スウェーデン出身で主にイタリアで活躍した女優アニタ・エクバーグ(Anita Ekberg)が亡くなりました。記事を。偶然ですが、2日続けてのスウェーデン人俳優、そしてイタリアで活躍、あるいはイタリア映画に出演した人の記事となります。
>スウェーデン人女優アニタ・エクバーグさん死去
時事通信 1月11日(日)21時53分配信
. アニタ・エクバーグさん(スウェーデン人女優)11日、イタリア・ローマ郊外の病院で死去、83歳。
スウェーデン南部マルメ出身で、1950年に「ミス・スウェーデン」に輝く。渡米して雑誌のモデルを務めながら、幾つかのコメディー映画に出演。イタリアの巨匠フェリーニ監督に見いだされ、「甘い生活」(60年)のヒロインに抜てきされた。
エクバーグさんがローマの観光名所「トレビの泉」に入るシーンは有名な場面の一つとなった。「甘い生活」でフェリーニ監督はカンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)を受賞した。(ローマAFP時事)。
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考えてみると、ビョルン・アンドレセンもこれまたイタリア人の巨匠ルキノ・ヴィスコンティに抜てきされて「ベニスに死す」に出たわけですから、この2人は似たような映画デビューをしているわけですね。そしてその後あんまり俳優活動がぱっとしない(エクバーグはともかく、アンドレセンのほうはそんなに映画活動が好きではなかったのかもですが)というのも、残念ながら共通してしまいました。
どうも晩年は、経済的にだいぶ厳しいということが報じられたりと、あまり幸せな人生でもなかったようですが、ある意味イングリッド・バーグマンらと並ぶ、世界にスウェーデン女性の美しさを知らしめた女性ではあるかもしれません。
では、彼女の美しい時期の写真を。それにしても「エクバーグ」という表記自体が、やや時代を感じますね。「berg」は、スウェーデン語では「ベリ」あるいは「ベルイ」という表記をもっぱら日本ではします。スウェーデン語の発音に厳密にするとむしろ「バリ」という表記かもしれません。イングマール・ベルイマンとかエドベリなどの表記です。つまり「バーグマン」と「ベルイマン」とは同じ名前です。ただし別に親戚関係にあるわけではありません。スウェーデンではありきたりの名前です。本来なら、彼女も「エクベリ」とでも表記されるべきだったのかもしれません。
これは有名なシーンですね。「甘い生活」でしたっけ?
最後の写真は、1956年の作品「戦争と平和」より。ヴィットリオ・ガスマンとオードリー・ヘプバーンと一緒に。当時は、このようなスーパースターと共演できるくらいの女優さんだったわけですね。ちなみにオードリーは1929年生まれ、彼女は1931年生まれです。
けっきょく彼女は、生活の本拠地はイタリアのままお亡くなりになったわけですね。スウェーデンに帰ったほうがむしろ暮らしやすかったのではないかという気もしますが、彼女はイタリアが好きだったのかもですね。あるいはいまさらスウェーデンには帰れないと思ったのか。金持ちと結婚して裕福な生活をすることだってじゅうぶん可能だったはずですが、あるいは彼女は、セルフマネジメントの能力が弱かったのかもしれません。
アニタ・エクバーグさんのご冥福を祈ってこの記事を終えます。
まあ、そもそもハリウッド俳優でも誤記やご発音表記はありましたし、日本語の表記方法自体の変化もありますからね。
ヘップバーンとの写真がありますが、ヘップバーン以降、スレンダーな女優やモデルにも脚光が浴びだして、肉感的な女優の国際的な活躍の場がやや減ったということも関係しているのかなあ、なんて思いました。
そうなんですよね。第三世界が注目されてからは最大限現地語読みになったようですが、この間のコメントにもあったワレサなども難しいでしょうね。
>ハリウッド俳優でも誤記やご発音表記はありましたし、日本語の表記方法自体の変化もありますからね。
ジョージ・ハリソンかハリスンかとか、キューブリックもカブリック表記だった時代もありますし、パチーノはパシーノとも言いましたしね。ヘンリー・マンシーニも、イタリア語読みならマンチーニのはずですが、彼は米国人ですからそれはそれでいいのかもです。
>肉感的な女優の国際的な活躍の場がやや減ったということも関係しているのかなあ、なんて思いました。
おそらくそれもあったでしょうね。それらを凌駕する演技力でもあればですが、彼女にはそれはなかったのかもですね。
そういえば、「ヘプバーン」「ヘップバーン」とも表記しますが、かのローマ字の「ヘボン」はHepburnですもんね。彼は、キャサリンと親戚だそうで。「ヘ」に強いアクセントをつけて読めば、たしかにそんな発音にはなります。
簡単な例では映画のシーンで人に名前を聞き、「Lはひとつ?ふたつ?」なんて会話があったりもしますね。
>パチーノはパシーノとも言いましたしね。
初期はそうでしたね。
アル・パチーノといえば、「ゴッド・ファーザー」の終盤、洗礼式の宣誓シーンで、神父に「マイケル」ではなくイタリア式の「ミケーレ」で呼ばれていたのがリアルでした。
>ヘンリー・マンシーニも、イタリア語読みならマンチーニのはずですが、彼は米国人ですからそれはそれでいいのかもです。
出生時の名前は、やはりイタリア式の「エンリコ・ニコラ・マンチーニ」ですね。「ヘンリー」も英語読み名、「マンシーニ」も英語読みですね。
>それらを凌駕する演技力でもあればですが、
「演技力」あるいは記述されている「自己マネジメント」や広く大衆に訴える独自の魅力といったものですかね。まあ、当人が何を望むかは知る由はありませんが。
>そういえば、「ヘプバーン」「ヘップバーン」とも表記しますが、
何気にヘップバーンと書いてしまっていたのも、私がなじんだ時代の名残でした(苦笑
>かのローマ字の「ヘボン」はHepburnですもんね。
日本に直接かかわっていない人だったら、「ヘボン」なんて読めなかったと思いますね。
http://en.wikipedia.org/wiki/Anita_Ekberg#mediaviewer/File:Anitaekberg.jpg
あんまり人の顔を言うのもどうかですが、ちょっとかわいそうだな・・・という気がします。
英語版Wikipediaには、
>In December 2011, it was reported that the 80-year-old Ekberg was "destitute" following three months in a hospital with a broken hip in Rimini, during which her home was robbed of jewelry and furniture, and her villa was badly damaged in a fire. Ekberg applied for help from the Fellini Foundation, which also found itself in difficult financial straits.
とありますので、よろしくない経済状態であったのは確かでしょうね。
>エンリコ・ニコラ・マンチーニ
なるほど、これは完全なイタリア人の名前ですね。
>広く大衆に訴える独自の魅力といったものですかね。まあ、当人が何を望むかは知る由はありませんが。
彼女の場合、美貌が衰えてからのその後で、売る力がなかったんだろうなですね。そう考えると、オードリーも年を取ってから第一線を退いたのは、ちょっと美貌以外の売りが厳しいと思ったかもです。
>ヘップバーン
日本語版Wikipediaには、
>日本ではヘップバーンと表記されることも多い
とあり、注釈として紹介されているサイトには、
>Hepburnという名前は,明治時代には「ヘボン」と表記され,昭和時代には「ヘップバーン」と表記されている。*7. ヘボンとヘップバーンとが同じ苗字 Hepburnであることは,綴りを見るまでは分からない。Hepburnの [p] 音を [pu] と開音化して発音する日本語の習慣が [p] 音を「呑み込む」という発音法のさまたげとなっている,と指摘する学者もいる。+8. いずれにしても,この例はカタカナ表記を耳で聞いたとおりの原音で書くか,発音を無視して綴りをローマ字式に読んで表記したかの違いである。そして前者の方が原音に近いのはいうまでもない。この例のように,発音を無視して綴り字をそのまま書くことから生じる表記の不統一も多い。
とあります。で、日本語の平板な発音で「ヘプバーン」「ヘップバーン」では、たぶん英語では通じませんが、でも日本語の平板な発音で「ヘボン」といってもやっぱり通じませんしね。難しいところです。英語のアクセントを考えれば、「ヘップバーン」という表記の方が、より原音に似せようという意思はあるのかもですね。
現代の世界は、英語で動いていますからねぇ。
その方が、現実に即している場合も多々あると思います。
ミハエル・シューマッハなんかは、レース後の記者会見などで、ほとんど「マイケル」と呼ばれていましたし。
母国語での読み方が悪い訳では、もちろんありませんが。
既に例が挙げられているように、歴史的経緯もありますし。
現地語読みにこだわるより、それぞれの事例を面白がるのが一番かとw
非英語圏の欧州の人もそれなりに英語は得意ですから、日本人ほど違和感はないかもですね。
>ミハエル・シューマッハなんかは、レース後の記者会見などで、ほとんど「マイケル」と呼ばれていましたし。
そうでしたっけ。プラティニも「マイケル」なんですかね。
まあ私個人は、海外の状況はともかく日本においては、現地語読みのほうが妥当だと考えています。