まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1342  岩泉松茸発生続く! 見てきました.今年は豊作型か? 松茸談義

2018年08月27日 |  マツタケの林地栽培 

8月31日(金)は、第650回記念暑気払いといたします(下記お知らせをご覧下さい).京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.
 山作業の疲れを癒やす昼食づくり.これは、まつたけ山復活させ隊で大変重要なウエイトを占める作業です.祝宴にしようと食当班の提案です.大げさなことは避けて少しリッチな料理に舌鼓を打とうではないかと思います.濱稔の碑に香川山の京マツタケ発生を聴いてみます.岩手県で岩泉マツタケが発生しましたが(写真1、後述)、その賞味は10月6日を予定しています(JIDFラボ共催).岐阜県立森林文化アカデミー教員津田 格さん、他に岐阜県御嵩町から2名の方々も祝宴に参加します.

ある年の暑気払い.仲間の皆さん酒も話しも盛り上がる.

写真 1 岩泉マツタケ 8月22日採取

遊びです.写真1の左から2番目のマツタケの重さです.

写真1の左から4番目は32g

写真1の左から7番目 31gです.ちなみに一番右は、ころで15gでした.

 8月15日1Kg,19日2Kgのマツタケの収穫があったと連絡を受けた.8月発生は時々起こるが、気温の上昇と共に発生が止まり、9月初めに本格的発生が始まり10月初めには終わるというのが、僕がいた1990~2005年の様子であった.しかも「土用」マツタケ(夏マツタケ、梅雨まつたけに近い)でなく秋本番に近いものという.子実体の柄がブヨブヨせずしっかりしている、香りも強い、虫喰いも少ないという.その後の気温等々も、8月発生が続いても良さそうな気温だ.また、前線が南下し秋の気配が続くかも知れない.シーズン終わりの予想なんかできないが、豊作を祈るばかりだ(写真2.岩館勝男氏提供).

写真 2.岩泉マツタケ神社の豊作祈願風景(2018.8.26.岩館勝男さん提供)

 冷夏の年みたいと思った.「よーし見に行こう」と色々用事を済ませて21日に出かけました.写真1は、熊谷正己さん提供で岩泉町安家半城子ものらしい(推測).僕も発生調査に出かけたことがあり、ここは北緯は40°を越え標高は500mほどで、ヤマセにさらされいち早く秋が訪れる地である.雨がなくとも、夜から朝は霧の中に、肌は赤く葉は緑で通直のアカマツがある(写真3).それはそれは美しいアカマツ林で幻想的で東洋の景色そのものであったと記憶する.

写真3. 岩泉町半城子国有林の美しいアカマツ林

 今回は、日程の関係で現地行きは適わなかったが、ホテル龍泉洞愛山の松茸料理を戴いてきた.宿泊者に大変好評という松茸寿司、ご飯、焼き物、吸い物、松茸の粕漬け(僕は味噌漬けが好き)を泉金酒造の松茸酒で賞味した.締めは、岩泉にいた頃から好んでいた、イクラと山芋が載っかった蕎麦である.これも、仕切り直しができ、又一杯という感になる.
 余談だが、ころサイズ(親指ほど)の松茸を、そのまま好みの味噌に一晩漬けおく.翌朝、まつたけご飯と食べるとこれはいける組合せだ(写真4).一度お試し下さい.酒好きには最高、香りはそのまま、歯触りがホンシメジを上回る感触に変化する.この理化学的変化は、なん なんだ.

写真4.まつたけご飯とマツタケの味噌漬け. これはいけます.

 マスメディアに良く聴かれる、「どんな食べ方がすきか?」と.中華料理になるが、干しアワビのスープにホールの松茸が入っている.吉浜アワビとマツタケの産地に住んでいたがまだ見たことがない.一度喰ってみたい.中国で、このような料理をつくれば良いのではないか.松茸の皮をむき、赤トウガラシ、青トウガラシ、ニンニクを入れないとダメという.中国人は、やはり繊細さに欠けるのではないか!

 昔の仲間とのマツタケ談義の中で、驚いたというかこれでいいのかという思いをした.
岩泉町1980年代のマツタケ生産量は2t弱、価格はKg当たり5000円ほどのものであった.僕が、岩泉を去る頃には生産量は3倍、価格は4倍、岩泉マツタケ産業は12倍になったと胸を張ったものだった.
 
 現在のことは、伝聞でしかなく詳細は不明だが、生産量については、研究所の試験林はha当たり100kgを想定して手入れしたが、今50Kg/haになっているそうだ.岩手三陸沿岸はアカマツ林にもマツタケにも、雨の降り方を除けば、向いていると思う.現在手入れの行き届いた良い林でも20Kgのマツタケが採れたら最高の時代だ.量的変化は当然と思うが、驚いたというか怒りに近いものを覚えたのは価格である.
 
 昔、松茸関係者にはニコニコ迎えられるが、生産者以外の人には、「岩泉町に住んでいても、もはや気軽にマツタケがくえなくなった」と叱られたものである.岩泉松茸のブランド化に成功したためである.

 聴いてみると、そんな、生易しいものではなかった.現地で、平均だが、1Kgの松茸は10万円以下では買えないそうだ.なんと90年初めの20倍だ.すると、岩泉マツタケ産業は、生産量5倍、価格20倍、100倍の産業に育ったことになる.これは育ち過ぎではないかと言う思いがある.これでは、今松茸を味わえる人は、鎌倉時代の公家、高級僧侶に匹敵する(この頃から松茸は高級食材である.徒然草118段参照).こんなことでは庶民の松茸離れも進むだろう.その責任は、僕にある. 望むところは、もっと林の手入れが進み沢山マツタケが採れて値段が手頃になることである.
 
【お知らせ】

1)まつたけ山復活させ隊 祝第650回兼暑気払い   参加ご希望の方は、川本さんに「参加希望」と連絡をお願いいたします.
  2005年6月に結成されたまつたけ山復活させ隊(古くはマツタケ十字軍)は、8月31日で第650回の開催になります.
      就きましては、暑気払いを兼ねて祝いたく存じます.すべての関係者の皆様のご出席を乞い願うものであります.
      午前中は、祝宴準備.もしくは山作業並びに濱稔の碑詣でをいたします. 昼食時から「祝いの宴」となります.
【開催日】8月31日(金)例会 
  
【場所】香川山BC
      
   【会費】2000円.酒類は、提供されませんので、必要な方の持ち込みになります.

2)京都園芸倶楽部主催 講演会
【日時】9月27日(木) 午後1時30分~午後3時
【場所】京都府立植物園内 植物園会館2階研修室 70歳以上の方は植物園入園料が無料(氏名・年齢証明証提示)、70歳未満の方は植物園入園    料200円が必要.
【演題と演者】人とアカマツ林とマツタケ -マツタケは林地栽培できる-  吉村 文彦 
       1930年代のマツタケの生産量は7582t/年 、直近の10年間のそれは56t、30年代の実に0.74%に激減である.その原因をマツタ       ケの生理・生態、生息地の問題やアカマツとマツタケの共生関係などから探ると共に、まつたけ山復活させ隊の林地栽培の成功       例を紹介する. 

3)京都御苑きのこ観察会並びに第46回顕微鏡観察会 
【日時】9月30日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時  顕微鏡観察会(於旧閑院宮邸):13:30~15:00
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園です.動物・植物・菌類の採集は禁止されています.
 
【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでこの作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画 

650 08月31日(金) 吉村        暑気払い
651 09月08日(土) 内田
652 09月14日(金) 宮崎
653 09月22日(土) 三輪
654 09月28日(金) 吉村  川崎

 なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折はダメです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

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§カンパありがとう!
 仲間の井村素子さんからカンパを頂戴しました.
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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