都/京まつたけ10本発生!! まつたけ山復活させ隊アカマツ林に初シロ形成!! 無から有が生ずる!
ついに11本となる、11月4日
新たに発見された京まつたけ
マツタケの林地栽培を考えるとき、マツタケ発生整備作業を実施せねばならない.と一口にいうが、細かく見ると、対象とする山の個性、状態は多様で作業方法も自ずと多様である.その選択を間違えると、作業を済ませたが、いつまで経ってもマツタケが発生しないことになる.作業内容決定にはアカマツ林の適地判定が肝要である.
適地判定のこつは至って簡単で、マツタケに聞くことである.マツタケ発生の様子を知ることから始まる.詳しくは、このブログの左側にブックマークがあり、そこにマツタケ山づくりの教科書を紹介しているのでそれを参考にされることを薦めます.
この2-3年の間に、1本でもマツタケの発生がある林は、小さな「有」、山の面積1ha当たり20kgは取れるという山は大きな「有」、対象林を皆伐しアカマツ林を再生する必要がある林は「無」である.有の林を有にすることは簡単である.通常の整備作業でよい.しかし作業による生物的・化学的・物理的変化の強さを考慮せねばならない.
昔よく言われたことだが「欲に目がくらんで」一気に理想的な林づくりをすると山の環境ががらりと変わってマツタケの発生が止まるのである.悪いことに永久に止まってしうことが多い.穏やかに数年掛けて林を改善するとそんなことは起こらない.
無から有を創り出す作業の難しさは、生態系の要素が時間と共に変化することを意識せねばならないことだ.それとの戦いをせまられる.生態学的に深くフィールドを見ないとこの意味は理解しにくく、林家に単に重荷を押しつけることになるだけだろう.今回、マツタケ未発生地であった山に新しくシロが形成されたが、有から有の作業とは決定的に違う意味合いがあり尚且つ意義があると思っている.それを成し遂げたまつたけ山復活させ隊メンバーに深く敬意を表したい.
野外で、マツタケ子実体の形態形成を観察するだけでは、要因解析は想像の域を出ないことが多く隔靴掻痒で歯がゆい.早く実験室内で子実体ができ、その生理的な面など作用機作が解明されることを望む.そうなると、人工栽培でなくマツタケの林地栽培がもてはやされる時代がかならずやって来る.
マツタケ子実体の発生機序をしるためには、その要因群の多変量解析をせねばならない.今までは、マツタケ発生フィールドがなくどうしようもなかったが、これからは、データが蓄積され解析ができるようになるのが楽しみである.
その要因はもちろん様々だが、一番面倒で抜けていることは、適正なアカマツ林という要因の内、シロ近辺の微生物の挙動である.悪玉のカビ・きのこ・細菌などがそこに増殖するとマツタケのシロが必ず疲弊する.もちろん善玉菌もいます.
でも取り敢えず、適正なアカマツ林という要因が備わっていると仮定の上、地温や降水量の役割を考えたい.そこで、まつたけの発生量と地温・雨の役割解析を試みましょう.
ということで、まずは、香川山の地温と降水量(これは問題だが、京都気象台の雨量データで代替)とマツタケ発生量を図化します.解析は、皆さんで試みてください.これらの図は、右クリック、コピーしてPaintに貼り付けると大きくご覧頂けます(Windows Machine).長期間のデータを解析すると、原因-結果がうまくフィットしないことが出てきます.適正なアカマツ林という要因をネグレクトしていることが反映されるからでしょう.
秋では、地温が19℃ラインを上からよぎる瞬間に、栄養成長から生殖成長に代謝が切り替わります.そのスイッチは半日以内(?)に19℃ラインを瞬間でも上回ると外れる.原基形成刺激はなくなりシロダメージはないと仮定.生殖生長にスイッチが入って子実体原基が生長を始めて2日も連続(?)で19℃ラインを上回ると原基生長の高温障害が起こる.
同じ原基形成刺激温度に感受性を持つシロの菌根集団(部分)は、一斉に原基を形成する.通常その中の1つが大きく生長するが、条件がよければマツタケ子実体がV字型やW字型に発生する.温度が高いと(こんな時は晴天で雨もないのが普通)、地上に頭を出しても生長は止まって小さく傘を開くことも多い.温度が下がるにつれて、活性の高いシロでは次々と異なる部位が原基を形成する.一つのシロで、次々とマツタケの発生が楽しめる.
香川山の地温(主軸;左)と雨や発生量(第2軸;右)の変化は以下の通りです.
図 1は、8日から14日までの様子です.雨量データは、9日に7.5mm、マツタケの発生は0です.
図 2は、14日から発生初日の22日までです.雨量は17日に39mm、19日に0.5mm、マツタケの発生は22日に2本です.
図 3は、22日から28日までです.発生は26日と28日にそれぞれ1本と7本です.
図 1. 香川山地温データ 8日から14日
図2. 香川山データ 14日から22日
図3. 香川山データ 22日から28日
お試し頂けましたか? 結果を教えてください.マツタケが沢山取れるようにといろんな試みがありますが、こんなことを考えていなかった1930年代には、7500t/年も発生していたのです.単位面積当たりの発生量が、今では理想的という手入れ林でも半分に落ちています(本当かどうか?).ひたすら里山林を利用する「なにか」を生み出すことが一番ではないでしょうか!!
11月5日(土)は561回活動日です.京都造形芸術大学 環境学B受講生34名がマツタケ山づくりを体験します.小雨決行です.午前10時15分ごろ香川山到着の予定です.参加者の皆さんには受講生の指導をよろしくお願いします.
午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい. 活動報告は池内 正憲さんで久々の担当です.当日夜、ブログを是非ご覧ください.
【お知らせ】
(1)11月1日(火) 朝日新聞朝刊 京都版/web版にも掲載 京まつたけ発生の紹介
(2)11月2日(水) まつたけ山復活させ隊試験林イワタ山 発生整備作業 実施
胞子播種用に2本、残りは5日に参加者の吸い物に供するとのこと.喜びますよ、感謝です!! 皆さんお疲れ様でした.
(3)11月5日(土) 京都造形芸術大学 環境学受講生34名 マツタケ山づくり体験入隊
(4)11月10日(木)17:00~17:30 ならどっとFM 今年のマツタケの話
(5)11月12日(土)午前9:30~55 テレビ朝日(首都圏のみ) 食彩の王国 テーマ食材は松茸
(6)11月16日(水)マツタケの林地栽培 講演会 14:30-17:00
主催:韓国 慶尚北道 盈徳郡庁 (社)松保護市民連帯 大邱韓医大山林造景学科
会場:盈徳郡庁
演題:1.マツタケの林地栽培の基礎と実際 吉村 文彦
2.日本のアカマツ林の現況 趙 庸祺
(7)12月6日(火) 篠山市日置 古坂峠付近マ発生林 マツタケ山適地判定・作業応援 参加者募集 詳細は後ほど.
【まつたけ山復活させ隊の心得】
悔いの残らないようにするには!
1.あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!
2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.
3.掛かり木の処理で死亡者が続出だそうです.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生.作業は慎重に!
4.急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.切り株を残さないように地際から伐りましょう!
5.マダニ対策の徹底を! 脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう!
イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性脳炎症(フラビウイルス)も日本に存在する(8月13日北海道で死者).
6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.
7.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.
8.使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶の放置がときどき起こります.元に格納すること.
【まつたけ山復活させ隊とは!】
座して森と同化せよ
ほんの5分間
座って森に同化し
森の静寂に耳を傾ける.
木々の音、落葉を歩く虫の音、小鳥の会話.
森を理解するには
森と一体化すること、
森に抱かれること、体感すること!
Wilhelm Stölb
デュッセルドルフ 1954年生まれ .ミュンヘン大学で森林科学を研究
フリーランスのライター、林業の専門家、写真家、画家として活動
我々まつたけ山復活させ隊の仲間には、山づくりをする人、資材等を運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人などがいる.作業内容を固定せず、気づいた人が仲間を集い作業をこなしています(原則).すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.
活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.
参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用者(あの人たちは何しに来ているのか?といぶかる参加者を指す)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持つことが必須だ.
参加を誘う場合には、そこの所を踏まえて欲しい.また、初めての人にきちんと氏名と参加目的をみんなにコアタイム時に話すように教えるべきである.挨拶もできない大人になることを恐れもする.
これを怠ると一体感が希薄になって、まつたけ山復活させ隊の堕落に繋がる.ひいてはこの活動の存続に関わる恐れがあるとまつたけ山復活させ隊各自の自覚が欲しい.意識改革されることを強く期待する.
まつたけ山復活させ隊活動日
活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは500円(施設利用代などを含む).
§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について
§1 我々のまつたけ山再生運動とは?
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています!
§5 今年の予定と目標?
回 開催日 報告担当者 男厨シェフ 特別企画 体験参加
561 11月05日(土) 池内 京都造形芸術大学 環境学受講生
562 11月11日(金) 宮崎 内田+榎本班
563 11月19日(土) 内田
564 11月25日(金) 榎本 JIDF ラボ 12回 通常作業体験
565 12月03日(土) 三輪
566 12月09日(金) 宮崎 松本
567 12月17日(土) 池内
568 2017年1月7日(土)榎本
§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
§カンパありがとう!
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
カンパの振込先
氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173
§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
香川理化学研究所(香川山オーナー)
代表 香川 晴男
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます