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スペイン料理とフランス料理

2008-12-03 06:38:25 | Weblog
コロからハモンの講義を受けて、昼食は進んでいく。

メインの前に、ヌードルがある。
ガーリック味で、エビが入っている。
――これも、うまい!
スパゲッティは、イタリアのものと思っていたが、
スペインもうまい。
コロは、海鮮づくしにしてくれた。
――ありがとう。それに、もう満腹だ。

2002年日韓共催のワールド・カップ開催中に、
コロと会議をしたことがあった。
スペイン対パラグアイ戦、コロはそわそわしていなかった。
会議後にテレビを見ると、3対1でパラグアイに勝った。
すでにスロヴェニアに3対1で勝っているから、
あっさりと、決勝トーナメント進出を決めた。

決勝トーナメントでは、韓国に1対1で決着がつかず、
PK戦で敗れてベスト8どまり、
スペインは今回も優勝できなかった。
FCバルセロナレアル・マドリッドの方が、
ワールド・カップで優勝するナショナル・チームよりも強い」
と、コロはくやしまぎれに言った。

ここバルセロナは、カタルーニャ地方の州都。
カタルーニャン(カタルーニャ人)のコロは、
首都マドリッドのマドロニアン(マドリッド人)に、
ことのほか対抗意識が強い。

「独自のカタルーニャ語を話すし、今でも独立気運がある。
フランコ大統領の独裁政治ときに、
カタルーニャ地方は、自治権は奪われ、
カタルーニャ語は禁止され、スペイン語を強制された」

「サッカーの一部リーグのクラブ・チームが、
スペイン全土に20あり、FCバルセロナと
レアル・マドリッドはライバル同士だ。
エル・クラシコ(伝統の一戦)”は、
サッカーに名を借りた戦争の再現となって、
バルセロナの街は騒然となる」
と、ワールド・カップ以上に熱が入る。

さて満腹だが、まだメインがある。
メインは、あっさりといきたい……魚を希望した。
コロはオーナーと相談している。
「きょうは、魚が揚がらなかった。
きのうは日曜日で、漁師が海に出なかったから。
きょうは、残った魚しかない」

それでは、軽めに鴨(ダック)か、
野うさぎ(ヘヤー)を希望すると、
1キログラムのダックがあるという。
1キログラムも要らないが、
ダックのローストをオーダーする。

ワインは、リオハRioja
ダックはモモ肉、1本だった。
ダックのこんがりと焼かれた皮は、
ペキンダックのようだ。
皮にナイフを入れると、下には、
ほどけるような肉があった。
――うまい! カリカリの皮も、ほどける肉も。

コロは、スペイン料理に誇りをもっている。
「スペイン料理は、食材が豊富で、
その食材の本来の味を生かしている。
ボリュームがあるし、それに、むやみに飾らない


シーフード・レストランで海鮮焼き。バルセロナ。
ムール貝、アサリ、ホタテ、マテ貝、
カニ、スキャンピがある。

そして、コロはフランス料理に、
ことのほか、対抗意識があって、
「フランス料理のように、元の食材の形を変え、
ソースで味を変え、ちょっぴりの量を、
飾りつけている。それを、
気取って食べるのは、イヤだね」
と、食の自然を強調する。

――たしかに、スペイン料理は自然を味わう。
それに、ボリュームがある。
海で獲れた貝や魚、陸で獲れたダックを、
本来の味を引き出し、なるべく元の形を変えずに、
調理している。

「スペイン料理は、降りそそぐ“Sun太陽”のおかげだ。
それに、スペインには“3S”がある……Sunのほかに、
Siestaシエスタ”と“Sex”である」
と、コロは言う。

日本人に、こんな3Sを言う人は、
スペイン人以外には、いなかった。
スペイン人の、この明るさがいい。
昼食は、デザートを残している。


ガウディ設計によるサクラダ・ファミリア。バルセロナ。
コメント
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