栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

プリサイスエンドの名牝系と、Shy Dancer≒Better Selfの米血パワー

2013-07-17 22:26:14 | 配合論

プリサイスエンドの賞金上位5傑のうち、グロリアスノア、ロラパルーザ、スプラッシュエンド、タケショウカヅチの4頭は、「Mr.Prospectorのクロスを持ち、母系にNijinskyを持つ」という共通点があります
さらにロラパル、スプラッシュ、タケショウの3頭にはRibotのクロスも持つという共通点があり、グロリアスとロラパルにはSpecialの血を引くという共通点が
プリサイスエンドはエンドスウィープにSecretariat、Bold Bidderとボルキロを重ねて柔らかすぎるので、ダートの上級を狙うには体質を硬くする必要があり、その場合プリサイスエンドが持つNashua5×5をミスプロのクロスで累進したり、Nijinskyのパワーの血を脈絡させたり(La France≒Omaha)、Sepcial経由でNashua≒Nantallahのニアリークロスにしたり、Ribotをクロスしたり…という手が功を奏しているわけですな(先週の雑感・中山編~器に惚れず、器用さに惚れるべし、フェアリーS)
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/3059e31aadf71fcc9230a5d00e0d31ab

--------

というようなことを書いたことがあるんですが、プリサイスエンドの牝系を辿っていくと一頭の名繁殖に辿り着き、6代母Shy Dancerの子孫にはBCマイルのOpening Verse、米G1を勝ちまくったHeavenly Cause、種牡馬Two Punch、日本ではサンライズベガやマヤノメイビーなどがこの一族で、Shy Dancer系とくくってもいいぐらいの繁栄をみせています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a00fe9b/

その血脈構成は以下のとおり

 ┌Eight Thirty
┌○└△┌Man o'War
│  └Seaplane
│   └Bathing Girl
Shy Dancer
│┌Bimelech
└△└La Troienne
 │┌Man o'War
 └△

これを見てピンときた方もいらっしゃるでしょうが、Shy Dancerの血脈構成は最強の北米パワー血脈Better SelfやBusandaと酷似するのです

Bimelech
Better Self
│ ┌Man o'War
│┌War Admiral
││└△
└△ └Bathing Girl

 ┌Man o'War
┌War Admiral
│└△
│ └Bathing Girl
Busanda
└△
 └La Troienne

つまりBetter Self持ち牝馬にプリサイスエンドを配すると、Shy Dancer≒Better Selfのニアリークロスが派生することになるわけですが、プリサイスエンド産駒の平地獲得賞金ベスト3の配合をみると

グロリアスノア…Shy Dancer≒Ta Wee6×4
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100429/
  ┌War Relic
 ┌○
┌○
Ta Wee
│┌Better Self
└△

ロラパルーザ…Shy Dancer≒Lady Be Good6×6、もしくはShy Dancer≒Better Self6×7・8
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101977/
┌Better Self
Lady Be Good
│┌Eight Thirty
└△

スプラッシュエンド…Eight Thirty≒Good Example7×6

ようするにWar Relic≒Eight Thirty≒Good Exampleの応用ですが、グロリアスノアとロラパルーザがプリサイスエンドのダート馬の頂点にいるのは、名繁殖Shy Dancerのパワーの血を活かしたニアリークロスを持っているからなのだ、とも言えるのではないかと

特にグロリアスノアのShy Dancer≒Ta Wee6×4は、BimelechとEight Thirty≒War RelicとSeaplane≒War Admiralが共通するという、これ血統表組み合わせてみるとなかなかションベンちびりもんです

プラチナティアラの母母ナナヨーストームは忘れな草に勝ち現フローラS2着、その全妹ナナヨーウイングはオークス2着でマーチSのナナヨーヒマワリの母

このナナヨー姉妹はセレスティアルストーム×バンブーアトラスでRibot3×5、Blue Swords=Bluehaze5×5、そしてハイインローのクロスでなるほどスタミナに長けた配合をしていましたが、その母母ナナヨーモアがネプテューヌス×ポリックでEight Thirty≒War Relic4×4、ナナヨーウイングが泥んこのオークスを2着に追い込んできたあのパワーは、このナナヨーモア譲りだったのではないでしょうか
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103195/

Eight Thirty≒War Relic4×4のナナヨーモアに、マイネルラヴからIntent~War RelicとBuckpasser~Busandaの血が入り、そこにプリサイスエンドが配されたのがプラチナティアラで、Shy DancerとマイネルラヴとナナヨーモアのMan o'War&La Troienne的パワーを強く受け、同時にRibotの血も6×5・7でクロス

エンドスウィープの父系でMr.Prospector4×4、Secretariat5×5、これだけみると新潟芝1400m向きフニャフニャ型のイメージですが、体型はミスプロ的でも体質はわりと硬めで手先のパワーが強い走り

いずれはダートで出世するかもしれないし、芝なら高速馬場よりも洋芝や道悪のパワー勝負向きで、そしてマイネルラヴの血を引くパワースプリンターですからおそらく夏馬でもあるでしょう

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする