密漁船対策

FAO加盟の91カ国が密漁漁船締め出しのため国際協定の策定に合意した。この条約はIUU漁船に対して漁港からの締め出しを図るもので、FAOの仲介で行なわれたと国連が発表した（メルコプレス　9月1日）

不法操業や無報告、無登録漁業などを防止し、減少させ思いとどまらせるためのPSM（Port State Measures）なる条約は今回初めての国際的な取り決めであり、特にIUU漁船対策を主眼としている。この条約により、IUU漁船による漁獲物が国際市場に流通することを防止すると期待され. 不法操業に加わる漁船員の防止も目的。この条約はIUUに対して書く港が段階的に規制を強化する内容となっている。

本条約の骨子は：
・ 入港する外国漁船は特定する港に対し、事前に許可を得ることを必要とする。事善に本船の操業内容と漁獲物についての情報を報告することが必要。このことにより当局が赤信号を掲げることが可能となる
・ この条約は各国に対して検査の際の基準とその概要を規定する。本船書類の閲覧や漁具の査察、漁獲物の検査と本船の記録を検査し、IUU操業の発見に努める。
・ この条約署名国は港と検査官の体制を十分に整える必要がある。
・ 仮に当該漁船がこのアクセスを拒否した場合には当該港の国がその旨を公表し、旗国がその後の対応をとることになる。
・ この条約は情報の共有とネットワークの構築をIUU漁船に対して行なうとともに、開発途上国に対しては条約実行のための支援も行なう。
「IUU漁船による操業が漁業の生産性に損害をあたえ、ないしはその破壊に繋がっている。こうしたことは食料とその収入との両面で人々に深刻な問題となっている」とFAO漁業養殖部門の副理事野村一郎氏はいう。「この条約は現実的なもので明白な進歩をもたらすであろう」