奈良県立美術館で開催中の「漂泊の画家 不染鉄展~」を見に行く。
日曜美術館の放映を見るまでは名前も知らなかった。
不染鉄・・変わった名前。何人?
不染は苗字で、本名は哲治。
「不染 鉄」は画号で、日本画家ということがわかった。
テレビで紹介されすごく惹かれるものがあって、見に行きたいと思ったのだった。
案内ちらし
実家は東京。お寺だったが、画家を志し、ある時は、伊豆半島で3年間も漁師のような生活をしたり、京都で絵画の学校に通ったり、奈良には戦後、正強高校(当時)の校長を務め、晩年まで奈良で暮らした。
そんな奈良にもゆかりの深い人だったのだ。
海辺や村の景色は、色数少ないが温かみのある色あい。
描き方は独特で、見えたままではない俯瞰したような景色。
上のちらしの景色なども、富士山を中心として下の方には海(太平洋)上の方にも海(日本海)
不自然なような、不思議な構図。
藁葺き屋根のほっこりした形。集落の風景。
家や船などの描き方がまた細密。すごい。
透き通った海には泳いでいる魚の姿も見える。
海の波の表現が好きだ。
以前に暮らした伊豆半島のなつかしい海辺の景色も多い。
他の絵でも洗濯物が干してあったり、瓜の棚があったり、部屋に人が描かれていたり・・細かく描かれていて楽しい。
晩年まで暮らした奈良の風景。
西ノ京あたりも昔はこんな田舎だったのか・・。
絵の中に細かく字が書かれているものもある。
どうやって書いているの?と思っていた。
ボールペンやマジックも使用していると知って納得。
展覧会を見終わってから、もう1人の妹と待ち合わせ、ランチをしてから、奈良町を通る。
御霊神社 祭神は無実の罪で幽閉され、無くなった井上内親王。
祟りを恐れて後にここに祀られた。
御霊神社の「足止め狛犬」脚に赤い紐がたくさん結び付けられている。
これは「家出人や悪所通いの足が止まりますように」という願掛け。
近頃では「恋人とこれからも一緒にいられますように。客足が遠のきませんように」と言った現代風の願掛けもあるそうな。
安政元年開業の砂糖屋さん。
前に「こんふぇいと」(コンペイトウ)を買ったことがある。
ならまち格子の家に入る。
ウナギの寝床といわれる間口が狭く、奥行きの長い町家建築。
入り口の大戸は普段は跳ね上げてあるが、くさび?を外すと下に降りて閉まるようになっている。
小さい出入口になるような造りになっている。
太い格子は外から中を見通しにくい。
吹き抜けの高い窓もロープで開け閉めできる。
空間の有効利用 箱階段
梁や木組みがわかる2階
妹の家で、久しぶりで3人でおしゃべりを楽しんだ。