MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

移植医療

2010-12-12 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
12月11日のMEDINT医療通訳講座(医療)のテーマは
「移植医療について」でした。

講師は日本臓器移植ネットワークの太田恭子先生で、
臓器移植とは何かから臓器提供移植の現状、
実際の臓器提供の流れまで
とてもわかりやすくお話しいただきました。

臓器移植について、
脳死がどのような状態であるのか、
7月以降の改正移植法が法律改正前とどう違うのか、
実際の臓器提供数は日本ではどのくらいかなど、
専門家のお話を伺えたのはとてもよかったと思います。

特に法的脳死判定には時間をおいて2回の承諾が必要であること、
承諾は摘出手術前であれば撤回が可能であることなど、
家族の心情に配慮した手続きがなされていると感じました。

なぜ、医療通訳の研修に移植医療が必要なのか?
すでに日本で外国人がドナーになるケースは数件発生しています。

もし医療通訳がいない場合は家族や知人が通訳をしなければなりません。
しかし、この状況で当事者が通訳をするのは想像を絶する厳しさがあると思います。
だから第3者がやらなければいけない通訳の一つだと思うからです。

もう20年近く前ですが
父が亡くなった時、脳死の状態が1週間くらい続いたとき、
それが人の死であることを受け入れるのはとても抵抗がありました。
心臓死ではじめて死であることを受け入れられました。

育ってきた文化が違うと死生観が違ったり、
臓器提供に関してのハードルも違ったりします。

医療通訳をやる以上、
ケースを選べないのであれば
必ず勉強しておかなければいけないことの一つだと思いました。
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