まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1296 春です! 今頃、マツタケはどうしているのか!

2018年03月19日 |  マツタケの林地栽培 

3月23日(金)は、628回活動日です.当日は京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告者は、三輪 新造さんです.当日夜、是非ご覧ください.

 大変暖かい、季節は春!です.すると、サクラの開花が挨拶となります.今年の冬は、寒さも厳しく十分な休眠時間が与えられたため、この暖かさで見事な花が見られると期待します.
 
 植物の自発的休眠打破温度は、多くのものでは7℃(0-12℃)くらいらしい.吉良竜夫によれば、植物は5℃以下では基礎代謝能を極端に落とすという.逆に春になり、2月になれば京都辺りではアカマツの根は伸びてくる.いま頃、菌根形成が盛んになる時期だ.

 マツタケ-ホスト(ここではアカマツ)の菌根集団をシロと呼ぶが、その伸びは、秋の収穫量の多寡を決める要因の一つである.写真1は、春、伸長する菌根です.

写真 1.菌根が形成され、その先端はフォーク様に枝分かれが盛ん.

岩泉町で、マツタケのシロを15年間観察し、1年間のマツタケの生活状態をグラフにしました(図2).

図 2.マツタケの生活を、地温とともに見る.

 
 図2をご覧下さい.昨年の冬、地温が5℃を下回るとマツタケの菌糸は代謝能を落とし休眠する.今年の春、5℃を上回ると菌糸の伸長も見られる.休眠の終わりである.地温7℃に至ると、菌根もその増加が目に見える.マツタケ菌糸は、地温が5℃から20℃までは、マツタケの住まいになる空き家の細根とであうと感染し菌根を作る.菌根形成期という.

 次いで、地温が20℃を上回る頃、マツタケ菌糸の至適成長温度(23-25℃)を下回る温度領域であるが、7-8月には岩倉香川山でも地温(地表下10cm)は平均で24℃になっていて、その頃、シロの成長は止まる.おそらくこの頃アカマツ細根の伸長が見られないため、シロの栄養生長が止まり生殖生長への代謝機能が動き出し、シロ成熟期に入る.地温19℃まで続くと考えられる.
 
 秋、肌寒くなる頃、キンモクセイの開花と重なることが多いと思われるが、シロ菌根は、子実体形成期となる.子実体発生である.これは地温が12℃くらいまで続くが、土壌水分も大きな役割を持っている.
 
 地温が12℃を切り、再び5℃にさらされるまで、アカマツ細根の伸長は止まるが、菌糸だけが伸びる.ここで伸びた部分が来年の菌根形成に「種菌」のような役割を持つ.

 1年間のマツタケのシロを、温度変化による様子のみで簡単に見たが、これを毎年繰り返す.当然、少し触れたが、発生量の影響は、雨の降り方・その量が大きく影響をもち、結構複雑である.昨今は、昔 どのくらい?、のように暦通りの季節変化がないと実感するが、事実はどうなんだろう.江戸時代にも天保の飢饉で異常気象に数年間見舞われたときがある.
 
 確かに、秋涼しくなって再び気温が上がる、いわゆる子実体生長障害を来す異常年の連続である.かつては、太平洋側の発生量はいいが、日本海側は良くない、もちろんその逆もある.という風であったが、今は全日本同時に異常が見られる.

 また、気象がまともであっても、生息地アカマツ林が健全でなければマツタケは生活できない、もちろん採れない.マツタケの住まいであるアカマツ(林)が減り、放置され、とてもマツタケとの共生関係を維持できる状態ではない.気象の異常は、ヒト一人では手を出せないが、このアカマツ林の改善は人一人でもできる.若いアカマツ林を取り戻そう!
 
【お知らせ】

1)京都御苑きのこ観察会 老いも若きもきのこを見て驚き感動している!
 日時:4月15日 午前9時30分~12時
 場所:京都御所 堺町休憩所
●参加料は無料
 主催者:京都御苑きのこ会、HP参照下さい. 

2)民族自然誌研究会 第90回例会
 テーマ:【京に田舎あり ― 洛北・岩倉の民族自然誌】
 日時:2018年4月21日(土)10:00-17:00
 場所:京都市立明徳小学校ミーティングルーム集合(京都市左京区岩倉忠在地町)
 

プログラム
エクスカーション(10:00-13:00頃、各自弁当持参、雨天決行)

講演会(13:30-17:00)
13:30-14:20
中村治(大阪府立大学人間社会システム科学研究科)
「岩倉の愛宕燈篭背後の勧請縄」

14:20-15:10
加藤真(京都大学人間・環境学研究科)
「ウグイスカグラの花そよぐ頃:里山の生物多様性と生態系」

15:10-15:20 休憩

15:20-16:10
小椋純一(京都精華大学人文学部)
「岩倉の里山の景観はどのように移り変わってきたのか ― 江戸初期から現代まで」

16:10-17:00 コメント、総合討論

総合討論
司会・コメンテーター:土屋和三(元・龍谷大学文学部)

■参加費:無料

【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加者)は、これを認めない.「香川山に来る」それにプラスする何かがなければならない.それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することである.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).

【まつたけ山復活させ隊の心得】

悔いの残らないようにするには! 

寒さ対策を充分に致しましょう!!

あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでこの作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.用いたコップの後片付けも忘れないように! 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.

【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日     報告担当者 男厨シェフ  特別企画 

629 03月31日(土) 吉村
630 04月06日(金) 内田
631 04月14日(土) 池内
632 04月20日(金) 宮崎     川崎
633 04月28日(土) 三輪
634 05月04日(金) 吉村         JIDF(1/16)
635 05月12日(土) 内田
636 05月18日(金) 宮崎
637 05月26日(土) 三輪     松浦
638 06月01日(金) 吉村
639 06月09日(土) 内田
640 06月15日(金) 宮崎
641 06月23日(土) 三輪
642 06月29日(金) 吉村     松本
643 07月07日(土) 内田
644 07月13日(金) 宮崎
645 07月21日(土) 三輪         JIDF(2/17)
646 07月27日(金) 吉村     内田
647 08月04日(土) 内田
648 08月10日(金) 宮崎
649 08月25日(土) 三輪
650 08月31日(金) 吉村     松本
651 09月08日(土) 内田
652 09月14日(金) 宮崎
653 09月22日(土) 三輪
654 09月28日(金) 吉村     川崎

 なお、やむを得ず担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の取り付け道路(看板)が見えたら左手に大きな駐車場も見える、その北側に道路がある(後400m).住宅地内のその道路に左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.

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§カンパありがとう!
     

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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