過日、ジャーナリストの高世仁の次の発言にさすがに驚きました。つまり新潟日報の記者の暴言ツィートについてこのような発言をしたのです。
>少なくともジャーナリズムに関わるものは、批判するなら実名でという最低限のルールを破ったらおしまいだ。
えー、あんたそんなこと主張していいの、ですね。ジャーナリストが批判するなら実名でしなければいけないルールなんてあるんですかね?
たとえば、共同通信の社長だった原寿雄は、「小和田次郎」というペンネームで、「デスク日記」という連載を長く続け、社会で大きな反響を呼びました。高世は、原も小和田の名も知らないんですかね? そんなことはないと思いますけど。
高世は、いまだかつて、一度たりともペンネームなり匿名なりで記事なりなんなりを書いた経験がないんですかね。あるいはそうかもしれませんが、高世のジャーナリスト仲間の皆々様方は、仮名なり匿名なりで各媒体に執筆した経験がない、なんてことはなかったと思いますけど。そういったことについて、高世は批判なり、「批判するなら実名でという最低限のルールを破ったらおしまいだ」なんて話をしたんですかね。してないんじゃないんですかね。例えば高世は、かつて自分が日本電波ニュース社に所属していた際に、自社を実名で大々的に批判することが可能だったのか。あるいは、自分が現在経営するジン・ネットの社員あるいは関係者が、実名で自分なり会社を大々的に批判したら、それに対してどう対応するのか。高世は自分の会社を批判したし、自分(の会社)を批判されてもそれを責めないのかもですが、そういった対応を、自分以外の人たちも常にしてくれると考えているのか。
bogus-simotukareさんもご指摘のように、例えば今の産経新聞で、いかなる形であれ安倍晋三をあからさまに批判することが許されるかといえば、それは許されませんよね。懲罰人事、あるいは粛清人事があるでしょう。何しろ産経新聞というところは、他紙なら懲戒解雇確実なデマ記事を書いても(といいますか、他紙ならあんな記事「絶対」出ませんが)出世したり処分を免れるような非常識きわまりない新聞社ですから、逆に社論に反することを書いたら、ちょっとやそっとのことでは済まないでしょう。
でですよ、だからといったって、さすがに産経新聞の記者全員が安倍マンセーであるはずはないですよね。右翼的な意味合いで安倍を批判している記者だっているはず。で、そういう人たちに
>批判するなら実名でという最低限のルール
なんて説教したってしょうがないですよね。だって実名でそんなこと書いたらクビになったり左遷させられる可能性があるんだから。書いたはいいが、左遷になった、解雇されたなんて事態になったら馬鹿馬鹿しいにもほどがあるでしょう。お話にもなりません。
今の日本は、さすがに国家権力によってジャーナリストが死刑になる時代ではないですが、それだって、実名では書けないことなんかいくらでもあるでしょうにねえ。古今東西、そして将来も、実名でなく活動するジャーナリストなんていくらだっているでしょうし、またそのような存在が不要になる社会というのは、少なくとも高世や私が存命中、おそらく将来にわたっても、考えにくいんじゃないんですかね。世の中そんなに何でも実名でOKなんてことはあり得ないでしょうに。
それにしても、ジャーナリストを商売にしている人が、このようなことを堂々と発言するのにはさすがに驚きますね。今後高世は、生涯にわたり
>批判するなら実名でという最低限のルール
とかいうものを順守する自信があるのか。彼の仲間はどうか。なかなか難しいんじゃないんですかね。
あ、断っておきますが、私は新潟日報の人が発したという暴言ツイートを支持するわけじゃありませんよ。あんなのは論外です。しかしそういったことで、匿名批判を批判する高世の言論はおかしいんじゃないのと言っているわけです。
この記事は、bogus-simotukareさんの上にリンクした記事を参考にしました。感謝を申し上げます。
>常岡は「ご友人」高世にも「「匿名の卑怯者」がどうとかいってきた高世さんは、ロシアに移民して幸せになるといいですね」といってくれるんでしょうか?。まあ言わないでしょうけどね(苦笑)。
高世と言い常岡と言い全くデタラメな野郎共です。
ははははは。安倍晋三なんてのは、実名で物事を語る最たる人物ですが、かといってあの男の言っていることが信用できるかです。森友の、自分の奥さんが関係していたら議員やめるなんてのと同様、まったくもってあてになりません。それと同じです。
・「匿名の卑怯者」がどうとかいってきた皆さんは、ロシアに移民して幸せになるといいですね
■毎日新聞『ロシア下院:ネット規制法案採択 匿名でのSNSダメ』
https://mainichi.jp/articles/20170723/k00/00m/030/069000c
この常岡ツイートはどうやら「俺は実名だから卑怯じゃない」と言いながらデマを流し続けてきた、あるいは匿名の池田批判派に対し「匿名批判は無視する」と居直ってきた池田信夫への批判のようですが、「匿名は卑怯だ」つうのはこのid:Bill_McCrearyさん記事が指摘するように実は常岡の類友「高世仁」が言っていたことでもあるんですよねえ。
常岡は「ご友人」高世にも「「匿名の卑怯者」がどうとかいってきた高世さんは、ロシアに移民して幸せになるといいですね」といってくれるんでしょうか?。まあ言わないでしょうけどね(苦笑)。
高世と言い常岡と言い全くデタラメな野郎共です。
私もその点は考えました。無署名コラム、社説などは、つまり内容にトラブルがあった場合は会社が責任をもつわけで、新聞だって匿名で堂々と記事にしているわけです。それを高世はどう考えるのかです。
>あれは「岩波世界などから一流の政治記者として扱われる石川氏だからこそできたこと」であって、ああいうことを全員ができるわけもない。
自分の所属している会社を堂々かつ大々的に批判するなんて、石川さんや本多勝一氏、あるいは契約キャスターですが、「TBSは死にました」と言った筑紫哲也氏のような超大物でなければできません。NHKに出演している人で、一人だって実名を出してNHKを大々的に批判できる人間がいるかです。
> もちろん「ジンネット関係者の批判」が匿名であろうと中身が正しければ問題ないわけですが。「
ジン・ネットが批判されたのかどうかは知りませんが、いずれにせよこの発言は、高世さん、あなたにも返ってくるよということはきっちり認識してもらわなければ困ります。
たとえば「天声仁語や産経抄」は「実名出してない」わけですがああいうのを高世はどう評価するんですかね(苦笑)。「後に天声仁語や産経抄の筆者(例:産経の石井英夫)が当人の発言で明らかになる事は過去にありましたが」コラムの最後に「文責:誰それ」なんてことはいつも書いてないわけです。
あるいは雑誌の巻頭言なんか「記者の実名記載のことも勿論あります」が「編集部執筆程度の記載」や「何も記載がないケース」もあるわけです。
あるいは社説はどうなのか。まあ、論説委員の存在は公表されていますが「社説を誰がどうやって書いてるのか」、毎回社説に「誰それが文案を作りそれを元に議論した」云々なんてどこにもかいてないわけです。高世の主張はまじめに考えれば穴だらけの暴論ですよね。
>高世は、かつて自分が日本電波ニュース社に所属していた際に、自社を実名で大々的に批判することが可能だったのか。
まあ無理だと思いますけどね。
以前朝日新聞の石川真澄記者(故人)が岩波世界などで、宮沢、細川内閣時代に「実名で」『朝日の小選挙区制プッシュは間違ってる』と公然と朝日政治部批判をしていたことがありましたが、あれは「岩波世界などから一流の政治記者として扱われる石川氏だからこそできたこと」であって、ああいうことを全員ができるわけもない。
大体実名で岩波批判したら、会社から粛清人事を受けたと主張する金光翔さんと言う方(個人サイト:http://watashinim.exblog.jp/)もいるわけですが、高世はそれについて何というのか。
「岩波以外はそんなことしません」なんてことはありえないわけです。
>自分が現在経営するジン・ネットの社員あるいは関係者が、実名で自分なり会社を大々的に批判したら、それに対してどう対応するのか。
つうか
1)過去にジンネット関係者に匿名批判されて高世が憤慨した
とか
2)匿名で高世批判が起こってもおかしくないほどジンネット関係者に高世への不満が高まってることを高世が自覚してる
とかで「ジンネット関係者の匿名批判を封じるため」にこういう馬鹿な事を高世は言ってるんじゃないかと疑いたくなりますね。
もちろん「ジンネット関係者の批判」が匿名であろうと中身が正しければ問題ないわけですが。「実名を出せ」なんて高世が言えるのは「匿名批判に理路整然と反論した」上で、「この私の反論に異論があるというなら実名を出すなり、私の反論を覆すよう何か新しい証拠を提出したらどうだ」て話ですよねえ。