写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

床下点検口

2007年09月04日 | 木工・細工・DIY
 10年も前、業者の勧誘に乗って、床下のシロアリの点検と防除の薬液を散布してもらった。それ以来、毎年1回、和室の畳を1枚上げて私は床下に潜り、根太や垂木その支柱に異常がないかを点検している。

 今年もこの暑い中、長袖の作業着を着て点検を行ったが、通風口からの風通しはよく、床下は乾燥していて特に問題はないことが確認された。しかし、一つ問題があった。

 床下の高さは80cmあるが、床下全域を腰をかがめて歩き回るのは苦しくて大変である。何かと問題が起きやすい台所や洗面所辺りの床下は、時には簡単に点検してみたいと思っている。しかし、床下への入り口がある和室からは遠いところにあるため、そんなことは簡単には出来ない。

 つい先日、食器洗い機を取り替えた折、その排水管を床下に潜って自分で取り替えた。高温の排水も出るし、眼の届かない床下配管のことが気になっていた。妻からの要望もあり、思い立って台所に床下点検口を取り付けることにした。

 いつものようにインターネットで「床下点検口」という、松下電工製のアルミ製の枠を購入した。床下の構造を把握し、設計図を引いた。必要な角材を買ってきた。

 設置するフローリングの床板に、図面通りマジックで線を引き、いよいよ電動ノコで切り抜く段になった。「本当にここを切ってもいいのかな」と思いながらも、やるしかない。電動ノコが回転し始めた。

 4角く切り終えた時、その部分が下に抜け暗い床下が見えるようになった。穴開けはまずは成功だ。外枠を支持する垂木を根太に打ちつけ固定する。切り取ったふた板は、一回り小さく切ってアルミ枠にはめ込んで取っ手を組み込む。5時間かけて無事完成だ。

 氷水を補給しながら一心にしたせいか、それほどの暑さは感じない。出来上がった点検口を何度も開けては閉めてみる。毎日床下に用事があるわけではないが、しばらくは1日に1回は覗いてみるに違いない。

 ただ床下を点検をするだけではもったいない。床下に下りてみると随分涼しい風が吹いている。そうだ、来年からは真夏にボンボンベッドでも持ち込んで、避暑でもするのがいいかもしれない。それとも、手持ちの金の延べ棒でも隠しておく場所にするか。使い道はいろいろありそうだ。
 (写真は、奮闘して出来上がった「床下点検口」)