memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

迅速対応で拡大を防止      オランダ・ロッテルダム

2009-09-13 00:49:03 | 海事
>>船舶衝突の後のサルベージ作業の有様が克明に記述されている記事です:

8月30日(日曜日)早朝、2隻のコンテナ船NIRINT PRIDEとMSC NIKITAがオランダのHOOK沖12海里の北海で衝突。NIRINT PRIDEの船首部から出火、MSC NIKITAは沈没し始めた。Kotug社のRT SPIRIT, SD SHARK、RT MARGOがただちに対応した。SD SHARKは到着するや甲板上での消火活動を開始し、鎮火させることが出来た。

RT SPRITとRT MARGOはMSC NIKITAに曳綱を接続、乗組員25名はライフボートで退船、本船の機関部は水につかり沈没の危機にあった。オランダ沿岸警備隊のタグボートWALKERとSvitzer サルベージ社のタグBRAVEHEARTも加わり支援を開始。
乗組員の救助とオランダのHOOKへの搬送が安全に行われる間に、サルベージ契約がサルベージ会社のKotung および Svitzerと船主の間で結ばれた。

損傷を受けたMSC NIKITAへの浸水がはじまり緊急措置が必要となった。ヘリコプターと救助艇がSvitzerの要員と緊急対応機材を本船へ搬送。さらに追加の機材がSvitzer社のタグSimson で運ばれた。これら資材により転覆と屋沈没防止のための水止めと排出が行われた。

Kotug/Svitzer 両サルベージ会社による北海の浅場でMSC NIKITA 復元のための作業が行われたのち、入港プランが提示され、オランダ政府とロッテルダム港湾局がこれを承認した。天候が悪化する中本船が大きく傾斜しているため“いまにも”の状態であり港内に入れることが必要であった。

火曜日の朝MSC NIKITAはRT SPIRIT, RT MAGIC, RT MARGO, SD SEAHORSEなどのタグボートと本船に乗り組んだ両サルベージ会社のチームの支援を受けてロッテルダムに入港。またこの作業をBRAVEHEARTと沿岸警備隊のETV WALKERがエスコートし、さらに漏油対策のためARCA がスタンバイした。本船はロッテルダム港のEMOに無事接岸、ここでコンテナの一部が軽量化と復元性回復のため荷揚げされた。その後本船はECTターミナルへと移動積み荷のコンテナを下した。

このサルベージ作業の成功は作業に参加した両サルベージ会社のKotug/Svitzer 、北海管理局、オランダ沿岸警備隊、ロッテルダム港湾局に負うところが、サルベージ要員が本船に乗り込んでから48時間以内に入港出来た。