まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1379 2016年~2018年のマツタケ発生量の考察

2019年01月14日 |  マツタケの林地栽培 

1月19日(土)は、第668回例会活動日です.参加に際しては、寒さ対策はしっかりと致しましょう!! 京都市左京区岩倉村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、池内 正憲さんです.当日夜、是非ご覧ください.

前回活動日に、2018年12月の香川山温度データを回収した.この1年間の気温、地温、降水量(京都気象台アメダスデータを援用)と2016年~2018年の香川山のマツタケ発生状況を眺めてみました.
 
 マツタケ発生量を決める因子はいくつかあって、ホスト林の状態を当然考慮せねばならない(このことを忘れている生産者が多い).しかし、今年のマツタケ発生量は、当然のことながら、二つの因子で決まる.シロ生長量と発生期の気象である.シロ生長に関してはホストの根と菌糸の伸びに影響を持つ雨と温度である、また、子実体生長については発生期の温度・雨に影響される.

 詰まるところ、気温と雨ではないか! そうです、が、その状態が大切と言える.一口に雨といっても多ければ良いというわけでなく、その降り方や時期、土壌の水分保持能などで変化する、また、温度(地温)も測定位置の土壌水分量、立木の陰の状態によっても変わり、地温上昇による高温障害も温度上昇回数/時期・期間に影響を受ける.これらの影響の程度の理解は難しい.細かくは、菌床栽培が実現するまでお預けである.
 
 近代的マツタケ学研究の祖濱田 稔先生一門に集積したデータをみると、マツタケの発生は、西日本では、シロの栄養成長期にあたる菌根形成最盛期・梅雨頃の雨量・温度とシロの生殖成長期・子実体発生期の地温・雨量が大きく影響するとみて間違いはない.

 そこで、京都岩倉・香川山にマツタケが40-50年ぶりに復活発生をみたが、たった3年のため、発生の傾向をいうにはデータが足らない.でも2016-2018年の発生量と地温・雨との関係の考察(概要)にもそれなりの意味があるだろう.

 図1は、香川山のマツタケ発生状況である.2016年では、シロ数は5つであるが(特定は仮)、10月22日に2本の発生、11月16日が最後の発生で1本、計13本.2017年は10月27日にNo.5のシロに192gの大物が1本で終了.昨年2018年は10月16日にシロ1に3本であった.

図 1. 京都岩倉香川山における京まつたけの発生状況(2016-2018)

 2016年に13本、17年に1本、18年は3本の発生と上述の因子との“関係性”を眺めてみます.図2をご覧下さい.マツタケが発生した調査年月の旬別の降水量・降り方、その秋、始めて地温が19℃を下回ったあと、子実体原基が生長中、地温が19℃を上回り高温障害発生回数と6月7月の降水量の平年比(%)を示している.但し、雨に関しては京都気象台のデータである(香川山からおよそ直線距離10km離れ、岩倉のものではない).
 2016年には、マイナス要因として、10月中旬に4回の高温障害発生.
 2017年には、梅雨頃の降水量が平年の82%(赤字で示す)と低くシロ生長量に問題があったと思える.また、9月4回、10月に4回の温度障害を受けている.【シロの菌根は一度ダメージを受けるとその部分は死んでしまう】
 2018年には、10月16日、シロNo.1に3本の発生であった.図2をみると、10月の降水量が35.5mm(赤字)で、これは平年比29.4%に過ぎない.おまけに高温障害が10月に6回も生じている.これでは、生き残った(影響を受けなかった)原基も生長しないで土の中でしぼんでしまったろう.

図 2. マツタケ発生に影響する因子群.

赤字は、マイナス要因群である.2016年以外には、11月のデータがないが、年ごとにそれほど違いがなくしかもマツタケの発生がないので載せていない.

 まつたけ山復活させ隊各班のマツタケ山づくりは、細かくは色々あるだろうが、着々と進んでいると思っている.どのあたりから、香川山に次いでマツタケの発生があるだろうか、興味が尽きない.ホストアカマツ林の樹齢が5年生で、マツタケの発生をみた例がある.


【お知らせ】

里山林再生実践グループとの交流会 
○滋賀県彦根 荒神山 松茸復活プロジェクトとの交流会 まつたけ山復活させ隊メンバーの参加を要請されています.
 2019年3月23日(土) 作業エリア診断と意見交換会 詳細は未定


【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さと寒さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでチェーンソー作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.家庭廃棄物無断持ち込みは厳禁(問い合わせは吉村へ).
 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 
 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者  男厨シェフ   特別企画 

668 01月19日(土) 池内
669 01月25日(金) 内田    川崎
670 02月02日(土) 三輪
671 02月08日(金) 宮崎
672 02月16日(土) 池内
673 02月22日(金) 内田    松本
674 03月02日(土) 池内
675 03月08日(金) 三輪
676 03月16日(土) 宮崎
677 03月22日(金) 吉村
678 03月30日(土) 内田    松浦


 なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.ご了解下さい!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉 村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折は行き過ぎです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

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§カンパありがとう!
 
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

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