memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

サバが戻ってきた   食 

2009-09-04 00:03:05 | 
 
甲板上の釣り上げたサバ、Rentonさんこの鮮度は満足ですか?

生のサバは旨い。しかしスコットランド人はその方法に様々な仕掛けをしている。今我々はサバのハイ・シーズンにいる。Weekend magazine誌のなかでGeorge Monbiotはサバのもっとも旨い食べ方は調理しないことだという。それは聞き捨てならない。日本人は海から揚がったばかりのサバはオオトロに勝るという。しかし、それは船の上や海浜でのみ可能なこと。サバは足が速く腐りやすい。12時間もたてば輝きも消え同じではない。(英国ガーデイアン 21日Arex Renton投稿)

自分が最初のサバを釣り上げたときにはまずサバの頭を一撃してから、ナイフではらわたを除き刺身のようにカットするのが一番だ。西スコットランドでサバの船釣りをするときは小さなタッパーウエアーの容器を準備する。その中には醤油、ワサビ、レモンを入れておく。この中にサバの切り身を漬ける。一杯のウイスキーがたまらない。まさにヘブリデスへの移動のような価値がある。

次善の策としては、自分は好まないがスコットランドのやり方である。サバのフィレをつくり骨をとりそして丸めてから細かいオートミールの中に入れる。もしオートミールがなければ大麦のクッキーを潰せばよい。次にバターを溶かし中火でこの大麦でまぶされたサバを1~2分間両面を焼く。最初に身のほうから焼くこと。これを間違えて皮目のほうから焼くと中国の占い魚のように反り返ってしまう。わが母は“mackerelax”というやり方が好きだ。これは北欧風の魚の扱いである。2尾の大型のサバを選ぶ。フィレーにして丁寧に骨をとる。身の側に大量の砂糖を衣のようにふりかけそのあと同量の塩をその上にかける。そして、新鮮なデイルの葉を重ねておく。ふたつのサバの身側と身側をあわせて大きな皿に乗せてから重石を載せる。 これを6~12時間冷蔵庫で寝かせる。その後は皿から取り上げずに水分を流し落とし、上下を逆にする。これはスモークサーモンのスライスとは違うが、非常にうまい食べ物だ。デイルとマスタードのソースそれにサワークリームと食べるのだ。

自分は釣具店で売っていたブリキの燻製器をもっている。これをピクニックの焚き火の上にそのまま置き魚の皿の下に木屑をふりかける。この燻製サバもまた良いものだ。こうした後はあなたが最も上質の魚屋で見かける軟弱なサバのような悲しみに誘惑されることは決してない。ニシンのように脂あって、その身はたちまちのうちに劣化する。いったん魚が町の魚屋に運ばれてきたときにはキャセロールにするしかない。しかしなんといっても、自分は新鮮なサバが大好きだ。もっと他の方法があったら教えて欲しい。

>>>mackerelaxとは北欧のgravedlaksになぞらえた、生のサバの食べ方のようだ。大量の砂糖と塩で身を締めてドリップを出し保存性を高めたものだろう。旨そうではあるがやはり日本ではしめ鯖を自作したほうが手早いだろう。いずれも鮮度の良いサバを旨く味わいたいという発想だ。スコットランドでも魚好きはサバの刺身を食うことを知った一文である。<<<