

 親と子、私が子に対して果たすべき責任は果たしたのかを、帰省した息子の横顔を見ながらもう一度考えてみた。
   (写真は、自作の小説「会社解散」)