写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

数毒?

2018年11月07日 | 生活・ニュース

 毎日新聞を購読しているが、数年前から社会面の右上に「数独」の問題が毎日出されている。数独とは、パズルの一種で、9列9段のマス目を3列3段のブロックに分け、各列・各段・各ブロックに1から9までの数字を重複しないように入れていく頭の遊びである。

 当初は「初級」と書いた、初級者向けのものが出されていた。掲載が始まってから毎朝、この数独をやるのを楽しみにしていた。初級は少し簡単すぎるような気がし始めたころ、週に2回「中級」が出されるようになった。これは少し手ごたえはあるが、慣れてくると毎回解くことができるようになっている。

 一度だけ、「上級」というのが出されたことがあったが、これさえも、時間はかかったが解くことができた。それに気をよくして、ネットで「無料数独」というものを見つけて、「上級」をやってみるが、これは解けない問題が多い。「最上級」というものもあり、数独の奥は深い。

 私が朝から楽しそうに数独をやっているのを見ていた奥さんが「頭の体操のつもりで私もやってみよう」と言い出し、1か月前から毎朝数独をやり始めた。初心者としてのテクニックを2、3教えたが、その後は「初級」の問題は確実に解けるようになっている。

 ところが「中級」となると、1人では中々解けない。ヒントを出すと、その個所だけは解けるが、そこから先がまた解けない。「中級」では、周辺を全方位的に見ながら考えていかないと答えは見つからないが、それが面白い。

 かくして奥さんと2人、毎朝、新聞掲載の数独の問題に、お互いが無言で取り組んでいる。他人から見ると、まさに数独の問題に毒されているように見えるかもしれない。ひょっとすると「数独」とは、正しくは「数毒」と書くのかもしれないとさえ思っている。