ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

発達障害があまりにひどくてさらに家庭環境などの問題があると、ここまでひどい人間になりうる

2021-01-13 00:00:00 | 社会時評

最初にお断りしておきますと、私はこの記事の中で、この少年へこれこれこのような処置、処分をするべきであるという主張はいたしません。私はこの関係について、自分なりの意見を主張するだけの勉強はしていません。そういうわけで、この少年にどのような刑事処分等を下すべきかというご意見は、この記事に対しては無用ですので、そのあたりご了解願います。

最近いくつか発達障害関係の記事を書いています。それで、それがあまりにひどくてそれにさらによろしくない条件が重なると、ここまでひどい人間になりうるという記事を。

>15歳少年の鑑定留置終了 福岡・商業施設女性刺殺
毎日新聞2020年12月21日 18時53分(最終更新 12月21日 18時53分)

 福岡市中央区の大型商業施設内で客の女性(当時21歳)が刺殺された事件で、殺人容疑などで逮捕された少年(15)の刑事責任能力を調べるため実施された鑑定留置が21日、終了した。少年は福岡県内の施設から県警中央署に移送された。福岡地検は鑑定結果を精査した上で勾留期限の26日までに家裁送致する見通し。

 少年は9月25日から鑑定留置に入っていた。関係者によると、少年は過去に発達障害などと診断され、小学校中学年ごろから親と離れ施設を転々としていた。中学校には通っておらず、施設では暴力が度々問題となっていたという。

 家裁送致後に家裁が審判開始を決定すれば、成人と同様の刑事処分が相当として検察官送致(逆送)するか、少年院送致などの保護処分を決める少年審判にかけるかなどが審理される。

 少年は8月28日、商業施設「MARK IS(マークイズ)福岡ももち」の1階女子トイレで女性を刃物で切りつけて死亡させたなどとして逮捕された。県警によると、少年は事件の2日前に西日本の少年院を仮退院し、県内の更生保護施設に移ったが、27日に施設を抜け出していた。【一宮俊介、宗岡敬介】

さらにこのような記事も。

>「明るくかわいい孫」手負えぬ一面も 少年の祖父苦悩 福岡女性殺害
2020/12/25 6:00

 「被害者の方には、何をおいても申し訳ない気持ちです」。福岡市中央区の大型商業施設で8月、買い物客の女性(21)が殺害された事件を巡り、殺人容疑などで逮捕された少年(15)の祖父が、西日本新聞の取材に重い口を開いた。

 少年が生まれ育った鹿児島県内の小さな集落。ここに住む祖父の一軒家の玄関には、少年が図工の授業で作った人形が飾られていた。かわいがっていた祖母(故人)と風呂に入り、大きな声で数字を数える練習をした。祖父母と畑に出掛けて一緒に弁当を食べ、「楽しいね」とはしゃいだこともあった。祖父は「明るくてよく甘えてくる、かわいい孫だった」と目を赤くした。

 幼少期から他者との意思疎通が苦手な一面があり、発達障害と診断されていた。強い口調で叱られたときなどは、かんしゃくを起こして手が付けられなくなったという。

 「優しく受け止めるように心掛けていたが、自分に向かってきたときには厳しく叱りつけたこともある。障害の特性について勉強はしたが、分からないことも多かった」と明かした。

 少年が通った小学校の関係者によると、包丁を振り回す騒ぎを起こしたこともあったという。高学年からは家族の元を離れ、児童自立支援施設や少年院など数カ所の施設で過ごした。

 最後に言葉を交わしたのは、数年前に施設からかかってきた電話だった。「じいちゃん元気? 僕も元気に頑張っているよ」。しかしその後、暴力問題を起こし、さらに別の施設に移された。

 「またここに戻って来ると思っていた」。祖父は涙声で漏らした。

「暴力傾向」居所なく

 小学校高学年から暴力問題を起こすたびに、施設を何度も移ることになった少年(15)。接見を重ねてきた弁護士は「家庭でも施設でも、特性に合った教育や支援が受けられないまま、他人に対して暴力で存在感を示そうとする言動を身に付けてしまったのではないか」と推し量る。

 祖父によると、少年は小学3年の頃、「何もしてないのに怒られる。学校に行きたくない」と話し、不登校がちになった。当時の学校関係者は「保護者は学校の指導に問題があると受け止めているようだった。過疎地の学校でもきちんとした教育が受けられるようにと努力したのだが…」と振り返った。

 その後、両親が離婚。児童養護施設で生活することになったが、他の入所児童らへの暴力が目立ち、児童自立支援施設へ移されることになった。

 児童自立支援施設は都道府県などが運営し、非行少年らの立ち直りを支援する場。施設幹部は取材に「個別の事実関係は話せない」とした上で「近年は、発達障害や虐待の影響を受けた子の入所が増えている」と実情を説明した。「信頼関係を築けるような指導を心掛けているが、施設を出た後に苦労している子が多いのも事実だ」

 少年は暴力的な傾向が改善せず、鍵のかかった部屋での隔離が可能な施設に移った後、少年院に入った。

 関係者によると、8月の仮退院に当たり、約5年ぶりに母親の元で生活できるよう調整が進み、少年もそれを希望していたという。だが、直前で方針は変更され、福岡県内の更生保護施設で暮らすことに決まった。仮退院した翌日に施設を抜け出し、次の日、事件を起こして逮捕された。

 「悪い自分が出てしまった」。こう話す少年に向けて、弁護士は「悪い自分が出たらまた同じことをやるの? 悪い自分も君の一部だから、どうやったら自分をコントロールできるか考えていかないといけない」と諭した。

 少年は「自分が犯した罪は生涯かけても償いきれないほど大きく、後悔している」と反省の言葉を口にするようになったという。弁護士は語る。「少しずつ、自分がやったことの重さを客観的に見られるようになってきたと感じる。より深い反省ができるよう促したい」 (山口新太郎、片岡寛)

お亡くなりになった女性は本当に気の毒としか言いようがないし、この少年もほんとにどうしようもないなとしか言いようがありませんが、しかし・・・これいったいどういう対応をすればよいのか、まったく途方にくれますね。

それでこの記事を読んでいて、私が思い出した人物がいます。中学生の時、授業中教室を動き回ったり、奇声を上げたり、弱い者いじめをしたり、非行が激しかったりして、あまりにひどすぎて、教師も同級生もみな絶句していたような人物がいました。

この男は、あまりに非行ほかがひどすぎて、最後は学校にも来なくなり、それとほぼ同時でしょうが、家出をして、最終的には保護施設に収容されて、学校に戻ってこなくなりました。

この人物も、後になって考えてみると、きわめてひどい発達障害で、しかも知的障害もあり(中学2年生でまともにひらがなも書けませんでした)、家庭環境も悪かった。母子家庭で、まともに子どもの教育のできる親ではなかったと思います。たぶん親も知的障害者のたぐいではなかったか。生活保護も受けていたと思います。

そしてこれは私の勝手な想像ですが、たぶん福岡の少年は、私が知っている人物を超えて発達障害がひどかったでしょうから、学校でもさらにひどかったのではないか。記事中

>幼少期から他者との意思疎通が苦手な一面があり、発達障害と診断されていた。強い口調で叱られたときなどは、かんしゃくを起こして手が付けられなくなった

>童養護施設で生活することになったが、他の入所児童らへの暴力が目立ち

>少年は暴力的な傾向が改善せず

といったようなところは、まさに私の知っている人物と酷似していますね。そして上にも書いたように、たぶん福岡の少年のほうが私の知っている人物よりはるかに悪い状態でしょうから、まさに学校も級友も家族ほか周囲も、本当に絶句ものじゃなかったのではないですかね。正直、私の知っている人物と比べれば、行政などがこの少年には相当に手厚い支援をしていると思いますが(私の同級生は、家出するまではほとんどほったらかしに近かったと思います)、この少年が女性を殺したということを知った関係者は、まさに愕然としたでしょう。お話にもならないとはこのことです。

それで、これもずいぶん昔の事件ですが、こんな事件がありました。

レッサーパンダ帽男殺人事件

この事件は、浅草でレッサーパンダの帽子をかぶった男が、女性(短大生)を刺殺しました。特異な恰好の人物が容疑者だったため、マスコミも世間も大騒ぎでしたが、犯人が知的障害者だったということで、報道ほかも控えめになったということがあります。Wikipediaによれば、

>交差点で被害者が加害者を確認した際に驚いた顔をしたため、加害者は自分が馬鹿にされたと思い込み、被害者を狭い路地に引き込んで胸や腹、背中などを包丁で刺し、失血により死亡させた。

とのことで、そうであるなら性犯罪とはまた違うのかもですが、知的障害や発達障害のある人物が、見ず知らずの女性を理不尽に殺害したということは共通しています。福岡の事件も、少年が女性を殺害した背景には、たぶん性犯罪というだけでもない「なにか」があったのかもしれません。そうだとすれば、それも彼が抱える「闇」の一つなのでしょう。わかりませんが。

なおレッサーパンダの事件では、犯人の男は無期懲役が確定(高裁に控訴するも取り下げ)し、現在はどこかの刑務所で服役しています。無期だから千葉刑務所かな? 仮釈放はなかなか認められないと思います。ただこの人物は、刑務所でもまともな懲役をこなせるか疑問です。だいたい刑務所に行く人間の中には、知的障害者が多いというのは有名な話です。

何回も取り上げている元予備校講師の佐藤忠志氏のような頭はいいが生活力が全くない発達障害者もいますが、暴力的な傾向、知的障害、悪い家庭環境などがそろうと、よろしくなさは加速度的にひどくなります。この少年がどのような処分を下されるにしても、そんなに時間がたたずに社会に再び出てきます。それまでにどうやって彼を更生させるか本当に大変そうです。昨年だったかに読んだこちらの本も、私には極めて示唆に富むものでした。

ケーキの切れない非行少年たち

福岡の少年、私の同級生も、どうもケーキを三等分できなさそうに思いますね。あまりいい言い方ではないことは承知の上で書きますと、こういう人間は、正直異次元という感がありますね。まともな日本語、社会常識が通用しない。先日の記事で書いたことを再び書けば、

>映画『暴力脱獄 』で、刑務所長のストローザー・マーティンが、脱獄するポール・ニューマンを評して

>>What we've got here is failure to communicate(「意思の疎通が欠けてたようだ」)

と語りますが、この人物もたぶん映画でのルーカス・ジャクソンめいた人物じゃないですかね。話が通用するような人物ではないのでしょう。

になると思います。たぶんですが、その記事でも書いた米原市や向日市の生活保護受給者たちは、福岡市の少年や私の同級生と同じような連中なのでしょう。事実米原市はそこまでいかないかもですが、向日市の生活保護受給者は、殺人でなく傷害致死という扱いのようですが、3人も人を殺しているようで、まさにちょっとやそっとの人間ではないわけです。

ほんと、他人に迷惑をかける連中には困ったものです。


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