まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1077 

2016年01月26日 |  マツタケの林地栽培 

ご連絡

 日本テレビ系列で放映されている「所さんの目がテン」でマツタケの生活する里山づくりが、首都圏では1月31日に放映される.関西では、どうも1週間遅れの2月7日になるらしい.ブログ1月12日版に書いたように、番組制作者がどの程度里山を理解しているか知りたいものだ.

記録的寒波の襲来です.1月25日、我が家付近の外気温の最低は-4.2℃、ちなみに京都気象台(市内中京区)測定では午前2時に-4.1℃を記録.26日以降平年に戻るようです.暖冬の中で記録的な寒波にあうという感覚的理不尽さに驚きます.2月は、再び暖冬に戻り、花粉症に悩むこととなりましょう.

 寒冷地より浅く埋められている当地区水道管は凍結をまぬかれた.皆さんお住まいの地域は如何だったでしょうか? 日常のことどもに充分にお気を付けください!インフルエンザも流行期に、また、おたふくかぜも、大人もかかる、はやる兆しがあるといいます.
 
 生物多様性に心を砕くが故に里山を再生しよう、絶滅が心配されるマツタケの住いを取り戻そうとまつたけ山復活させ隊は活動している.その思いは勢い他の環境問題をも鋭くえぐり出します.その一つに地球規模で見られる気候変動がある.私たちヒトは、それらをどこまで改善できるのか携わることができるのかと悩みます.今年の夏は普通の暑さであって欲しいと願っている.
 
 1月23日、「奈良・人と自然の会(なら山の会)」の新春講演会の講師としてお招きを受けた.まつたけ山復活させ隊の仲間(榎本、大島、猫田、藤井、三品、三輪)も日頃のマツタケ山づくりの経験を生かしたお手伝いが可能と参加させていただいた.

 午前中、JR平城山駅傍に広がる なら山の会のベースキャンプでフィールドの説明と会の足跡などについてレクチャーを受けた(写真1).
 写真1 会の話を伺う.大変寒い!

17haのフィールドは、なんせ古都奈良のことだから昔から里山であったろうし、放置期間も長いためにかアカマツはあってもその林は無いに等しい.周辺にはモチツツジが残っているがコナラ大木を中心とした植相の山に変わり(写真 2)、放棄里山林特徴の一つソヨゴの侵入が目立つ.

写真2 ならガレ防止のためキクイムシトラップが白く見える.

 なら枯れの処理や野菜作り、薪作り作業が意欲的になされているが、新たな里山再生プロジェクトに取組まれるそうだ.奈良高圓山(タカマドヤマ)は日本で一番早くまつたけ狩りをした土地である(万葉集).そのような由緒ある歴史を踏まえ、まほろばまつたけ復活をもくろみ、まずはアカマツ林の再生から始めようとされている.その候補地は2ヶ所である.

 アカマツ林再生候補地の調査の後、昼食が振る舞われ、午後から【万葉の里にまつたけの夢を見る】と題して講演しました.寒い日、会員の皆さんがたくさん出席、色んな質問があり、関心の高さに気持ちも昂揚する.

 800万haある今の“里山林”は、本来多様な生物が住む豊かな生態系であった.里山再生活動は、そのスタイルは色々な取り組みが必要であるが、尾根筋や乾燥地はマツ科植物を育成しそれらと共生するマツタケを生活させる手入れが面白く有意義だ.また、アカマツ大木は、猛禽類などの営巣木として必要なものだ.そんな思いで、まつたけ山復活させ隊は各地に出かけています.

 写真3をご覧下さい.すでにアカマツ林再生を目指してアカマツや若干の中小径木を残した整備が済んでいる.土砂流亡防止の土留めが施されていた.整備エリアをアカマツ林に仕立てるには、一度地掻をするとよいでしょう.5年もすれば背丈を超えるアカマツ林に変わるはずだ.写真3 アカマツ林再生のために整備された.

 次いで見た場所は、フィールド第5と呼ばれる造成地跡で(写真4)、斜面をブルで削った南東に面し若草山を遠望できる.僕たちの活動地香川山に似ていて、生長の悪いマツが見られる.小規模ながらアカマツ林の体をなしているともいえる.ここの手入れは、アカマツの生育には、強度の日当たりが必要なのでその障害となる樹木を繁茂させないことが肝要である.


                               写真4 香川山に似た経緯を持つエリアで 生長の悪いアカマツが点在する.
 
 近辺にマツノザイセンチュウ病による枯損木があり、これは6月頃までには伐倒・処理をすべきである.アカマツ林再生にはこのフィールドでは一番ふさわしい場所で、良いアカマツ林になると思われる.

 面積が狭いのでマツタケの生活には不向きではないかと質問を受けたが、答えは「問題なしである」.その根拠は、岩手県岩泉大川地区に生長の良いアカマツが近接して2本あるナラ林の中に、マツタケのシロが二つ形成されたことによる.もちろん手入れはきちっとしてある.

 まずは、健全なアカマツ林を造り出すことが必要なことです.奈良・人と自然の会の皆さん、役員さん!寒い中、大変お世話になりありがとうございました.
 京都に戻り京都駅近辺で、参加者有志で“新年会”、そのあと解散しました.
 

1月30日(土)は、まつたけ山復活させ隊第522回活動日です.気温が高く雨も予想されます.午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称)にお集まり下さい.お客さんが3名お越しになる(下記お知らせ)活動報告は榎本 輝彦さんです.当日夜、ブログで是非ご覧ください.

十分な寒さ対策をいたしましょう!
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!
伐木作業には、やってはいけない作業があります.掛かり木の処理は『基本は忘れずに!』
脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけましょう!  

 
【お知らせ】
見学者
1)栗本修滋氏(大阪大学教員・大阪府森林組合長)他2名


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【まつたけ山復活させ隊とは!】
マツタケの生活する里山再生・保全のため集うものである.

 我々の仲間には、山づくりをする人、運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人、ブログ読者など参加者と支援者がいる.すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.

活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.しかし何をしても良いわけでは断じてない.


§活動場所:
京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (自称:京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分)
活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)阪急京都線四条河原町駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(エ)に続く
イ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側) 約30分
ウ)京都市営バス5系統に乗車、国際会館下車(エ)に続く
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.また、参加日や人数などを主催者に電話下さい.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動日

2016年1-6月
回 開催日    報告担当者  男厨シェフ

522 01月30日(土) 榎本
523 02月05日(金) 三輪
524 02月13日(土) 宮崎         松本
525 02月19日(金) 吉村
526 02月27日(土) 内田
527 03月04日(金) 榎本
528 03月12日(土) 三輪         松浦・江指
529 03月18日(金) 宮崎
530 03月26日(土) 池内
531 04月01日(金) 内田
532 04月09日(土) 池内         川崎・榎本班
533 04月15日(金) 三輪
534 04月23日(土) 宮崎
535 04月29日(金) 内田
536 05月07日(土) 榎本         松本
537 05月13日(金) 三輪
538 05月21日(土) 宮崎
539 05月27日(金) 内田
540 06月04日(土) 吉村         内田・榎本班
541 06月10日(金) 榎本
542 06月18日(土) 三輪
543 06月24日(金) 宮崎

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§カンパありがとう!

  
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forest
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

 

 

 

コメント
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