「ベスト・キッド」 THE KARATE KID

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「ロッキー」のＪ・Ｇ・アヴィルドセン監督が予定調和の物語をドラマティックに仕上げ、サバイバーの唄う主題歌と共に大ヒットし、２本の続編と主人公を女の子に替えた作品まで製作された同名映画のリメイク作品。

今回再映画化するにあたり、舞台をアメリカから中国に、空手をカンフーに、そして主人公の年齢を高校生から小学生に変更しつつも、オリジナルのストーリーラインは基本的にはそのままに設定されており、かつてラルフ・マッチオが演じた主人公同様、武術の達人との出会い技を習得することによっていじめを克服し、精神的にも成長していく姿を感動的に描いている。



ただ、かなりひょうきんな演技で少年に空手を教えたミヤギ役のノリユキ・パット・モリタに比べ、今回、主人公にクンフーを教えるのジャッキー・チェンはどこか陰のあるキャラクターとして設定され、そのどこか「新宿インシデント」を彷彿させるシリアスな演技は、ちょいと首を傾げないこともない。

とは言え、さすがジャッキー、主人公を助けるために中国人少年たちと戦うシーンでは、自分から攻撃することなく、出来るだけ相手の力を利用し、同士討ちを誘いながら倒していくといった、かつて「酔拳」でジャッキーの師匠役のユエン・シャオティエンが見せたような名人芸が楽しめ、やはり魅力的だったりしたのだ。



ともあれ、アクションシーンが相当にへなちょこだったオリジナルに比べ、異国の地でさまざまな経験を積み、徐々に肉体的に逞しく、精神的にもタフになっていく主人公に扮するジェイデン・スミスの本気モード全開の素晴らしいアクション姿を見るだけでも大いに楽しめ、プロデューサーとして名を連ねる父親のウィル・スミスも鼻高々なんだろうなあ。



とにかく、万里の長城や紫禁城、そして中国武術の総本山である武当山、あるいは北京オリンピック会場などなど、中国観光ガイドを含めた分だけ若干上映時間が長くなったことは否めないけれど、ヒール役に徹したユー・ロングァンの憎々しい演技を含め、思っていた以上に楽しめる作品なのであります。
機会があれば是非！



ただ敢えてひとこと言わせてもらうと、夏休み中で、いくら子供を集客しようと思っているとは言え、金沢および近郊に５つもあるシネコンすべてが吹き替え版しか上映していないというのはあまりに情けなさ過ぎる。
中国を舞台にどのように英語が話されていたのか大いに興味もあったし、それよりも何よりも吹き替えだとチープなテレビ上映のような気が（あくまでも個人的な印象ではありますが）して、劇場で見るありがたみに著しくかけたのでありました。トホホ
加えて、さらに言うならば、その上映時間も６館すべてほぼ同じ時刻にスタートしていて、上映館の都合でそうなることはわからないではないけれど、あまりに観る側の都合を無視した横並び体質には、まっことうんざりさせられるのだ。ンナロー！

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今日の１曲　“ Just the Two of Us ”　:　 Will Smith

スミス親子といえば、やはりこれが初競演となったプロモ映像が流れるこの曲でしょう。
ほんま、ジェイデンくん、可愛いッス