まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 882

2014年02月05日 |  マツタケの林地栽培 

 2月8日(土)は、まつたけ山復活させ隊第425回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.4月初めの気象から、大変寒い日に戻ります.気温が低いため、寒さ対策など暖かい服装が必要です.でも日差しがあれば、それは本当に暖かみを感じるようになっています.やはり立春過ぎと思えます.

 本日は男厨派食当、代表は松本 忠明さんがつとめます.彼の得意料理は、カレーです.期待しましょう!  本日の活動報告は池内 正憲さん担当です.

 私たちの活動拠点香川山でも、相変わらず、マツノザイセンチュウ病による枯損が激しい.仲間が、今日はこれで3本目と言いながら、伐倒する(写真1).それを所定の長さに伐り、下で待つ仲間に渡している.枝葉は直ぐに焼却である(2).このようにして、アカマツ林を守っています(3).

 澤田山・玉城山から薪用の材が運ばれてくる(4).鹿による食害防止を施しながら材線虫に強いというマツを育てている(5).そうこうするうちに昼になり仲間が戻ってくる(6).本日(前回)は太巻きの寿司をほうばる日であった.
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 冬の食用きのこの代表格であるヒラタケの発生が依然として続いている(7).私が岩手県岩泉町でマツタケの生理生態を研究していた頃、地元のきのこ愛好家(盛岡うえっこの会)佐々木保美さんがよく食事会に誘って下すった.きのこ料理.熊の肉、これは鍋が多い、鹿の肉、これは焼くが多い、など獣肉なども美味しく戴いた.

 中でもきのこ汁の旨さが未だに舌に残っている(ウッソー、頭に経験として).とれたてのきのこが10数種入っていて、それぞれの、これが大切、きのこが持つうまみ成分が入っているだけでなく、ベストに調和しうまみが相乗した「だし」になっていた.中国のきのこ鍋とはコンセプトをことにしている.
 彼曰く、今まで二十茸汁はつくったが、未だに百茸汁は食っていない.それほどに100種のきのこをそろえることは難しいのだ.それに挑戦するという.成功されたかどうか伺わねばならないと思っている.

 それで私たちも、無謀を顧みずだが、天然きのこで百茸汁をこの秋に創ろうと頑張ることになった.きのこ百種類というと冷凍保存も必要になるが、とにかく1番目のきのこと100番目のきのこは決まった.1番めは上記ヒラタケである(7).最後は、私たち手入れのアカマツ林で採れたまつたけである.写真3のように、仲間が枯損マツがでたら伐倒焼却で林を守っているが、活動開始直後に手入れのお陰で、1本の発生があった(ビギナーズラックか)がその後音なしである.

 確かに、菌根性のきのこの発生、また、きのこ発生のサクセッションを考えると、次はマツタケというアミタケなどの発生も見られるようになって来ている.原因を探っているのだが、近辺に取りこぼしのマツタケも少なくなり、その胞子飛来のチャンスが少ない.なんか秘策(?)も打たねばならないかと遊び心を惹起させている.

 市民といえども、マツタケ山づくりの、その結果にさほどの瑕疵が見られるということも考えにくい.しかし、仲間がつくる山づくり作業は、これはいいと思えるアカマツ林づくりもあれば、里山林再生とはほど遠い林づくり(=放置林づくり)もあり 憂鬱である.

 元はマツタケが採れていたという里山林も、ザイセンチュウ病枯損でアカマツが非常に少なくなった場所が多く、アカマツ林再生には、そこは大きく伐り開き地掻きが必要であることが多い.アカマツ林に戻すことはこの原則を守れば簡単容易だ.でも、マツタケ発生にはこれが重要なことだが、一度富栄養化させた土壌は、アカマツが優占出来る、そしてマツタケが生活する貧栄養状態に戻さなければならない.岩泉まつたけ研究所試験林のデータでは、尾根筋15mも下がった土壌は、適正規模にやせるに要する時間は長い.尾根筋は直ぐに元の放置以前に戻るのだが.このことはマツタケ山づくりに考慮せねばならない大切なことと思う.
 
 マツタケが生活する林づくりにも、セントラルドグマ(=きのことはこんな生活をするのだという既成の考え方)にとらわれない市民の実験的作業に期待したい.
 そこで、諸先輩達はマツタケをどう理解したのか、シリーズとして、マツタケの生理生態をおさらいしておこうと思う.まずは、濱稔(僕たちは敬称抜きにこう呼んでいた) のマツタケ概説(濱田 稔 1964. マツタケ概説.マツタケ-研究と増産-.マツタケ研究懇話会刊)を紹介しよう.もちろん、ぼくらの新知見もあり、必要ならその都度補いましょう.また、質問や疑問はメール(最後にある)でどうぞ!

 マツタケ(Tricholoma matsutake Singer=Armillaria Matsutake Ito et Imai)は日本列島周辺(満洲の一部,朝鮮半島,カラフト,北海道,本州,四国,九州,台湾:
var. formosana)の海抜±0m(東北地方海岸:宮城県名取町下増田村広浦,福島県相馬郡磯部村大洲国有林)~2300m(富士山吉田口および精進口2.5~5合目附近;台湾新高山中腹八通関)でマツ属(アカマツ,クロマツ,ヒメコマツ,ハイマツ:北海道雌阿寒岳,ニイタカアカマツ:台湾,など),ツガ属(ツガ:信州,コメツガ:富士山),モミ属(シラビソ:富士山,トドマツ:北海道),トウヒ属(エゾマツ:北海道)の林に発生するが,マツ科植物でもカラマツ林には発生を見ない。6年生アカマツ林に出たこともあるというが普通20~90年生林で,最盛期は40~60年といわれる。ワシントン州やオレゴン州などアメリカ合衆国の太平洋岸のPinus contortia, Pseudotsuga, Tsuga, Thuja(筆者注:ヒノキ科ネズコの近縁), シラタマノキ属(筆者注:ツツジ科)植物を混じた林には白くて大きい以外は,形態的にも培養的にもよく似たアメリカマツタケ(Tr. ponderosa Singer = Arm. ponderosa(Peck.)Sacc.)が出る。香りもある。マツタケモドキ,キテングタケ,ヤマドリタケも出る(Q28,29)。満洲吉林省安図北方のモンゴリナラ林(Q17),秋田県本荘町のクリ・ナラおよび稀にイヌガヤを混じえた林(Q32)のものは本郷氏の記事(本書H2)にもある通り,俗称バカマツタケまたはニタリ系のもので別種とすべきかもしれない。マツタケには形態的(B12)および生理的な品種(小川末発表)がみとめられる。

マツタケは砂地(仙台附近海岸)や火山礫地(雌阿寒岳中腹)などにも生えるが、最も多いのは角岩・花崗岩・砂岩など酸性岩の山地で,粘土を混じたり土壌が深くなると発生量を減ずるといわれる。従ってクロボク地帯などはアカマツはあってもマツタケは発生しない。これらは根の深さに関係すると思われ,上記海岸の砂地では地下水位が高く(30~40cm),マツ根が地表に止る。土壌酸度は富士山でpH3.0を示す所があったが,普通4.5~5.5の範囲である。

発生時期は,普通春秋2季で,春季のものは春ナバ,春マツタケ,五月マツタケ・ミドリマツタケ,ツユマツタケ,サマツ,ムギワラマツタケ,土用マツタケ,トキナシマツタケ,ボケマツタケなどと俗称され,九州や四国では3月下旬から発生をはじめ,近畿では6月~7月上旬(梅雨末期まで)となる。秋期のものは,秋ナバ,本ナバなどと呼ばれることもあるが,春マツタケとは逆に寒冷地から発生をはじめ,九州では11月~12月となる。従って,暖地ほど夏休みが長く冬休みが短く,寒地ほど冬休みが長く,夏休みが短い。富士山や雌阿寒岳では夏休みがなくなり,7月~9月に亘って発生する。いずれも地温との関係であるが(本書H11-12,衣川氏の記事参照),たとえ地温が適当であっても雨量(水分)がそれに伴わなければ産地とはなりにくい。同様の関係は山の向きにも見られ,北向きの地は早く発生を見ることが多い。
 
菌根形成には一般に,樹木には日光がよく当り(炭酸同化産物が多量に生ずる),土壌にはちっ素,りん酸などの養分が少い方がよいが(E.STAHL)およびR1参照),マツタケもこの条件に当てはまり,峰すじに多いのを通例とする。しかし干ばつの影響を受けやすい。
 
マツタケ特有の香りは,トランス型桂皮酸メチルで,これに一般キノコ臭マツタケオール(=マツタケアルコール.筆者注:とイソマツタケオール)を混ずる(P1-12)。

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§カンパありがとう!
 オクツ トヨコさんからカンパを戴きました.感謝申し上げます.

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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まつたけ山復活させ隊活動 
 
予定日  2014年1月~年6月
回  開催日  報告担当者  男厨シェフ

425 2月08日 土 池内   松本
426 2月14日 金 内田
427 2月22日 土 宮崎
428 2月28日 金 三輪
429 3月08日 土 池内   小原
430 3月14日 金 榎本
431 3月22日 土 宮崎
432 3月28日 金 内田
433 4月05日 土 池内   松浦
434 4月11日 金 榎本
435 4月19日 土 三輪
436 4月25日 金 宮崎
437 5月03日 土 池内   内田
438 5月09日 金 内田
439 5月17日 土 榎本
440 5月23日 金 三輪
441 5月31日 土 宮崎
442 6月06日 金 内田
443 6月14日 土 池内   川崎
444 6月20日 金 榎本
445 6月28日 土 三輪

  
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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から,終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費(実費)+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?


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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

 

 

コメント
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