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スイスの通知表2018年

2019-04-14 00:08:50 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
スイスの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
スイスのPISA2015は、15位→ランクB

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
スイスの2017年の国際特許出願件数は、8位→ランクA

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
スイスのノーベル賞の受賞者16人は、7位→ランクB
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
スイスのパルム・ドール受賞1.50は、11位→ランクB
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
スイスの文化遺産9は、23位→ランクC

建築家ル・コルビュジエは、スイスで生まで、フランスで活躍。
ル・コルビュジエの建築は、世界各地で、世界遺産になっている。
日本では、国立西洋美術館がある。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
スイスのFIFAのランキングは、6位→ランクA

2018年のワールドカップ、ロシア大会では、
ヨーロッパの出場権(開催国ロシア+13チーム)を得た。
ロシア大会では、ベスト8をかけて、スウェーデンと対戦して、
0対1で敗れて、ベスト16止まりとなった。

スイスは、登山、トレッキング、スキー、観光で世界の人を惹きつける。
マッターホルンを見たい! 」、4,478メートル。

ふもとのツェルマット1,604メートから、
ゴルナーグラート鉄道で上がってきた、3,089メートル。
目の前に広がるアルプスに、世界の観光客は、感激する。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
スイスの国民総生産GDPは、20位→ランクB

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
スイスの政府開発援助ODAは、14位→ランクB

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「スイスの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       スイスのPISA2015は、15位→ランクB ⇒ 4点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       スイスの国際特許出願件数は、8位→ランクA ⇒ 5点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       スイスのノーベル賞の受賞者16人は、7位→ランクB ⇒ 4点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       スイスのパルム・ドール受賞1.5は、11位→ランクB ⇒ 4点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       スイスの文化遺産9は、23位→ランクC ⇒ 3点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       スイスのFIFAのランキングは、6位→ランクA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       スイスの国民総生産GDPは、20位→ランクB ⇒ 4点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       スイスの政府開発援助ODAは、14位→ランクB ⇒ 4点。
合計(40点): 日本は32点。
         スイスは33点

レーダーチャートで見る、
スイスの通知表 2018年」。


北海道の国土に、人口は854万人で、バランスのとれた、
大きな面積のレーダーチャートになっている。

GDPに対する公的教育費 の割合を見る。
小学校から大学までの公的教育費について、
OECDが、加盟34か国を対象に調査して、
教育白書2018年版を公表している。

”Education at a Glance 2018” から。

1位はノルウェーで6.28%、
2位フィンランド5.58%、
3位アイスランド5.52%、
4位ベルギー5.35%、
5位スウェーデン5.02%、である。
北欧は、GDPに対する公的教育費の割合が高い。
豊かな国は、教育に投資をしている。
10位スイス4.51%である。
日本は、OECD加盟国、最下位の34位、2.93%。

平成には、大災害が発生した。
地震、津波、台風、噴火…。
中でも、東日本大震災と原発災害は激甚で、
「原子力緊急事態宣言」が発せられた。
福島第一原発の廃炉には、数十年、100年かかるとも言われ、
「原子力緊急事態宣言」が、解除される見込みはない。
復旧費や廃炉費に巨額をかける、国力が低下している。
2020年開催のオリンピックに向けても、巨額をかける。

日本はOECDで、最低の公的教育費を続けている。
この平成の低水準は、次の元号「令和」の世代に、
ノーベル賞の受賞に影響が出るのか? 見守ることになる。
特許は5年、ノーベル賞は30年かかる研究・創造の成果である。

スイスのノーベル賞の受賞者は16人。
人口を、ノーベル賞の受賞数で割って、
1つのノーベル賞を受賞するのに必要な人数を求めた。

右端は、スイスの52万人を1として、受賞に必要な人口を比較した。

1位はスイスで、52万人で受賞数が、1つとなる。
2位はノーベル賞の国、スウェーデンで57万人。スイス比は1.1。
3位デンマーク、63万人。スイス比は1.2。
4位イギリス、77万人。スイス比は1.5。
5位オーストリア、95万人。スイス比は1.8。
日本は16位、550万人になる。スイス比は10.6。

もし、スイスの人口829万人が、
日本と同じ人口1億2千657万人ならば、
日本の受賞数23 X スイス比10.6 ⇒ 244。
ノーベル賞の受賞数244と、驚異的な数字になる。

GDPに対する公的教育費の割合と
1つのノーベル賞に必要な人数との関連を求めた。

―は、ノーベル賞が1つ以下。

スイス
の公的教育費の割合は10位、4.51%と高く、
ノーベル賞を受賞するのに必要な人数は、第1位である。
日本の教育費の割合は34位、2.93%とOECD加盟国の最低。
ノーベル賞を受賞するのに必要な人数は第16位。
GDPに対する公的教育費の割合が高い国は、
1つのノーベル賞に必要な人数の順位が高い国になる。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook」がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。

世界競争力ランキングの推移


ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、スイスは5位。日本は25位。

ランキングの推移。
1989年 ⇒ 2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、3位 ⇒ 1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位。
香港は、― ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
シンガポールは、― ⇒ 3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。

スイスは、2位 ⇒ 8位 ⇒ 4位 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 5位。
 スイスの競争力は、常に高い位置にある。
日本は、1位 ⇒ 19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
 日本は、調査を開始した1989年から、5年間、
 1位を維持していた。日本の絶頂期だった。

世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア


5位スイスのクライテリアを見ると、
 行政効率2位、ビジネス効率9位、
 インフラストラクチャー2位と、トップクラスである。
 経済実績は25位。
日本のクライテリアは、行政効率が41位と低く、
 ビジネス効率も36位と低い。

国連発表の"Ranking of Happiness"
世界幸福度ランキング」を見る。


2019年は、2016年~2018年の調査。世界156か国。
2018年は、2015年~2017年の調査。世界156か国。
2017年は、2014年~2016年の調査。世界155か国。

2019年 ← 2018年 ← 2017年の推移。
フィンランドは、1位1位 ← 5位。
デンマークは、2位 ← 3位 ← 2位。
ノルウェーは、3位 ← 2位 ← 1位
スイスは、6位 ← 5位 ← 4位。
日本は、58位 ← 54位 ← 51位。

日本とスイスの幸福度の内容を見る。


"Ranking of Happiness"は、つぎを調査している。
Dystopia (1.88) + residual、ユートピア/理想郷への思い(と訳した)。
GDP per capita、1人当たりのGDP。
social support、社会からの支援。
healthy life expectancy、健康寿命。
freedom to make life choices、人生を選ぶ自由度。
generosity、他者への寛容さ。
perceptions of corruption、政治腐敗のなさ。

スイスは、
 1人当たりのGDP、が8位、1.452点、
 健康寿命、が5位、1.052点、
 政治腐敗のなさ、が7位、0.343点、と高い。

日本は、
 健康寿命は3位、1.088点、と高いが、
 ユートピアへの思い、が131位、1.399点、
 社会からの支援、が50位、1.419点、
 人生を選ぶ自由度、が65位、0.445点、
 他者への寛容さ、が143位、0.069点、
 政治腐敗のなさ、が41位、0.140点、と低い。

合計した日本の幸福度の点数は、5.886点になり、
1位フィンランド7.769点の、76%に、
2位デンマークの7.600点の、77%に、
3位ノルウェー7.554点の、78%に、
6位スイス7.480点の、79%になっている。

リスカム、4,527メートルとゴルナー氷河

「氷河だ!
ジーッと見ていた、雪に座って。
「こんな景色があるのか!

スイスは、アルプスがあり、氷河がある。
登山、スキー、観光で、世界の人が、あこがれる国。
そして、知的な国、競争力のある国、幸福を感じている国。
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