memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

沈没の恐怖を語る       ニューファウンドランド漁業者

2009-09-24 08:58:38 | 海事
漁船SEA GYPSY号(長さ13m)が12日土曜日の朝、ニューファウンドランドの130km沖合で沈没した。(CBC NEWS 16日 Courtesy of Clarence Vautier)
Broyle岬の漁師Jimmy Kavanagh は救助された3人のうちの一人である。他の一人58歳の漁師は現場捜索によって遺体で発見されたが、残りの一人は発見されていない。KavanaghがCBCに語ったところによると:

彼は当日の午前11時前にエビを満載し走り始めたところ異変を感じた。「後部の甲板に海水が上がった」 「ボートの乾舷はわずかだった。“そこでスキッパーに船が沈んでいるぞ!”と伝えたが彼は最初は信じなかった」 「起きろ、沈んでいるんだ」と言ったという。彼は他の乗り組みにも伝え、イマージョン・スーツ(寒い海にも耐えられる救命服)を着させた。彼は涙を流しながら語った。彼は泳げなかった。そして次に起こった事態は恐怖そのものであった。

「船が沈んでゆくのをこの目で見た」 「どのくらいの時間か、だって?時間余裕は・・・」 「一、二度は溺れかけた。顔だけが水から出たり、回転したりした。とても恐ろしかった。肺の中まで水を吸い込んでしまった」彼は30代後半の男で、2メートルもの波にたたかれながら、二人の学校に通っている娘のこと家族のことを思った。「子供や妻のことそしてみんなの事を思った。仲間は大丈夫かとも思った。何機かの飛行機が飛ぶのが見えた。自分が生きている事を知らせようと、手を振った。飛行機が自分に希望を与えた。彼らは自分の場所を認識したと思った。しかし、ヘリは何処にいるのだろう?もう飛んできたのだろうか?と思った」 彼はおよそ2時間のあいだ凍る海の中にいた、彼はもう駄目だと思った、

「自分は眠っていたかもしれな、しかしやがて自分を知覚した」 「体温が下がって行ったが、自分は死にたくない、と思った」一度快適な気分にもなった、しかしそれは体温低下の為だった」ヘリがやってきた。彼は辛くも手をあげて生存の合図を送った。「ほとんど死にかけていた。ヘリの音を聞いてから時間がたった。ヘリからダイバーが下りてきた。彼は自分の体にハーネスを取り付けた。彼の肩に腕をまわした。私は必死だった。しかしほとんど凍死しそうであった。」この後、彼は仲間の発見について語った。(中略)

+このエビ漁船は積みすぎではなかったか
ヘリの燃料が無くなるぎりぎりまで行方不明の仲間を探した。「もう行かなければならなかった。でも、行きたくはなかった。彼を見つけるまでは。ボートがやってきて我々を見ていた。我々はなすべきことはやった、ただ彼を見つけることが出来なかった。我々全員が病院行きとなった。全員が低体温症状にあった」彼ら3人はセントジョンズの病院に運ばれた。月曜日の朝、捜索はうち切られた。Kavanagh氏はふたたび、仲間を失ったことについて話しながら泣いた。
「彼の妻、子どもたち、両親のために彼が発見される事を希望する」 「ロバートは行ってしまった。彼らに出来ることが有れば何でもしたい。でも何もできないのだ。自分にとっては、最良の仲間まであり、いつも冗談を飛ばしていた仲だった」彼によればもうエビ漁は終盤にあるという。「あと2航海で今年の操業は終わりというところだった」彼は沈没の原因はエビの積みすぎだと思うと語った。