俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「マーズ・アタック」 Mars Attacks

2006年05月13日 02時49分41秒 | 時系列でご覧ください
ぐわはははは。よく羊の皮をかぶった狼なんていう言い方があるけれど、これはまさしく予算的には大作だけど内容的にはあくまでも『B級映画』ならではの遊び心たっぷりで、ティム・バートン監督ワールドが全面展開された怪作だ。

50年代テイスト溢れるUFOならぬ空飛ぶ円盤のデザインやカクカクとした火星人の動き。
首から下を愛犬のそれと交換させられてしまうリポーターと首だけになってしまうピアース・007・ブロスナン扮する科学者の顔だけのシュールなラヴシーン。
撮影当時ティムの嫁さんだったリサ・マリー演じる火星人スパイがチューインガムかみながら見せるアヴァンギャルド?な歩き方&小走り。
そしてM・J・フォックスはじめ豪華有名出演陣がなんともあっさり、しかも無残なカタチで早いうちからどんどん死んでいくあっけなさ。

作品全体に流れるのはジャック・ニコルソン扮する無能な大統領をはじめ、まさに犬死してしまう末端の新兵に至るまで権力側を見事にコケにしている反権力的姿勢。
そして語り合えれば分かり合えるという幻想を見事に打ち砕く(それにしても大統領の最後の熱弁に対して見せた火星人の涙って?)アンチヒューマニズム。

さらには、往年のアイドルであり、大女優であるシルヴィア・シドニー扮するおばあちゃんが結局地球を救うこととなるという小気味良いストーリー展開の中で見せる世の中に対するシニカルな視線と温かい共感。

そうした意味で素手で火星人に立ち向かう往年のチャンピオンボクサーのエピソードやTVゲームに熱中していた息子たちがホワイトハウスで光線銃片手に活躍する展開にも心躍った。



とにかく、いろんな意味で思わずニヤニヤするシーンの連続の映画だったけれど、個人的な極めつけは、やはりトム・ジョーンズ。

決してティム・バートンほど熱心なファン(←「シザーハンズ」観ればわかります)ではないにしろ、昔々小学生の頃『トム・ジョーンズ・ショー』なんていう番組を毎週見ていたこともあって好きな曲は?と訊かれれば「ラブ・ミー・トゥナイト」、「デライラ」、「思い出のグリーングラス」、「シーズ・ア・レイディ」と即座に出てきたりする程度に知ってはいたので、彼が“It's Not Unusual ”を歌っている姿を見て嬉しくなってしまった。
その後に続くシーンも、いかにもといった演技で、結局のところこの映画は、シルヴィア・シドニーとトム・ジョーンズに捧げられた映画なのではと思った次第。

何はともあれ、こういった企画を通させてしまうティム・バートンに拍手であります。
生真面目な人には絶対オススメしない好き嫌いの激しくある映画だけど、グワハハとブラックな笑いを欲した時に是非。


今日の1曲 「いつになったら(It's Not Unusual)」 : フィンガー5

映画のエンディングにも高らかに流れるトム・ジョーンズのその「It's Not Unusual / 邦題:よくあることサ」をiTunes Music Store で検索したところ偶然見つけたのがこの曲。
和製ジャクソン5なんて言われ、ここ最近ずっと人気の沖縄出身のアイドルやアイドル・グループの先駆者的存在だったとも言えるフィンガー5。そんな彼らがこんな歌まで歌っていたとは、ちょっと驚きでした。
それにしても ♪イッツ・ナッタ・ユージャル~ の歌詞が、♪いつになったら譲り合う~ にと、オイオイと突っ込みたくなるほど本来の意味は見事に無視され、発せられる音から歌詞をつけるというわかりやすい(笑)姿勢がこれまた映画同様キッチュっぽくてなかなか気に入ってしまい、思わずダウンロードしてしまいました(苦笑)。
試聴は
コチラもしくはコpチラ
iTunes だったら
コチラで。


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1 コメント

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めーさく! (ちえぞ)
2006-05-19 00:59:57
マーズ・アタック、いい映画やね。出演者も超豪華やし。

学校さぼってゲーセン通いだったパム・グリアーの息子たちが

ホワイトハウスで火星人達を倒して地球を救う!?ところが大好き。

それとトム・ジョーンズのショーのシーン♪

「トム・ジョーンズ・ショー」ってのがあったんですね。

どんな番組だったんでしょ?DVDとか出てないですかね?



ティム・バートン、ちょっとダークな感じのが多いけど、

これはポップな感じが強いので好きな映画です。



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