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栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2025-2026」

凱旋門賞雑感

2014-10-06 09:28:38 | その他

道中スローなのはわかってたし、直線追い出されるとハープスターが1.5倍速ぐらいのピッチでゴールドシップを並ぶ間もなく抜き去ったときには、「ああやっぱり上がりの競馬や、これはハープに弾けてもらうしかない!」と一声出して応援したんですが…

凱旋門賞は多頭数のスローだとあの馬群の密集したなかで押し合いへし合いやりますから、メイショウサムソンなんかも直線いい手応えでインに突っ込んだらガンガンぶつけられてました

あのタイトなスローの肉弾戦に人馬ともに慣れてないし、これだけ毎年のように凱旋門に来てしかも時々好走すれば、日本馬に簡単にスペースなんか開けてくれるはずもないでしょう

去年もオルフェーヴルが外に出したかったときに最後に開けてくれたのは、ユタカのキズナだったのです

今年も祐一ジャスタウェイは馬群を捌いたというよりは直線まで動くに動けなかったというのが正しく、だから日本馬が好走するのはエルコンドルパサーのように先行するかオルフェーヴルのように大外一気か、このどちらかで、どんなスポーツでもアウェーは厳しい

ゴールドシップはあの狭いスペースで馬群を縫うような小脚は使えないから外に出して捲るしか手がないし、唯一Treveのように乗れる可能性がありTreveに匹敵する瞬発力もあるハープスターは、札幌記念で初めて外から捲っただけでそういう練習は一切やってこなかった

でもハープスターは「それでも大外からくるのか?」と一瞬思わせるだけの抜群の反応で、直線各馬一斉に追い出したときの反応はTreveとハープが一番良かった

さすがにオルフェーヴルほどは際立ってはいなかったけれど、日本で瞬発力ナンバーワンの馬は、凱旋門賞でも瞬発力ナンバーワンなのだ、ということは今年も証明してくれました

そしてジャスタウェイもいつもどおり、ゴール前の脚色は上位入線馬を凌ぐものがあったし、最近は持続戦ばかりだったのでその持続力が際立っていましたが、日本でもこんな上がりの競馬になったらまた2着病を再発させる可能性は大いにあるでしょう

ゴールドシップについては以前から行くならキングジョージみたいなレース、古馬の精鋭が少頭数で競うスローながらジワジワ消耗していくようなレースで競ってほしいと書いてきましたが、ハマらないレースではどこにもいないのも、高速上がりではどこにもいないのもこれまた日本で見慣れた光景(^ ^;)

もちろんもうちょっとペースが流れればとか、もうちょっと上手く運べればとか、何か策はなかったのかとか、やっぱり前哨戦を使うべきだったんじゃないかとか、そういうことはたしかに言いたくなりますが、でも私はゴールインした瞬間は妙に冷静で、あれはたぶん、「日本でよく見る日常」がそのまま凱旋門賞のゴール前にスライドされた、そんなレースやったからやと思います

ハープスターの瞬発力もジャスタウェイの持続力も、世界の最高峰の大レースを勝てるだけのレベルなのは疑いなく、しかしその一芸がいつもハマるとは限らない

ハープスターだって同い年の日本の牝馬に負けることはあるし、ジャスタウェイだって上がりの競馬に持ち込んだレッドスパーダやクラレントを差せないことはあるし、ゴールドシップだって高速上がりで掲示板にも載らないことはしょっちゅうある

何芸にも秀でたいつでもどこでもスーパースターのオルフェーヴルやディープインパクトはそこは別格で、でも一芸に秀でた「ふつうのチャンピオン」でも、その一芸がハマればナカヤマフェスタのような好走は今後も十分期待できるでしょう

今回は3頭ともハマらなかったけれど、ハマらない中でもその馬らしさは垣間見せたというところに、日本のトップクラスの競馬と世界のトッププラスの競馬が違和感なくリンクする時代になったんやなあ…というオールドファンらしい感想で

コメント (25)
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