写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

釣り紀行

2008年10月04日 | スポーツ・山登り・釣り・遊び
 「じゃぁ、明日の朝5時50分、家の前で待ってるから、頼むな」。友から電話がかかってきた。

 久しぶりに釣りに行く誘いの電話であった。年に2~3回、男女の幼馴染を集めてアジ釣りに連れて行ってくれる。

 男4人、女2人が夜の明けたばかりのコンビニの前に集合した。車3台に分乗して柳井港に向かった。昇ったばかりの朝日が赤く大きい。

 世話役が漁船を段取りしておいてくれて、着くと直ぐに沖合の防波堤まで運んでくれる。時計を見ると7時半。2時に迎えに来るよう頼むと船は引き返して行った。

 格好だけはベテラン釣り師。本当の釣り師の指導で各人が釣り場を確保した。オキアミをかごに入れては投げることの繰り返し。

 都度、十数センチ大の小アジが2~3匹ずつかかるが、納得できる大きさのものは滅多にかからない。

 数だけはたくさん釣り上げたところで弁当だ。残り2時間となったころ、釣り師が私の竿の浮き下の長さを調整してくれた。

 満潮になり水深が深くなったのに応じて、浮き下を長くしてくれた。それを機に、釣れるアジの大きさが小アジから中アジに変わった。

 これなら胸を張って帰れる。三枚におろしての刺身にもできる。大きさも数も満足できた頃、迎えの船がやってきて納竿となった。

 仲間のどのクーラーをのぞいて見てもアジで一杯だ。晩のおかずは刺身とから揚げ、それとも塩焼きか。

 家に着くや、身体中から発するオキアミの臭いをシャワーで落とすとき、腕や太ももが痛い。日ごろの運動不足を痛感する。

 早めの夕食、新鮮なアジを食べていると、日ごろは必ず残る350ccの缶ビールが、いつの間にか空になっていた。

 それもあってか眠たくなった。そう言えば朝も早かった。それ以上に、遠足の前の晩のように熟睡もできなかった。

 その日はいつになく、7時すぎには高いびきであった。英気を養うとは、えー気(いい気分)になることか? 釣果よりも仲間との触れ合いが楽しかった秋の1日の夢を見た。
(写真は、柳井までの海岸から見た「初日の出?」)