写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

スピードメーター

2007年09月25日 | 車・ペット
 15年前、横浜に住んでいる時に買ったミニバイクを持っている。古いバイクだが前輪にはディスクブレーキを装備した高級なものだ。

 岩国に帰って来てからは、車があり自転車もあるのでほとんど乗ることはない。しかし、道が狭く車で行けないような所には、このバイクに乗っていくことはあった。

 1年も前であったろうか、ハンドルの右に付いているアクセルが固くなり、回しにくくなった。分解してみるとケーブルが錆びて固着していたので、部品を注文して自分で交換した。

 ところが先日、久しぶりに乗ってみると、スピードメーターが0を指したまま全く動かない。スピードが出せるバイクではないが、自分が走っていてスピードが分からないというのは何だか気持ちが悪い。

 またバイクを分解してみた。スピードメーターのケーブルを外してみると錆びて切れている。近くのバイク屋に行き、型式を伝えると倉庫から出してくれた。960円を払って買って帰った。

 取替え作業は順調に進んだ。ばらした逆の順番でボルトやビスを締め付け組み立てを終えた。と思ったが、小さなビスが2本残っていた。もう1度全部をばらしてみると、締めていないところが見つかった。

 やっと作業のすべてを終えて試運転だ。家から出て、山沿いの裏道を走ってみると、スピードメーターはちゃんと針を動かしてくれている。大したことではないが、自分でやったという小さな満足感を味わいながらUターンして家に戻った。

 今日も一つ、壊れたものの再生をした。私は壊れたものがあると聞くと、何故か元気が出てくる。1度は直すことに挑戦してみる性癖があるからだ。

 そうは言っても、体型と性格ばかりは簡単には直らないことは、よ~く知っている。しかしこれは、壊れているわけではなく、少し異常なだけだから直す必要はないと言うことか……。
 (写真は、修理途中の「ミニバイク」)