期待感たっぷりのよく出来た予告編と韓国映画ながら監督がご存知香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』三部作のアンドリュー・ラウということで、仕上がりの良さを期待していたのがこの「デイジー」。
自分を見守ってくれている幻の恋人がいつかその姿を現してくれる日を待ち続けている画家の卵、ヘレン。
ヘレンと捜査の途中で出会い、身分を明かさないままいつしか恋に落ちるインターポールの捜査官、ジョン・ウー。 . . . 本文を読む
いやはや何とも、ひと言では言い表せない超弩級の新たなる映画というべき作品。
とにかくそんな手があったのかという独特の映像表現にすっかり楽しませてもらった。
話そのものは今まさに2007年問題として話題となっているいわゆる団塊の世代である昭和22年(1947年)生まれの川尻松子の「転落」の人生を数々の戦後の昭和史とともに辿るという“ クロニクル ”ものなんだけれど、趣向を凝らした演出はもちろん、そ . . . 本文を読む
映画「プロデューサーズ」を観たときに思い出したのが74年製作のこのメル・ブルックス監督作品。
舞台となるのは開拓時代のとある西部の町。鉄道敷設による利権確保のため住民を町から追い出そうと画策する悪党のボスは処刑寸前の黒人奴隷バートを保安官に任命し町に送り込む。
最初は思惑通り混乱するかに見えたが、やがて町の人々の信頼を得たバートは監獄の常連ジムと力を合わせて、無法者に立ち向かうことに…。公開以来 . . . 本文を読む
市民のための映画館=コミュニティシネマをつくることを目標に、様々な活動を行なっている金沢コミュニティシネマ推進委員会の手による金沢コミュニティシネマ上映会。
その一環として行なわれている『映画の極意』シリーズ。これが渋い! これまでも
「映画の極意vol.1 ジェームズ・コバーン/男の極意」ゲスト:黒沢清監督
「映画の極意vol.2 ニッポン映画/青春の極意」ゲスト:みうらじゅん氏、山田五郎氏
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先ほど映画を観て家に帰り、シャワーを浴びたときに今日は何故だか泡が立たないなあと思いつつ頭をゴシゴシ洗っていたところシャンプーより先に間違えてコンディショナーを使っていたことに気付いた。そりゃ泡がたつわきゃないわな。トホホホ。
我ながら凄いこじつけめいているけれど、そういったように映画を観るときも時として順番というものがやはりあるかもしれないなあと、単純に思ってしまったのがこの「ダ・ヴィンチ・コ . . . 本文を読む
ちょっと自慢したくなる35年目の記念ライブです。
実はこの日、2006年5月24日でもっきりやはちょうど35年たつのです。つまり開店記念日というのは1971年5月25日、もう遠い昔です。
あの頃、ジャズのトレンドはチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーとハービー・ハンコックのヘッドハンターズ、東京のジャズシーンは鈴木勳に山本剛、歌は安田南なんて頃です。ジャズ喫茶では何がよくかかっていたでしょ . . . 本文を読む
かのウッドストック・フェスが行なわれる1ヶ月前、1969年7月5日、ロンドンのハイドパークで行なわれたストーンズのフリーコンサートの模様を収めた映画がNHKの BS2 で放送されることを友人から教えられ、凄い久しぶりに見てみた。
ストーンズにとって、ブライアン・ジョーンズの脱退後の初のステージとして、ミック・テイラーのお披露目ライヴとなるところが、そのブライアンが直前に亡くなったことで急遽彼への . . . 本文を読む
「ロ、ロ、ロマンはどこだ!」どこにも見当たらないぞー!
ご存知、今最もコンスタントに上質な小説を書き続けている若手作家の一人である伊坂幸太郎の同名作品の映画化。
俯瞰で横浜の街を眺めるオープニングから主要キャストの名前がクレジットされ、やがて銀行強盗シーンになだれ込み、CGを使ったスラップスティックなカーチェイスシーンに続くあたりまでは、スピード感に溢れポップな演出も功を奏していて、かなり期待 . . . 本文を読む
うーん、何とも身につまされると同時に、とてもとても優しい慈しみの心に触れる作品だった。
とにかく毎日仕事に追われる主人公が自分と全くの同世代で、そして働いている業界もかつてその末端に身を置いていた広告業界だということでとても他人事とは思えず、ついついわが身を照らし合わせて観てしまった。
人生の上り坂を過ぎ、いつしか下り始めていることを意識せざるを得なくなり、希望より不安が先立つようになった中、 . . . 本文を読む
春が過ぎ、夏が近づくにしたがって普段聴く音楽の中にサルサやレゲエが徐々に増えてくるのだけど、ここ数年はそうした中にボサ・ノヴァが含まれるようになり、年毎にその傾向は強くなっていくみたいだ。
そんな少し夏の予感を感じさせた昨日の夜、尾山町の『四遊』から高岡町の『空海』というおなじみのコースで日本酒を飲んだあと、久しぶりに木倉町の『ジョアン』へ。
実際には午前2時まで頑張ってやっている営業時間を何 . . . 本文を読む
かつて冒険小説を好んで読んでいた頃、ギャビン・ライアルの「最も危険なゲーム」とジャック・ヒギンスの「鷲は舞い降りた」と並んで好きだったのがジョン・ル・カレの「寒い国から来たスパイ」だった。
外務省書記官として西ドイツのボンに赴任した自らの経験をもとにリアリティーのあるスパイ小説を多数発表していたジョン・ル・カレ。そんな彼の最近の小説がこの映画の原作だったとは露知らず、観終わってから知ってちょっと . . . 本文を読む
こういったどこからとなく滲み出てくる粋なセンスというのは、覚えようとしても叶うものじゃないんだろうなあ。
そんな余裕綽々とした雰囲気が隅々まで漂い、久しぶりに大人を感じさせてくれた映画、それがこの「寝ずの番」。
父親は時代劇スターの沢村国太郎。母親はマキノ省三の娘・マキノ智子。兄は長門裕之。そして父方の叔父が加東大介で叔母が沢村貞子。母方の叔父にはマキノ雅広監督と松田定次監督、ついでに嫁さんは朝 . . . 本文を読む
昨日書いたトム・ジョーンズが主題歌を歌っていた快作「何かいいことないか子猫チャン」にも出演し、S・キューブリックの傑作「博士の異常な愛情、又は私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 」や遺作となったハル・アシュビーによる「チャンス」など、コメディ以外の作品でも存在感溢れる心染みる演技を見せていてくれた故ピーター・セラーズ。
そんな彼の一番のヒット作といえば、やはり「ピンク・パン . . . 本文を読む
ぐわはははは。よく羊の皮をかぶった狼なんていう言い方があるけれど、これはまさしく予算的には大作だけど内容的にはあくまでも『B級映画』ならではの遊び心たっぷりで、ティム・バートン監督ワールドが全面展開された怪作だ。
50年代テイスト溢れるUFOならぬ空飛ぶ円盤のデザインやカクカクとした火星人の動き。
首から下を愛犬のそれと交換させられてしまうリポーターと首だけになってしまうピアース・007・ブロス . . . 本文を読む
昨日映画「プロデューサーズ」の話で友人と盛り上がっていたところ、それならと貸してくれたのがウディ・アレンによるこのミュージカル映画。
早速今日観たところ、とにかくこれが「何で今まで観なかったのだろう」と激しく後悔してしまうくらい、すこぶる良くて困ってしまった。
とにかく出演者が、別れた妻役にゴールディ・ホーン、その義理の娘役にドリュー・バリモア、その実弟にルーカス・ハース、義妹役にはナタリー・ポ . . . 本文を読む